「家づくりの際には、建物本体だけでなく
エクステリアやガーデンプランも一緒に検討することで、
まとまりのある佇まいの住まいが完成するものです」とか、

「家の本体だけの予算に気をとられていると、
外構や庭づくりの費用が足りなくなることもあるので、
予算組みには余裕をもって」とか、

いつも原稿に書いたり、お話をしているけれど、
いざ自分のこととなると……全然ダメでした。

庭は自力で

わが家の場合。設計をお願いした建築家のKさんは、もちろんきちんとした外構プランを考えてくれたけど、もう、建物本体だけで全然予算は足りない。覚悟はしていたけれど、どこを削るかの勝負。こうなると、どうしても外まわりの優先順位は低くなり……。

もともと、両隣との私道に面した敷地なので、オープンなエクステリアプランが希望。なので、かしこまった門扉はいらないし、そんなに大掛かりな外構は必要なかった。最低限のフェンスとカーポートだけはお願いして、「アプローチと植栽は自分で、ガンバリマス……」。

「敷石とか樹木とか、いろいろ買わなきゃならないし、整地だけでも大変だよ。結局、費用もけっこうかかるしね」と建築家のKさんは言いたげだったけど、先立つものがないから仕方ない。少しでも予算が削れるなら、自分でできることは自分でする。

なので、引き渡しの時の庭は、デコボコ状態の乾燥した風情のない茶色の土。せっかくの新しい建物なのに、なんとも落ち着かない雰囲気で。やっぱり「エクステリアやガーデンプランも一緒に検討することで、まとまりのある佇まいの住まいが完成する」ものだと実感した。竣工写真もいまいち、って感じで、Kさんには申し訳ないコトをしたと思う。

とはいえ、自力でも何でも、とっとと庭づくりをしなくてはならない。「落ち着いてから、ゆっくりガーデニング」なんてことは許されないのだ。なぜなら、わが家のエリアは風致地区。役所からのチェックがある。土のままではマズイのだ。

敷地の20%以上に植栽を

庭

風に強いシラカシを植え、飛石と砂利を敷き詰めてみた。暖かくなれば、もう少し賑やかになるはず……。

風致地区とは、良好な自然景観を保全し、自然と調和したまちづくりを目的としたもの。建築する場合に、許可を受けなければならないことがいくつかある。たとえば、建物の位置とか色彩とかが周辺と調和するようにしなければならない。そして、風致の維持に必要な植栽なども行わなければならないのだ。

わが家のエリアの場合、「敷地面積の20%以上の植栽面積を確保し、樹高は、高・中及び低木などが一体となって良好な自然的環境を形成するようバランスのよい植栽計画とすること」と決められている。

「植栽面積(敷地面積の20%)10平方メートルあたりに高木1本、中木2本、低木1平方メートルの割合で本数を確保する」とか、「敷地境界の2方向、できる限り道路側に生垣を設置する」ということが留意点として挙げられているのだ。

もちろん事前に、風致地区の許可申請をしているので、Kさんがプランニングしてくれた植栽計画はある。とはいえ、実際に庭に立ってみると、いろいろ植えてみたい樹木も出てくるし、予算の関係もあるし。「自分でガンバル」って言ってしまったので、それなりにしないと、カッコ悪いしね。

エッサホイサと庭仕事

で、引っ越し翌日から庭仕事。ありがたいことにアプローチの敷石は工務店さんがサービスで施工してくれたので、ひたすら庭づくりに専念できた。

敷地の造成時に植わっていた金木犀やアカメ、ツツジなど(もったいないので工事中も敷地の隅っこに移植しておいてもらった)をまず植え直し、実家の庭からもらってきた椿を加える。ホームセンターに通い詰め、樹木はもちろん、砂利、黒土、赤玉土、腐葉土、肥料を買い込み、ネットで手配した芝生を敷き詰めた。

なんだかんだで、なんとか「20%以上の植栽面積」は確保できたけど、行き当たりばったりの素人仕事は、Kさんの整った植栽計画には程遠い代物。まぁ、庭づくりには完成はないので、これからは、ゆっくりと楽しもうと思っている。

とはいえ、「DIYも庭仕事は苦手」とか、「庭仕事の時間がとれそうもない」ならば、やっぱり建物本体と同時にある程度プランニングをした方はいいし、予算も確保しておいた方がいいと思う。門扉やカーポートなどはもちろんのこと、植栽計画も同時に考えた方が住まいの雰囲気にあったデザインがなされるだろう。

「自分でガンバル」にしても、そこそこお金がかかるものだし、たとえば、植栽もアプローチ部分やシンボルツリーなどの最初の一歩をプロにおまかせして、あとは自分の好みに仕立てていくとまとまりやすいかもしれない。


「本当に大丈夫か?」と思ったけれど、庭仕事は結構楽しい。「せっかくの一戸建ての醍醐味の庭づくりを他の人に任せるなんて、モッタイナイかも?」なんて、負け惜しみではなく、実は、少し思っていたりもする。思いこみの激しい庭づくり初心者は、春に向けて、エッサホイサと庭仕事を続けているのである。


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