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「傘立て」の居場所

新しい家を建てると、細かいモノもあれこれ購入するものだ。傘立ても、そのひとつかもしれない。でも、傘立てって、本来、どこに置くモノ?玄関扉の外に置くモノ? 内側の三和土(たたき)に置くモノ?みんな、どうしているんだろう?

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド


新しい家を建てると、家具やカーテンだけでなく、
スリッパやゴミ箱など、細かいモノもあれこれ購入するものだ。
傘立ても、そのひとつかもしれない。

玄関周辺に置かれるものだから、
家のイメージにも影響するし、
選ぶ際には、悩んでしまう方も多いのでは?

でも、傘立てって、本来、どこに置くモノ?
玄関扉の外に置くモノ? 内側の三和土(たたき)に置くモノ?
雨の日だけ出すモノ? いつも出ているモノ?
みんな、どうしているんだろう?

傘立てはひとつ?ふたつ?

傘立ての置き場が気になって、散歩がてら近所を歩いてみると、玄関扉の外に置いている家は半分ぐらい。ワタシの実家の場合は、傘立てはいつも玄関扉の外の軒下。普段、傘はすべて玄関収納(下駄箱)の中に収納しているので、雨の日以外は、当然、空っぽの状態だ。空っぽでも、それなりに「絵」になるような陶器製のものを、母が悩んで買っていたことを覚えている。

夫の実家には、玄関扉の外と内に傘立てがふたつ。内側の傘立てには、家族全員のすべての傘がささっていて、出かける時に、好きな傘を持っていくことができるようになっていた。外側の傘立ては、使用して濡れている傘や来客の傘をさすためのもの。収納としての傘立てと実用的な傘立てのふたつが共存していた、というわけだ。

玄関収納に仕舞うことが増えている

最近は、玄関収納(システム収納)に、傘の収納スペースが確保されているものが多くみられる。バーやフックなどで、長い傘や折り畳み傘を効率的に収納することができるタイプもあり、濡れていても収納できるように、工夫されたものも。新築やリフォームの場合には、玄関に収納設備がプランニングされることが多いので、普段(乾いている時)の収納はあまり考えなくてもいいのかもしれない。

普段の収納スペースが確保され、有効利用しているのであれば、傘立ては雨の日に帰ってから使うもの、もしくは雨の日にいらっしゃるお客様に使っていただくもの、として、何かしらひとつ用意すればいい、ということになる。

通常は空っぽのままで置いておいて、雨の日だけに活躍するようにするか。もしくは、どこかに仕舞っておいて雨の日にだけ出すことにするか。その場合、限られたスペースの中で、傘立てを仕舞う場所があるか、という問題は残るけれど……。

スペースやライフスタイルを考慮して

イメージ

玄関扉脇、ポストやドアホンとまとめて設置した、わが家の「傘掛け」

置きっぱなしにするとしても、雨の日に出すとしても、玄関の外に置くのか、玄関の内に置くのかもそれぞれ。濡れたモノを玄関内に入れたくないのであれば、外に、ということになるが、玄関外のプランニングによっては使い勝手が悪くなることも。たとえば、充分な庇がなく雨が吹き込むとか、すぐに門扉があるので邪魔になるなど、という場合は、置くことは難しいかもしれない。玄関内でも、三和土部分の広さが確保できればいいが、靴やキャリーなどでとても置くスペースはない、という場合も。

最近では、さまざまなデザインの傘立てがあるし、スペースをとらずに使い勝手のいいタイプのものも豊富に揃っている。外に置くにしても、内に置くにしても、住まいのデザインやライフスタイルに合わせて、しっかりと検討を。濡れたり、埃が入りやすかったりするものだけに、お手入れや掃除のしやすいモノを選ぶこともポイントだろう。

で、わが家の場合。実は、傘立てというモノは存在しない。普段、傘を仕舞っておくのは、玄関近くのウォークインクロゼット。スチール棚の脇に引っかけている。雨の日に帰宅した時は、玄関脇の壁に設置したバーが傘の定位置だ。なので、傘立てではなく、傘掛け。

すっきりとシンプルな住まいを目指していたので、この傘掛けは大満足なのだが、問題なのは、わが家は突風エリアだということ。雨の日は風が強いことも多く、掛けっ放しにしておくと、バタバタとうるさいこともあるのだ。飛んでいっても困るので、結局玄関内に放置し、三和土が濡れてしまうこともしばしば。玄関内が狭いことも問題だが、なかなか奥が深い、傘問題なのである。


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