結婚して最初に暮らしたマンションのキッチンは、
細長いLDKスペースの一番奥、壁に向かって設置されたI列型。
ベランダから遠い部屋の隅っこで、白い壁に向かって料理をするのは、
もうひとつ、テンションが上がらなかった。

次に暮らしたマンションは、扉こそなかったけれど、
ダイニングの横に配された独立型。
細長い3畳ほどのスペースに、II列型のレイアウト。
窓のないキッチンで籠って料理をするのは、
残業帰りの疲れが倍増したものだ。

なので、新しい家を建てる時に希望したのは、
開放的で明るい、対面キッチン!

家族構成や料理スタイルでプランニングを

対面式のキッチンは、新築やリフォームで、多くの方が取り入れているスタイル。子育て中であれば、調理をしながらでも、リビングやダイニングにいる子供の様子が分かる、などの理由から人気も高い。家族から孤立せず、コミュニケーションもとりやすい、とも言われているものだ。

また、配膳や片付けもしやすいし、お手伝いも頼みやすい。お客様がいらしても、会話をしながらお茶の用意もできるし、親しい友人であれば、一緒に準備もしやすい、といったメリットも挙げられるだろう。

とはいえ、対面式キッチンといっても、さまざまなプランが考えられる。カウンターや吊戸棚などのつくり方によって、開放的なオープンなスタイルにすることもできるし、部分的に仕切ってセミオープンとすることも。プランニングする際には、家族構成や料理スタイル、ダイニングやリビングからの見え方などを考慮して検討することが大切だ。

使いっぱなしの調理道具などは見えないのがミソ

リビングからキッチンを見ても、作業スペースは隠れているので、洗いモノが山積になっていても気にならないのはマル。

リビングからキッチンを見ても、作業スペースは隠れているので、洗いモノが山積になっていても気にならないのはマル。

で、わが家の場合、建築家のKさんが提案してくれたのは、コンパクトな対面キッチン。背後に造作収納をレイアウトしたII列型。お気に入りのアンティークのカップボードを置くために、キッチンとダイニングを仕切る壁を3分の1ほど設けた、セミオープンなスタイルだ。

開放的にはしたかったけれど、キッチンが丸見えになってしまうのはイヤだったので、シンク前の壁の高さは110センチ。ダイニング側から水栓金具も見えない高さにしてもらった。幅20センチのカウンターとなっているので、配膳や片付けの際に、食器を仮置きすることもできる。

なにより、ダイニングはもちろん、リビングからも、キッチンの作業スペースの煩雑な状態が、まったく見えないのが、ワタシ的にはかなりうれしい。汚れたフライパンがシンクに転がっていても、菜箸やお玉が置きっぱなしになっていても、保存容器やスーパーの袋が散らかっていても、な~んにも見えないので、ゆっくり落ち着いて食事ができるのだ。

会話は思ったほどできないかも……

3分の1の壁の向こうは、コンロ+換気扇。背後の収納には電子レンジを置いている。セミオープンとはいえ、コンロの前で作業していたり、電子レンジを使っていると、ダイニングやリビングの音はほとんど聞こえないし、話しかけられても気がつかないことも。

オープンになっているシンク前でも、洗い物ではそれなりに音が出るので(ワタシの作業が乱暴なせいもあるが)、リビングのテレビの音はあまり聞こえないし、ソファに座っているオットとも、大きな声でないと会話が成り立たない。しゃべりながらでも料理ができるかなぁ~、と思っていたが、実際にはそうでもなかったな。

対面キッチンでの暮らしも早3年半。使い勝手も気に入っているが、なにより、一番よかったのは、カウンター越しの視界が広がっていること。ダイニングやリビング、窓の外の景色も楽しむことができるのは、やっぱり気持ちがいいものだと思う。特に、天気のいい朝は、コーヒーを沸かしながら、今日も一日、がんばろ~という気分にもなる。コミュニケーションに関しては、少なくともわが家の場合、あまり関係は、ないようだ。まぁ、いまさら、料理しながら話すこともないけれど。


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