賃貸住宅を引き払う時に借主側が負担しなければならない「原状回復費用」については昔からトラブルが絶えないこともあり、国土交通省がガイドラインを出している。それによると、原状回復とは「借りた当時の状態に戻す」ことではなく「故意や過失などによって生じた汚れ等を復旧すること」と定義されている。

つまり社会通念上通常の使用をしていて生じた汚れ等は家賃に含まれているものであり、請求されるものではない。ただし、不注意により傷などをつけている場合、その部分については借主が負担しなければならない。

では実際に、一体どれだけ請求がくるのか、最終的にいくらになったのか、最近引っ越しをしたガイドの場合を紹介しよう。

この春退去したが…

この春、山形県での賃貸暮らしが終わり、転居した。約80平米の3LDKに4年弱ほど住み、引っ越しが決まったところで自分でチェックしたところ、廊下の壁に一か所だけ、自分不注意でつけてしまったビニールクロスの剥がれはあるが、その他に目立つ傷や汚れはない。

家具の裏がどうなっているかはどけてみないとわからない

家具をどけて畳の変色に驚く

家具をどけて畳の変色に驚く

ところが引っ越しの日に家具をどけてみると、2つある洋室それぞれの壁のタンスや机の裏側に、結露が原因と思われる水ジミや黒ずみの跡が見つかった。またリビングダイニングの大型テレビの後ろ壁にも大きな黒ずみ(電気ヤケ)が見つかった。

さらに和室に置いていた本棚の裏の壁クロスの色も変色し、畳は家具を置いていたところと置いていなかったところの色の違いがハッキリ分かるくらいに変色していた。

しかし、我が家は誰もたばこを吸わず、日ごろから部屋の換気も心がけ、普通に生活していた部屋だ。いずれも通常の使用の範囲で生じた汚れの範囲と考えられ、国土交通省のガイドラインに準拠すれば、それらの汚れやヤケは、私たちの負担にはならないはずだと考えた。

家具を全て運び終わったのちに大家さんの代理人が来て、内装の汚れや傷み具合をチェックした。その際に、借主側の不注意によって剥がしてしまった廊下の壁ビニールクロスについては自己申告をした。

次のページでは大家さんからきた原状回復見積書の中身は