妊娠4ヶ月(12~15週目)の胎児の発達や母体の症状
妊娠4ヶ月の時期は、ママの体で胎盤が完成し、お腹の中の赤ちゃんは、臍帯(へその緒)を通して栄養を摂るようになります。羊水の量が増えて、背中を伸ばしたり、手足を動かし始めるようになります。
妊娠4ヶ月目 妊娠12~15週の胎児の様子・母体の症状や気を付けること
妊娠12週目の胎児の発達
- 妊娠12週目:受精から70~76日目
- 胎児の大きさ:頭殿長(座高)6cm
- 胎児の体重:10~15g程
- 母体の変化:お腹が少し出てくる人も。子宮はグレープフルーツ大に
妊娠12週(12w)になると今まで急成長を続けてきた赤ちゃんも、このあたりでペースダウン。これまでに比べれば、少しゆっくり成長していきます。内臓や消化器官が機能しはじめ、肝臓は胆汁を作り出し、腎臓は尿を作って膀胱に送るように。体毛が現れたり、産声をあげる生体の準備が始まったりという変化もあります。
胎動を感じるのはまだ先ですが、子宮の中では体を曲げたり、伸ばしたり、キックしたりと、赤ちゃんの動きもだいぶ激しくなってきました。
▽参考記事
妊娠12週 胎児の大きさとエコー写真・流産の壁の実際
妊娠13週目の胎児の発達
- 妊娠13週目:受精から77~83日目
- 胎児の大きさ:頭殿長(座高)が75mm
- 胎児の体重:20gほど
- 母体の変化:ホルモンの分泌量が原因で、便秘気味になりがち
妊娠13週(13w)の赤ちゃんは腕が伸びてきて、生まれたときに近い、バランスのとれた体つきになってきました。足もこれからどんどん伸びてきます。親指を舐める、手首を曲げる、握りこぶしを作るなど、複雑な動きもできるように。超音波検査でも全体が一番見える時期なので、夫婦2人で妊婦健診に行くのもおすすめです。
肺の動きも活発化。羊水を肺の中から出したり入れたりして、呼吸のまねごとも始めています。内臓では、脾臓が働き始めます。腸は、正しい位置におさまるように動いていきます。大腸は小腸を縁どるようにして小腸の周りに落ち着いてきます。小腸はまだおなかの中にぶら下がっていますが、これからきちんとおさまっていくところです。
▽参考記事
妊娠13週 胎児の大きさ・エコー写真・性別や胎動はいつわかる?
妊娠14週目の胎児の発達
- 妊娠14週目:受精から84~90日目
- 胎児の大きさ:頭殿長(CRL)が80~93mm
- 胎児の体重:25gほど
- 母体の変化:お腹の張りや痛みを感じることも
妊娠14週(14w)になると、胎盤も完成に近づいてきます。胎動はまだわかりませんが、羊水の中を回転するなど赤ちゃんは活発に動くように。
これまではあごと胸がくっついていましたが、首が発達して長くなったため、離れてきます。腕と体の比率は、出生時の様子にかなり近づいてきています。まだ脂肪はついてはいませんが、少しずつ皮膚の厚みが増し、うっすらとうぶ毛が生えてきています。
赤ちゃんの心臓は、もう活発に動いています。心拍数は1分間に150回ほど。お母さんの倍以上の速さで、小さな心臓を目一杯使って1日に25L弱の血液を全身に送り出しています。 健診で心音を聴いてみるとよいでしょう。また、各器官も成熟が進み、脳細胞をつなぐ配線の神経回路もできてきます。
▽参考記事
妊娠14週 胎児の大きさ・エコー写真・お腹の張りは大丈夫?
妊娠15週目の胎児の発達
- 妊娠15週目:受精から91~97日目
- 胎児の大きさ:CRL(頭殿長)が104~114mm
- 胎児の体重:40gほど
- 母体の変化:胎盤がほぼ完成し、体調が安定する人も
妊娠15週(15w)になると、皮膚が厚くなり、指紋ができたり、足のつめも完成してくるなど、体の細かい部分もどんどん作られています。体の大まかな組み立ては終わりましたが、全てがまだ未熟なので、これからは外部とのコミュニケーションを通して、それぞれの臓器や器官が成熟し、成長していきます。
赤ちゃんの顔の表情もバリエーションが増えてきて、難しい顔やしかめっ面もできるように。 閉じたまぶたの下では、目がゆっくりと動かせます。舌の上には味蕾(みらい)ができてきて、もうすぐ味も感じることができるようになります。
親指をチュッチュッと吸う吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)ができるようになっています。胎児はおなかの中で顔を向けた方の指しかしゃぶりません。そして、これが利き手の始まりと推測されています。
▽参考記事
妊娠15週 胎児の大きさ・エコー写真・お腹の張り・胎動は分かる?
妊娠4ヶ月はつわり症状が落ち着いてくる人も
妊娠4ヶ月、そろそろつわりも落ち着いてくる……?
■妊娠悪祖の症状
- 朝から晩まで吐いている
- 体重が4~5kg減った
- 水分を受けつけない
- 尿がほとんど出なくなった
- フラフラする
■つわりの症状を軽くするコツ
- 気分が悪くなったらすぐに休む
- お腹が空いて胃が空になる前にこまめに食べるようにする
- たんぱく質と、米やうどんなどの複合炭水化物を摂る
- 朝に胃が空っぽでむかつきが憎悪するのを防ぐため、就寝前に軽食。朝も起きる上がる前に、ベッドのなかで複合炭水化物を摂る
- 見かけやにおい、味などで吐き気を催すものは避ける。栄養のバランスより、食べられる物を重視
- 水分をできるだけ多く補給するように心がける。気持ち悪くなる場合は炭酸水や果実、生野菜など水分が豊富なものを口にする
- 吐いた後は、必ず歯を磨くか、口をゆすぐ
- 歯磨き粉や歯ブラシを気持ち悪くならないものに換え、気分が悪くなるならマウスウオッシュで口をゆすぐ
- つらさを周囲に理解してもらい、家事などの仕事を協力してもらう
- ブラジャーなど体を締めつけるものをやめる
- 外出したり趣味に没頭したりして、気持ちを他に向けてみる
- 希望がある場合、医師に処方してもらう。メトクロプラミド(商品名:プリンペラン)、ビタミンB6(商品名:ピドキサール)、漢方の小半夏加茯苓湯などが、吐き気を和らげる場合も
つわり時期はいつまで続く?悪阻の期間・症状と対処法
つわり対処法!ひどい・気持ち悪いつわりを和らげる10の方法
▽参考サイト
つわり/女性にやさしい職場づくりナビ - 厚生労働省
妊娠悪阻/女性にやさしい職場づくりナビ - 厚生労働省
つわりが落ち着いたら考えたい妊娠中の栄養管理
妊娠4ヶ月前後につわりが落ち着いてきたら、栄養管理も考えよう
妊娠中の食事はバランスよく摂取できていれば、特別これを食べなければいけない、と神経質になる必要はありません。ただし、偏食や過食には気を付けましょう。
■妊娠中に食べたほうがいいもの
- たんぱく質……筋肉、皮膚などを構成する。魚、肉、大豆製品など
- ミネラル……カルシウム、マグネシウム、鉄、カリウムなど
- 葉酸……赤ちゃんの脳神経の発達と神経管の形成に関係する。ホウレンソウやシュンギクなどの葉物野菜、豆類の中でも納豆、レバー類など
- 食物繊維……押麦、玄米、大豆、納豆など
■妊娠中に食べないほうがいいもの
- マグロやキンメダイなど大型魚や深海魚……メチル水銀を比較的多く含むので、水銀摂取が胎児に影響を与える可能性が懸念される。妊娠中期以降は控える
- 化学調味料や人工添加物……過剰摂取は推奨されないが、どのくらい摂取すれば、どのような影響が出るか詳細は不明。基本的に、通常の食事であれば神経質になることはない
- 生肉……妊娠中の肉食は十分に過熱したものが基本。生肉はトキソプラズマのおそれも
- お酒……アルコールは胎盤から胎児に移行するため、胎児アルコール症候群(FAS)のおそれ。高頻度の大量摂取でない限り可能性は低く、妊娠に気づく前の飲酒もまず心配不要だが、妊娠を自覚したら禁酒が基本
▽参考記事
妊娠中の食事の疑問!OK・NGな食べ物・飲み物は?
▽参考サイト
妊娠中と産後の食事について/厚生労働省
妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意/厚生労働省
妊娠4ヶ月も飛行機移動は大丈夫だが、旅行は安定期がおすすめ
マタ旅を計画するにあたって、気圧の変化などの問題から、飛行機移動をしても大丈夫なのかは気になるところでしょう。実は、気圧の変化が赤ちゃんに影響することはありません。しかし、飛行機の機内は湿度が低く、また長時間動きづらい環境です。十分な水分補給と、座席でも下肢の運動をしたり、気流がいい時は機内を歩いたりといった血栓症対策は忘れずに。搭乗の際、客室乗務員に妊娠していることを伝えておくと安心です。
なお妊娠中の旅行におすすめの時期は、妊娠4ヶ月よりはもう少し先。安定期がおすすめで、16~27週以降が最適です。妊娠初期は流産の可能性やつわりがあり、また乗り物酔いが増悪しやすいので、なるべく避けましょう。ただし、旅行と流産は直接関係がありません。12週になると体調は安定してきますが個人差があります。また、妊娠9ヶ月(妊娠28週~31週)もまず問題ないでしょうが、お腹が張りやすくなってくるので、無理は禁物です。
マタ旅の必需品は、母子手帳、保険証、生理用ナプキンです。常に余裕あるスケジュールで、のんびりとした旅行を計画しましょう。
▽参考記事
妊娠中の旅行・マタ旅のおすすめ時期と注意点
▽参考サイト
Q.「妊娠中に海外旅行に行っても大丈夫ですか?」女性の健康推進室 ヘルスケアラボ/厚生労働省
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