妊娠11週目 胎児の大きさ・体重・エコー写真
■妊娠11週目
- 妊娠3カ月
- 受精から63~69日目
- 頭殿長(座高・CRL)44mm~60mm
- 体重は10gほど
<妊娠11週目 目次>
妊娠11週目の胎児はお腹の中でおしっこをしています
胎児はおなかの中でおしっこをしています
胎児の内臓は全てでき、脳は出生時と同じ構造に発達
まだ妊娠3カ月ですが、胆のう、膵臓(すいぞう)、肝臓、肺、甲状腺などの生命維持に必要な内臓は全てできてきました。脳はまだ小さいですが、出生時と同じ構造に発達しています。あくびもするようになります。手を開くこともでき、よく見ると、超音波でかわいい指が確認できるまでになっています。赤ちゃんの皮膚感覚は、とても敏感になっていて、温かい、冷たいや、振動などを感じられるようになっています。
器官形成期が終わります
一般に、妊娠5週~11週までを器官形成期といって、神経、呼吸機能、循環器系、消火器系などの主要な臓器が急速に発生してきて、妊娠11週(11w)で一応の完成を見ます。今後、赤ちゃんが何らかの影響を受けたとしても、赤ちゃんに奇形が見られることはなくなります。妊娠初期流産について、妊娠11週の流産の確率は低い
妊娠22週未満になんらかの原因で赤ちゃんが母体の外に出てしまうことを流産いいます。妊娠12週未満の流産を早期流産、妊娠12週以降22週未満を後期流産と分類します。早期流産でもその多くは、胎児心拍が確認できる妊娠初期におこります。ネット検索の中で「9週の壁」「10週の壁」と言う言葉も生まれているようですが、医学的にはそのような用語・概念はありません。また妊娠週数別の流産確率についての信頼できる調査はなく、正確に妊娠9週や10週の流産が高いというデータはありません。しかし、妊娠後に約15%の割合で起こる全流産のうち、約9割が初期流産(約7割が心拍確認前、2割が心拍確認後) で後期流産は約1割。また実際に私のところにこられる妊婦健診では、心拍確認後の流産は8週までが多い印象はあり、妊娠11週での流産はかなり少ないです。
妊娠初期に起こる流産の原因は、そのほとんどが受精卵の異常であり、染色体や遺伝子に異常があってうまく細胞分裂ができなかったために偶発的に起こるものです。受精卵の時点で運命が決まっており、いくら母親が注意していても、流産を避けることはできません。
▷妊娠初期の流産の症状・原因・手術方法
妊娠11週目の症状・気を付けること
立ちくらみやめまいが出やすくなります
症状が見られる方は急に立ち上がらないようにしたり、めまいを感じたら横になって休みましょう
脳貧血といっても、血が薄くなる通常の貧血とは違います。妊娠をしているから起こるため予防は難しいのですが、症状が見られる方は急に立ち上がらないようにしましょう。
また、めまいを感じたときには、横になって休むこと。しばらくすると血液が頭(脳)に戻ってくるので、症状はおさまります。子宮に血液がいくために起こる症状なので、赤ちゃんはもちろん元気いっぱい、体はすっかり母親モードです。
ホルモン環境の変化でおりものの量が増えます
妊娠するとおりものの量が増えてきますが、これは子宮口をふさぐ子宮頸管粘液や膣内の健康状態を保つための分泌液が、ホルモンの働きによって増えてくるからです。特に妊娠初期は、ホルモン環境が大きく変わるために量が増加しますが、心配いりません。ただ、白っぽいかすのようなおりものが出てかゆみをともなうときは、カンジダ膣炎の可能性もあるので医師に相談を。眠くて仕方なくても大丈夫
脳貧血とは別に、やたらと眠気やだるさを感じることがあるかもしれません。妊婦健診で「眠くて仕方がないんですけど大丈夫ですか?」と聞かれることも少なくありませんが、もちろん大丈夫です。妊娠すると睡眠ホルモンが出るといわれていますが、これも、赤ちゃんからの「無理をしないでね」というメッセージなのでしょう。状況の許す限り、休息をとってあげましょう。つわりはピークを越え、解放される人も
一般には、妊娠4週~6週目ぐらいからつわりが始まり、妊娠12週~16週目ぐらいには落ちついてくる場合がほとんどです。また、つわりの辛いピークは妊娠7週~11週目ごろという人が多くなっています。とはいえ、妊娠10週ぐらいに早々とつわりが終わり解放されてしまう人もいれば、妊娠後期や赤ちゃんが生まれるまで、ずっとつわりが続いていたという人もいて、期間や症状は人それぞれ違います。
残念ながらつわりを治す方法はないため、ただ待つしかありませんが、つわりがひどいという方は、症状を軽くする方法をいくつか試して乗り越えて下さい。また、朝から晩まで吐いている、体重が4kg~5kg減った、水分を受けつけない、尿がほとんど出なくなった、フラフラするといったような症状があったら「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と呼ばれる病気の範ちゅうのため、病院に行きましょう。
▷いつまで続く?つわりの時期・症状と対処法
▷つわりを軽減する10の対処法
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