住まいのプロが提案「イエコト」/住まいなでしこ ~女性目線のすまいのヒント~

試行錯誤の庭づくり

予算削減のため庭は自力で!と頑張ってきたけれど、なかなか一筋縄ではいかないものだ。暮らしはじめて3年、改めて庭づくりの奥深さを実感している今日この頃である。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド


新しい家を建てて3年。
予算削減のため、庭づくりは自力で。
試行錯誤の庭づくりは、まだまだ続いているのだが、
けっこうお金と労力、そして時間はかかり、
思い描く理想の庭は、まだまだ遠く……。

法的なことも、ご近所も

わが家が建つエリアは風致地区。建築をする場合には、建物の位置や色彩が周辺と調和するようにしなければならないし、風致の維持に必要な植栽なども必要だ。たとえば、わが家の場合は、敷地面積の20%以上の植栽面積を確保することや高・中及び低木などが一体となって、良好な自然的環境を形成するような植栽計画をしなければならないと決められている。

風致地区だけあって、周辺には、植木屋さんが手入れをするような立派な樹木を植えているお宅や綺麗な草花をたくさん育てているお宅なども多い。こうやって環境は守られるんだな、と実感すると同時に、そういう雰囲気が好きでこの土地に決めたわけだから、ウチも頑張らねば、とも思ったり。

なので、引っ越してすぐは、緑の割合とか、大きな樹木が何本で中くらいのが何本とか、数字ばかりを気にして、とにかく手配できるものを片っ端から植えていった。ガーデンショップやホームセンターに通い、できる限りお金をかけず、あっちこっちで樹木を探して植え続けた。

とはいえ、法的なことももちろんだが、ご近所の目が気になる小心者だったりもするわけで、同時期に建築した両隣のお宅も、それぞれの住まいに合わせた庭づくりをしているし、それなりにカッコウはつけなきゃね、と思ったりしたのも事実かな。

雑木林のような庭が目標なのだが

エッセイ

夏の間は、ワサワサとした庭になるのだが……

ワタシが目指しているのは、雑木林のような自然な庭。雑木林なんだから、細かく決めずに大雑把に植えていけば何とかなるかなぁ~、と都合よく考えて。でも、引っ越してすぐに、余裕もなく始めざるを得なかったので、もう、本当の行き当たりばったり。とりあえず、一時は、見苦しくない程度にはなんとかカタチにしたものの、植物は正直なもので、数か月後には枯れてしまったものも少なくなかった。

まず、土がよくなかった。植える前に質のいい土にしなければ、育つわけもないのはわかっていたのだが、正直、そこまで時間とお金もまわらなかった。それに、引っ越したのが真夏というのも原因のひとつかも。暑い中での植樹は、予想に以上ダメージを与えてしまい、加えて、強い海風と塩害で、根付かなかった樹木も多かったのだ。

2年目になる頃は、環境にあうものが少しは分かってきて、風と塩に強い樹種を中心に少しづつ加えていった。シラカシやツバキ、ムクゲやフヨウも根付いてくれたし、クマザサやツワブキ、エビネなどの下草も増えていった。海に近いのなら「ハマ」のつく植物がいいらしい、と聞いて、ハマナスやハマギクも植えてみた。

3年目の今年は、それぞれが成長し、雑木林というよりも、雑多な、ワサワサする感じの庭に。初夏から夏の間であれば、敷地面積の20%以上の植栽面積は絶対確保しているぐらいの元気さなのだが、課題は冬だ。

夏はギュウギュウ、冬はスカスカ

夏の間は、大きく育ってくれている分、ワサワサで、ギュウギュウの庭。でも、冬になると、スカスカになってしまうのだ。常緑樹が少ない、というか、敷地に対して、常緑樹と落葉樹をバランスよく植えていないのが理由。夏でも冬でも、庭の全体をイメージして植えなければいけないのに、植える季節のバランスしか考えらていなかったから、冬になると妙に何もない空間が生まれてしまう。秋になったら、少し植え替えが必要だろう。

そして、もうひとつ忘れていたのが落葉モンダイ。落葉になりやすい樹木をお隣との境界近くに植えてしまったのは失敗だった。お隣の奥さんは、「大丈夫ですよ~」と言ってくださるのだが、やっぱり気になる。もう少し涼しくなると、お隣り駐車スペースに落葉が毎日舞い降りる。境界線近くのハギの花弁と葉も風にのって……。

葉が落ちた時のことなんて、植える時には考えもしないような素人ガーデナーのワタシ。日々是勉強、そして、日々是落葉掃除の秋はもうすぐだ。


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