妊娠5ヶ月(16~19週目)の胎児の発達や母体の症状
妊娠5ヶ月目の胎児は腕や脚ができあがり、全ての関節が動くように。消化機能も発達し、お腹の中で羊水を飲んで、吸収したり循環させたりができるようになっていきます。外の世界とは異なるリズムで寝起きし、起きている時は活発に動いています。妊娠5ヶ月目 妊娠16~19週の胎児の様子・母体の症状や気を付けること
<妊娠5ヶ月目次>
妊娠16週目の胎児の発達
- 妊娠16週目:受精から98~104日目
- 胎児の大きさ:頭殿長(座高)が10.8~11.6cmほど。胎盤サイズに
- 胎児の体重:80gほど
- 母体の変化:母乳の準備に必要なホルモンが胎盤で作られ、胸が大きくなる
赤ちゃんの体の性別が一番確認しやすいのは妊娠20週前後ですが、早ければ超音波検査で妊娠14週ごろから確認が可能なため、妊娠16週は分かる人も出てくる時期です。
安定期に入って体調が落ち着いてきた方は、まずはウォーキングなどから、適度な運動を。つわりが終わって食欲が出てきたら、食事のバランスには気を付けましょう。
▽参考記事
妊娠16週 赤ちゃんの性別が分かる人も!胎児の大きさ・エコー写真
妊娠17週目の胎児の発達
- 妊娠17週目:受精から105~111日目
- 胎児の大きさ:頭殿長(座高)が11~12cm
- 胎児の体重:100gほど
- 母体の変化:心臓が妊娠前に比べ約5割増しで働くように
赤ちゃんは消化の練習をはじめ、腸には胎便がたまるようになります。赤ちゃんが生まれて初めてする濃い緑色のうんちは胎便です。また、生まれた時に体温を調節するのに役立つ褐色脂肪も蓄えはじめます。
母体の心臓は、妊娠前に比べ約5割増しで働くようになります。バランスのとれた食事と、ご飯やパスタなど、エネルギーを十分に供給してくれる炭水化物がさらに必要です。 血液が増えてくるので、プルーン、ひじき、小松菜、サプリメントなどで鉄分摂取を忘れずに。ビタミンCと一緒にとると吸収率がアップします。
▽参考記事
妊娠17週目エコー写真・胎児の大きさ・胎動や性別が分かることも!
妊娠18週目の胎児の発達
- 妊娠18週目:受精から112~118日目
- 胎児の大きさ:頭殿長(座高)が13~14cm
- 胎児の体重:150gほど
- 母体の変化:丸みを帯びた体形に。腰痛やお腹への衝撃に注意
母体は全体的に丸みを帯び、お腹の膨らみも大きくなっていきます。一般的には1ヶ月で1~2kg増が理想。人間の主なエネルギー源は炭水化物と糖分ですが、妊娠中は胎盤を赤ちゃんに糖分を優先的に送る代わり、母体は脂肪分をエネルギー源とするようになり、体に脂肪がついていくのです。
胎児の急激な成長に伴って母体の心臓や腎臓、肺などに負担がかかり、だるくなったり、疲れやすくなります。お仕事をしている場合でも無理は禁物。休息が必要だと感じたら、自分の体調と相談しつつセーブしましょう。腰痛にも要注意。お腹に強い衝撃を与えないよう、重い荷物は持ってもらう、階段では手すりをつかむなどのクセをつけておきましょう。
▽参考記事
妊娠18週目エコー写真・赤ちゃんの大きさ・胎動が分かる人も
妊娠19週目の胎児の発達
- 妊娠19週目:受精から119~125日目
- 胎児の大きさ:頭殿長(座高)が13~15cm
- 胎児の体重:250gほど
- 母体の変化:母乳の準備も進んでいて、おっぱいに液体が滲むことも
消化管は消化液を分泌し始めました。赤ちゃんは羊水を飲んで、吸収したり循環させたりもできるようになってきます。心臓は毎日150リットルの血液を送るために拍動をし続けています。超音波検査では、4つの部屋にきちんと分かれ、力強く働く心臓を確認できるかもしれません。
妊娠中は、メラニン色素が生成されやすくなっています。メラニン色素には産後や授乳の際に赤ちゃんがおっぱいに吸いついても、皮膚が裂けないように丈夫にするという働きがありますが、しみやそばかすに注意が必要。外出時には、帽子や日傘で紫外線から肌を守りましょう。妊娠前とは肌の質もだいぶかわってきています。
母乳が出るように準備が進んでおり、おっぱいに液体が滲むことがあるかもしれません。
▽参考記事
妊娠19週目 胎動や性別が分かる人も!胎児のエコー写真・大きさ
妊娠5ヶ月は「安定期」と言われる時期
妊娠5ヶ月は、安定期に入ってくる時期
安定期は多くの妊婦が散歩やマタニティスイミングなど、運動をして体を動かしたり、気分転換に旅行を計画してみる頃でしょう。ただし個人差があるため、どの妊婦さんも安定期というわけにはいきません。妊娠中毒症などを併発し、安定期以降にも、安静を要する場合があります。運動をはじめたり、旅行に出かける前にも、かかりつけの医師に一度相談しておくと安心です。
妊娠5ヶ月は早ければ「胎動」を感じる人も
妊娠5ヶ月……胎動を感じ始める人も
赤ちゃんは、外の世界とは関係なく、自分のぺースで眠ったり、起きたりを繰り返しています。夜、お母さんが眠っているにもかかわらず赤ちゃんが動くのはこのため。初期は、眠っている時間(休止期)が長いですが、週数が進むにつれ、起きている時間(活動期)が長くなっていきます。ただし、起きているといってもレム睡眠(動睡眠)と呼ばれる時間です。30週ごろには、活動期と休止期のサイクルがはっきりしてきて、動いている時間と、動かない時間、それぞれの持続時間がどんどん長くなり、37週以降にはあまり変わらなくなります。
お母さんが感じ取れる胎動は、活動期の動きの一部だけ。お母さんには伝わりませんが、赤ちゃんは目を動かしたり、向きを変えたり、しきりに自分の体をさわったりと、様々な
動きをしています。
▽参考記事
胎動がわからない…知って安心!胎動の基礎知識と種類
妊娠5ヶ月はマタニティスポーツ・マタニティヨーガなど適度な運動もオススメ
妊娠5ヶ月ともなると、そろそろ安定期。適度な運動も楽しみましょう
運動不足の解消、肥満の予防、気分転換、活力が湧いてくる、友達作り、持久力を高める、よく眠れるようになる、腰痛、便秘、手足のむくみの改善など、妊娠中の運動には多くのメリットを期待できます。
妊娠中の運動の基本は有酸素運動。リズミカルに繰り返して体を動かし、酸素を使ってエネルギー源として体内に蓄えられている脂肪を燃やす運動のことで、サイクリング、エアロビクス、ジョギング、水泳など。効果を上げるには20~30分続けて運動します。酸素を取り込んでエネルギーに変換する能力が高まるため、お母さん、赤ちゃんともに大きなメリットがあります。
ウォーキングやマタニティスポーツ、マタニティヨーガなど、無理のない範囲で運動を楽しみましょう。
▽参考記事
妊娠中・妊婦におすすめの運動と注意点
妊娠5ヶ月の「戌の日」に安産祈願の風習も
妊娠5ヶ月の戌の日には、安産祈願をする風習がある
「戌の日」とは、暦の上で1日1日に干支が割り振られているうちの、「戌」にあたる日。つまりは12日おきにやってくるわけですが、妊娠5か月目のこの「戌の日」には、安産を願って腹帯を巻く風習があります。お産が軽いため安産の守り神とされていた犬にあやかったもので、「帯祝い」とも呼ばれます。
腹帯をするのは、妊娠中の無理な姿勢を矯正し、腰痛や妊娠線を防いだり、お腹の保温と赤ちゃんの位置を安定させるという意味もあり、昔の人は戌の日以降は腹帯を巻いて過ごしていたのだそう。腹帯は、岩田帯(さらし)とも呼ばれ、さらしの布でお腹の大きさに合わせて調節していました。現在ではマジックテープで調節できるガードルタイプが主流です。
安産祈願で有名な神社として、東京の水天宮、秋田の大平山三吉神社や愛知の六所神社、奈良の帯解寺、福岡の全国総本宮水天宮などがあります。訪ねて、安産を願って訪れてみるのも良いかもしれませんね。
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