近年「葉酸」入りの様々な商品が登場していますよね。 「葉酸」とはいったいどんな栄養素なのか、なぜ注目されてるのかについて解説します。

 

なぜ葉酸は注目されているの?

ホウレンソウ
葉酸という名前は、ホウレンソウから発見されたことに由来しているとか。水溶性のビタミンB群の仲間です
画像提供/Eyes Pics
葉酸は、水溶性のビタミンB群の一種です。ビタミンB12とともに、赤血球の生産を助ける造血に必要なビタミンとして知られています。また細胞のホモシステインというアミノ酸が、タンパク質の合成に必要なメチオニンに変換されるのを助けたり、核酸の合成にも必要です。

タンパク質や核酸の合成に働くということは、細胞の生産を助けることになり、そのため胎児の発育に不可欠で、妊娠期や授乳期のお母さんにとって、葉酸は必要不可欠な栄養素とされています。

近年神経管閉鎖障害(脳や脊髄などの中枢神経系のもと(神経管)が作られる妊娠の4~5週ごろにおこる先天異常)の発症率が高かった欧米諸国では、多くの疫学研究が行なわれた結果、受胎前後に充分な葉酸を摂取することより、発症リスクが低減することが示されました。

日本でも、厚生労働省は、神経管閉鎖障害の予防ではなく、あくまでリスク低減のために、妊娠を計画している女性、妊娠の可能性のある女性は通常のバランスのとれた食事からの摂取に加えて、1日400μgの葉酸を栄養補助食品から摂取することが望ましいこと、けれども安易に栄養補助食品からとることで過剰摂取にならないように、また葉酸摂取量は1日に1mgを越えるべきではないなどと勧告しています。

動脈硬化や認知症にも期待

葉酸は、他にもいろいろと健康維持のために期待がされている栄養素です。葉酸が不足すると必須アミノ酸のひとつであるメチオニンの代謝に異常が生じ、血中のホモシステイン濃度が上昇します。ホモシステインは血管障害を引き起すため、動脈硬化や虚血性心疾患の原因となると言われています。

高知産業保健センターによると、高知県衛生研究所、筑波大学、大阪府立健康科学センターとの共同研究では、ホモシステインが高い(11_mol/L以上)と動脈硬化を起こしやすく、脳梗塞に4倍かかりやすいことを日本人のデータで初めて明らかにしました。ホモシステインは必須アミノ酸のメチオニンが代謝される際に一時的に作られる悪玉アミノ酸。葉酸とビタミンB12・B6が不足すると高くなります。特に葉酸とビタミンB12・B6が大切と示しています。

他にも、葉酸の摂取が多いほど閉経後の乳がんの発症率が低くなるなど様々な報告があり、今後の葉酸の研究に期待が寄せられています。