オットは団地育ち。
両親が郊外に木造2階建ての住まいを建て、
引越しをしたとき、うれしかったのは、
階段を上って自分の部屋に行けること、だったとか。

ワタシは平屋育ち。
小学生の頃に兄とワタシの部屋が増築され2階建てに。
何故かやっぱり楽しくて、理由もなく、
何度も上り下りしていた覚えがある。

階段は、上下移動するための役割はもちろんだが、
他の空間とは違う気分を味わうことが
できる場所なんじゃないかな。
工夫次第では、もっと、わくわく感を
生み出すこともできるんじゃないかな、と思うのだ。

階段のつくり方で暮らしも変わる

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わが家の階段。窓からの光もたっぷり入るので、明るさも充分。左手がお気に入りの本棚だ

住まいの中で、階段は意外と面積を必要とするもの。間取りプランを検討する際には、どうしても居室空間が優先され、階段は上り下りできるスペースを確保するだけで精一杯、というケースも多い。心地よさなど考慮されずに、暗く狭い隅っこに、追いやられるということもありがちだろう。

それでも最近では、子供が玄関から直接個室に行かないようにリビングに階段を設けたプランも一般化しているし、空間に広がりを持たせるため蹴込み板のないオープンな階段や限られたスペースを有効利用しつつデザイン性にも配慮した螺旋階段を設ける例もみられる。また、棚や収納を組み込んだ階段やゆとりのある踊り場を設けワークスペースにするプランなど、単に上下移動の用途だけではない提案や工夫も増えているように思う。階段のプランニングによって、空間のつくりだけでなく、家族のコミュニケーションにも影響を及ぼすこともあるものだ。

もちろん、安全性を優先に

もちろん、どのような階段とする場合でも、プランニングの際には単体ではなく間取り全体で検討すること、日々の使い勝手や動線、特に安全性に配慮することが重要なのは言うまでもない。家族構成やライフスタイルによって優先順位はそれぞれだが、やはり安全性を第一に考えたプランやデザインを取り入れることは基本。小さなお子さんや高齢の方がいらっしゃるご家庭であれば、なおさらの配慮が必要だろう。

小さな子供や高齢者はいないけれど、そう遠くない未来には高齢者がふたり、という家族構成になるわが家の場合。新しい家を建てる際、建築家のKさんには、「傾斜が緩やかで、安全な階段にして欲しい」ということをお願いした。2階にリビングを設けることが希望だったので、一日のうちの階段の上り下りは、かなりの回数になるはず。年齢を重ねるごとに、上り下りがしんどく、危なっかしくなることもあるだろう、と思ったからだ。

ゆとりを生み出す空間にも

Kさんが提案してくれた階段は、途中2ヶ所で直角に折れるスタイル。緩やかな傾斜になっていることはもちろん、踏み板には滑らないように凹みが設けられている安全性が考慮されたものだ。

そして、安全面に加えて、気にいっているのは、壁面の一部を利用して設けられた本棚だ。仕事柄(もちろん趣味でもあるのだが)書籍類が多く、仕事部屋やリビングなどだけでは収納しきれないだろうな、と思っていたので、階段空間を利用するプランは大満足。お気に入りの画集や写真集などが、日常的に目にすることができ、すぐに手にとれるところにあるのは、自己満足かもしれないが、暮らしにゆとりを与えてくれるように感じるのだ。

とはいえ、すぐ手にとれても、なかなか読み返す時間がないのが、悲しいかな、現実。ただ、日常的に目にすることができるので、溜まった埃が気になり、掃除はこまめにするようになった。埃を払いながら、ペラペラとページをめくっては、時間ができたらゆっくり読もう、と思ってはいるのだが、いつになることやら……。

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