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夏は和室が寝室に。家庭内避暑のススメ

わが家の寝室は東向き。朝から太陽の光を浴び、室内温度はグングン上昇。なので、わが家は、夏は和室が寝室になる。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド


ここ数年、夏の暑さは尋常じゃない、
と感じているのは、ワタシだけではないはず。

夏の朝、暑くて、目が覚めてしまう、
というのも、ワタシだけではないはず。

わが家の寝室は東向き。
ありがたいことに、朝から、サンサンと太陽の光を浴び、
室内温度は、グングンと上昇。
目覚まし時計が不要なぐらい、早朝に起床できてしまう。
というか、寝ていられない暑さなのだ。

質のよい睡眠をとるために寝室プランは慎重に

新築やリフォームの際、寝室は、リビングやダイニングなどに比べ、それほどのこだわりもなく、ある程度の広さと収納スペースが確保されていればOK、という方も多いようだ。しかし、質のよい睡眠をとるためには、寝具はもちろん、空間の広さやインテリア、温度や湿度といった空気環境などにも配慮することが大切だ。

一般的に寝室は、ベッドもしくは布団を用いるかで異なるが、6畳~8畳程度のスペースを確保するプランが多い。心地よい空間とするためには、適した広さを確保するとともに、ゆったりとくつろげる色やテクスチャーの内装材、やさしく柔らかな光の照明などを選ぶこともポイント。また、夏の日差しを遮り、冬の冷気を防ぐカーテンやスクリーンなど窓まわりも、充分に検討したいもの。特に最近の一戸建てでは、雨戸やシャッターを設置しないプランも多くみられるため、どのような窓掛けを取り入れるかによって、快適さも変わってくる。ある程度、厚みのある遮光タイプであれば、日差しや冷気を抑えてくれるだろう。

マンションでは窓を開けて寝てしまうこともあったけれど… …

座敷簾が涼しげに感じるポイントかも?横になって眺める庭の緑もお気に入り

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で、わが家の場合。新しい家を建てる際に、建築家のKさんに伝えた寝室への希望は、広い方がいいけれど、最低限の空間を確保できれば……ぐらい。質のよい睡眠をとるためには、いろいろと気を配らなくては、とわかっていても、やはり、寝室の優先順位は低く、ベッドが置ければいい程度の、思い入れのなさには、今更ながら呆れてしまう。

そもそも、敷地面積や予算などの関係で、小さな家になることはわかっていたから、広い寝室など望むべくもない。加えて、絶対に和室が欲しい、などという、ワタシのわがままもあって、寝室の広さは4畳半程度になってしまった。とはいえ、天井面までの窓は眺めもいいし、コンパクトな収納スペースがあるので、それほど狭くは感じない。負け惜しみではないが、籠れる感じの落ち着いた空間は、使い勝手もよく充分満足なのだ。

ただ、東向の寝室は、夏の朝、とても暑い。東側隣地が空地ということもあり、朝日が直接さしこみ、早朝から室温が上昇してしまうのは予想外だった。以前は、マンションの高層階暮らしだったので、窓を開け放して寝てしまうことも多く、寝苦しさを感じることはあまりなかったけれど、一戸建てでは、さすがに窓を開けて寝ることもできず。さすがに、これは、しんどいなぁ~、といろいろ考えた結果、夏の間はワタシのこだわりの和室に寝ることに。幼い頃に住んでいた和室ばかりの家では、夏になると風の通る部屋に、布団を持っていって寝ていたこともあったし、季節に合わせて快適な場所に、こっちが移動すればいいじゃないか、というわけだ。

季節とともに、寝室が移動する

最近では、和室のある住まいも少なくなってきているが、1階玄関近くに客間として設けているケースもあるだろう。2階に寝室があるプランであれば、温度が高くなりがちな2階よりも、少なくとも1階の方が涼しい場合もあるのではないだろうか。もちろん、間取りプランやエアコンなどの空調設備にもよるが、季節によって、寝室を移動させるのも、快適な睡眠をとるためのひとつの方法ではないかと思うのだ。

わが家の和室は南東向きだが、2階バルコニーが庇の役割をしているので、夏の日射しが直接入ってくることもなく、寝室に比べて格段に涼しい。今年は、新しい家で迎える4回目の夏。畳に布団を敷くのは面倒に感じることもあるけれど、寝室が和室に移動したら、夏本番!というわが家の季節の風物詩のようにもなってきている。

知人からいただいた古い座敷すだれを下げるなど、室礼も夏仕様に。どこか避暑地の旅館にでも行ったような気分を味わうこともできるので、夏休みの外出が減り、家計費削減にも役立つ、というオマケ付きのわが家の寝室移動である。


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