一戸建てに住み、庭に「ウッドデッキを設ける」ということは、憧れでもあった。そこを丹精込めて育てた花でいっぱいにし、みんなでバーベキューをしたい。そう思っていた。

中古を買って自分好みに

ウッドデッキは憧れの一つだった。

ウッドデッキは憧れの一つだった。

今は事情により空き家になっているが、私の東京郊外にある自宅は閑静な住宅地にある一般的な木造2階建て住宅だ。築1年の新中古の状態で購入し、その後少しずつ住みやすいように手を加えていった。

その中で一大事業だったのがウッドデッキを造ったこと。リビングに面し一段下がった屋根なしの駐車場の上に、駐車場の屋根を兼ねてリビングから直接出られるウッドデッキを計画した。

 

家の周囲を回遊する

ウッドデッキの大まかな設計は自分で行う。屋根を兼ねる大がかりなデッキのため施工は業者に注文。実はこの一段下がった駐車場が、家の周囲の回遊を妨げていた。そこで、ウッドデッキの左右に階段を設け、ウッドデッキを通れば敷地内で家の周りを一周できるようにした。子どもは家の外をくるくる回って追いかけっこし、動線が短くなって私たちの庭仕事のストレスも減った。

ガーデニングでお花のあふれる空間に

始めの数年間はガーデニングを頑張ったが、しかし…

始めの数年間はガーデニングを頑張ったが…

さて、憧れのウッドデッキを造ってみてどうだったか、数年の年月を経て率直な感想をいいたい。

まず、「ウッドデッキをプランターのお花でいっぱいにしたい」という願いは、最初のほんの数年だけ叶った。ガーデニングにネを上げたのが大きな原因。当時私は子どもを育てながらフルタイムの仕事をしていて、休日にガーデニングに割ける時間、体力、そして熱意も足りなかったのだろう。

でも、短い間だったけれど、確かにお花に囲まれてベンチで過ごした「幸せな時間」はあったと思う。

バーベキューは敷居が高い

それではバーベキューは? というと、これも実は、1回しかできなかった。なぜかというと、油がはねてウッドデッキが汚れるのを恐れたから。何のためにウッドデッキを造ったのか? という話に戻る。ウッドデッキをキレイに、大切にすればするだけ、バーベキューをするという行為は遠ざかっていってしまった。でもその代わり、食事を運んでそこで食べ、星の観察をしたり、朝顔のスケッチをしたりした。

一番の難点は「お手入れ」

ご自慢のウッドデッキを長持ちさせる一番大切なことは「お手入れ」。木を外部空間で使うのだから、一年の一度の塗装の塗り替えは欠かせない。このお手入れがなかなか大変。

塗り替えを行う前に、ウッドデッキにブラシをかけてきれいにする。1日ほど置いて、乾いたら刷毛やローラーでペンキを塗っていく。一日がかりの作業だが、素人だと手が届く範囲しかできない。したがって、数年に一度は業者さんに頼んで隅々までペンキを塗り替えてもらう。その分の費用の覚悟も必要だ。

そして、ウッドデッキは生きている。手入れを怠ると腐るし、時に思いがけなく暴れることもある(「暴れる」とは反る・曲がる・割れる等を言う)。我が家のウッドデッキも1年も経たず、床板を総取り替えしている。

付加価値が大きいが短命なウッドデッキ

そんな大変さを知っていても「やっぱり設けたい」と思わせる、ウッドデッキには大きな魅力があると思う。本モノの木で造られたウッドデッキは、その家の雰囲気をぐっとあげてくれる。そしてそこで過ごす豊かな時間はかけがえのないものだと思う。

ただし、お手入れをできずに朽ちていったウッドデッキもいくつか目にしているのも事実。手入れができないと強度も落ちて危険なので、数年で取り壊されて結局アルミ製に変わってゆく。住宅用で常に風雨にさらされているウッドデッキなら、寿命は短い(5~10年)と思っておいた方がいい。

よい代用品も出ている

もしお手入れに自信がなければ、見た目は木そのものでメンテナンスフリーの樹脂製のデッキも出ている。木の風合いにかなり近い。または、お値段は上がるけれども公共建築に使用されるような、防腐性の高い天然木を使用すれば少し寿命は延びるだろう。

私自身、今のウッドデッキの寿命がきたら、たぶん、もう次はウッドデッキにはしないと思う。お手入れの大変さ、寿命の短さに今は対応できないから。もし設けるとしたら、今より時間ができた時、かな。「これからウッドデッキを設けようか」と検討中の人は、そんなウッドデッキの「良い点」「大変な点」も十分に理解して、決めることをお勧めしたい。

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