より多く取り戻したいなら入口が大事

規約を違反しペットを飼うと高額な請求を受ける可能性もある

規約を違反しペットを飼うと高額な請求の可能性も

ここで原状回復費用について今回のケースの振り返りをしてみよう。自己資金で敷金を預けている人は、なるべくたくさん取り戻したいと思うものだと思うが、そのためには、実は退去時よりも入居時(入口)が肝心だ。

ペットなどを飼っている場合を除き、一般的に、普通に生活していたら壁のビニールクロスの汚れや破損はそれほど生じないと考えられる。

請求書の中で高額だった項目が和室の畳の表替え(一枚5000円×8枚=4万円)とハウスクリーニング(4万円)だ。これらは本来借主負担ではないとなっているが、いずれも入居時の契約書の特約に「借主側の負担とする」と盛り込まれている限り、支払わなければならない。これは退去時に「しまった」と思っても後の祭りで、それを避けるためにも入居時に特約をしっかり確認しておくことが大切だ。

疑問に思ったら交渉してみよう

原状回復の負担について、疑問に思った点は大家さんに交渉してみよう。我が家の交渉も、大家さんが良心的な方だったこともあり、認めていただける形となった。

【最終的な原状回復費用】
廊下の壁クロスの剥がれ(借主負担100%)・・・4,840円
畳表替え(特約)…40,000円
ハウスクリーニング…40,000円
ドレープカーテンクリーニング(一式)…22,000円
レースカーテンクリーニング(一式)…19,000円
消費税込み合計135,907円 ※交渉により約-40,000円となる

初めから納得のいく見積りが出てくればよいが、もし交渉しなければならない事態になったら、根拠となるものを持って挑むことが大切だ。根拠となるものに国土交通省のガイドラインや過去の判例などがある。ただし国土交通省のガイドラインは法律ではなく、あくまで目安。大家さんによってはガイドラインを根拠として話をしても聞いてもらえないこともあるかもしれない。

大切な財産をお借りしているという気持ちで

今回のケースはあくまで一つの事例であり、参考になればと思う。賃貸住宅を退去する時の原状回復費用がどの程度かかるのか、交渉の余地はあるのかは、とても気になるところだと思う。それは相手となる大家さんにもよるところも大きい。人と人とのお付き合いなので、日ごろの関わり合いも影響があるだろう。

借りる側も、家を出る時には気持ちよく退去したい。そのためにも、賃貸住宅に住むときは、大家さんの大切な資産である家を「お借りしている」という意識を持って、自分の家と同じように、大切に住むことが大事だと思う。

【参考サイト】
国土交通省 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン 再改訂版

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