妊娠12週目 胎児の大きさ・体重・エコー写真、流産の可能性はかなり低く
■妊娠12週目- 妊娠4カ月
- 受精から70~76日目
- 頭殿長(座高)が6cm
- 体重は10g~15gほど
<目次>
妊娠12週の壁!? 流産となる可能性はかなり低く
ここまで生き抜いてこれた赤ちゃんは、染色体異常など胎児の理由により流産となる可能性はかなり低くなります。流産とは、妊娠22週未満に何らかの原因で赤ちゃんが母体の外に出てしまうことをいいます。そのうち、妊娠12週未満の流産を早期流産、妊娠12週以降22週未満を後期流産と分類します。早期流産でもそのほとんどは、胎児心拍が確認できる妊娠初期におこります。
ネット検索の中で「9週の壁」「魔の9週」や「12週の壁」と言う言葉も生まれているようですが、医学的にはそのような用語・概念はありません。また妊娠週数別の流産確率についての信頼できる調査もありません。しかし、妊娠後に約15%の割合で起こる全流産のうち、約9割が初期流産(約7割が心拍確認前、2割が心拍確認後) で後期流産は約1割。また実際に私のところにこられる妊婦健診でも、心拍確認後の流産は8週までが多く、妊娠8週以降、さらに妊娠12週での流産はかなり少なくなります。
妊娠12週目は胎動や赤ちゃんの性別はまだ分からない
胎動を感じるのはまだ先ですが、子宮の中では、赤ちゃんの動きもだいぶ激しくなってきます。体を曲げたり、伸ばしたり、キックもしています。そんな元気な赤ちゃんに妊婦健診の超音波検査で出会えれば、大感激すること間違いないでしょう。赤ちゃんの性別を確認しやすいのは妊娠20週前後でしょう。早ければ、超音波検査で妊娠13週ごろから確認が可能なので、もう少ししたら赤ちゃんの性別が分かる方も出てきます。
胎児の内臓や消化器官が機能開始
胎児の内臓や消化器官が機能し始めます
体毛が現われたり、産声の準備が始まる
妊娠12週(12w)の赤ちゃんの顔まわりでは、爪やまゆ毛、まつ毛などの体毛が少しずつ現れてきます。また咽頭に声帯が発達をし始め、生まれたときの産声の準備が始まりました。赤ちゃんの歯ぐきの中には、20本の乳歯のもとが現れ、あごの発達もみられます。
耳の形も整ってきていますが、まだ音は感じられません。
妊娠12週目の症状・気を付けること
体調は徐々に良くなる傾向に
妊娠4カ月に入ると、個人差はありますがつわりや妊娠初期の不安な気持ちが少しずつ和らぎ、体調は徐々に良くなってゆくでしょう。初期までは2週間毎くらいに、妊婦健診があったかもしれませんが、初期流産の時期を過ぎ、妊婦健診は4週間に1回となってきます。これからは安定期になりますが、まだ胎動を感じられない時期なので健診の間隔が急にあいてしまうことで、不安になる方もいるでしょう。あまり心配な場合は、少し早めに受診させてもらえるよう、先生に相談してみてもいいでしょう。
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お腹の膨らみが出てきたと感じる妊婦さんも
子宮は骨盤内でグレープフルーツほどの大きさに
外から見ると下腹はまだ膨らんできませんが、子宮は骨盤内でグレープフルーツほどの大きさになります。膀胱を圧迫することで頻尿となり、腰痛が出てきやすくなります。体操や運動をしたり、温める、マッサージをしてもらうなど解消法を見つけておきましょう。妊娠中は冷やさないようにしてください。
よくある質問
Q. 妊娠12週頃までに風疹にかかると「先天性風疹症候群」が起こる可能性があると聞きましたが、どのような病気でしょうか。
A. 妊娠初期の妊婦さんが風疹ウイルスに感染すると、風疹ウイルスは血液を介して赤ちゃんにも感染し、様々な障害を引き起こす可能性があります。これを「先天性風疹症候群」といいます。代表的な3 大症状は先天性心疾患、難聴、白内障です。妊娠初期に罹患するほどその可能性は高くなり、妊娠1カ月(~妊娠3週)で50%以上、2カ月(妊娠4~7週)で35%、3カ月(妊娠8~11週)で18%、4カ月(妊娠12~15週)で8%に発病するというデータがあります。
Q. 妊娠12週のエコーでダウン症かどうかは分かりますか
A. 妊娠12週で、首の後ろのむくみ、鼻の骨が短いなど、ダウン症の特徴を観察することは可能です。ただし、その結果からダウン症かどうかの確定診断はできません。母体血液採血からの母体血清マーカー検査と総合して、ダウン症の確率を算出することはできます。
Q. 妊娠12週になり、初期に続いていた高温期から基礎体温が下がるようになりました。お腹の赤ちゃんに影響はないでしょうか。
A. 妊娠4か月後半(14~15週)くらいになり、基礎体温が高温期から下がってくることが多いですが、12週で下がってきたから異常というわけではありません。健診で特に異常がなければ、赤ちゃんへの影響はありません。
Q. 妊娠4カ月の流産確率はどれくらいでしょうか。また流産の兆候はあるのでしょうか。
A. 全妊娠のうち約15%が流産になりますが、そのうち約8割(全妊娠の約12%)は妊娠12週未満の流産です。一方、妊娠12週以降の流産(~妊娠21週)は約2割(全妊娠の約3%)、妊娠4カ月(12週~15週)の流産率は約2%になります。なお、後期流産の多くは、流産の兆候がなく赤ちゃんの心拍が止まる子宮内胎児死亡によるものです。
Q. 妊娠12週になりましたが、まだお腹が出ません。この頃の平均腹囲はどれくらいでしょうか。
A. 妊娠12週(4か月)では、つわりの程度により妊娠前より痩せている方もいるため、お腹が出てなくても問題ありません。腹囲(臍の周囲)は妊娠前の体型にもよるため比較する意味はあまりありませんが、この時期の平均は約70㎝です。
Q. 妊娠12週になり、初期からみられた胸の張りがなくなった感じがしますが、お腹の中の赤ちゃんは大丈夫でしょうか。
A. 妊娠12週で初期の胸の張りがなくなることは少ないかもしれませんが、健診で赤ちゃんの成長、心拍などに異常がなければ問題ありません。
Q. 双子を妊娠中で12週に入りますが、すでにお腹がとても大きいです。平均腹囲は双子の場合どれくらいでしょうか。
A. 妊娠12週ですと、双子でもまだ子宮は骨盤から出てくるかどうかくらいで、腹囲も単胎(ひとり)の場合と大きな違いはありません。お腹が大きいというのは赤ちゃんの発育がいいというのでなく、妊娠性ホルモンの影響もあり下腹に脂肪がついたことによります。腹囲は妊娠前の体型にもよりますし、最近の正確なデータもありませんが、平均では70cm~75㎝程度かと思われます。
Q. 妊娠12週はまだ安定期ではないですが、親や職場への報告はした方がよいでしょうか。
A. 妊娠12週になると、流産のリスクは低下します。つまり、赤ちゃん側から見るとほほ安定期になります。つわりなどで母体が不調になることも多いため、事情を理解してもらうためにも、まだ報告していないのであれば少なくとも職場へは早めに知らせた方がいいでしょう。
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