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健康歳時記(春) 3~5月の健康管理術

徐々に陽射しが暖かになってくる春。花粉症、黄砂、麻疹、飲酒事故、五月病などの他、健康診断で体の異変に気づく人が多いのもこの季節です。月別に多い健康被害と、春を元気に過ごすための健康管理のポイントをご紹介します。

西園寺 克

執筆者:西園寺 克

医師 / 感染症・健康情報ガイド

春

暖かくなり、花粉飛散量が最も増える季節。黄砂、紫外線対策も大切です。五月病などの心のケアが必要なものも

風邪やインフルエンザの流行が過ぎ去り、暖かくなる季節。スギ、ヒノキなどの花粉症を始め、新生活が始まることでの五月病や、春の過眠など精神面でのトラブルや不安も抱えやすい時期。

この時期に流行するわけではありませんが、健康診断が行われる時期なので、それまで気づかなかった体の異常に気づく人も少なくありません。

春を元気に過ごすための健康管理のポイントを月別にご紹介します。

3月に多い病気・事故・健康管理のポイント

■スギ花粉症のピーク
スギ花粉の飛散量が最も多くなる月。飛散量と症状の強さは必ずしも一致しませんが、花粉症の人には辛い月です。花粉飛散量を把握して、マスクの着用、不要な外出を避ける、自分の症状にあう薬を見つけるなどの工夫も大切です。

スギ花粉飛散量⇒2011年スギ花粉飛散予想と対策
花粉対策法⇒自分でできる花粉症対策

■過眠・睡眠障害
「春眠暁を覚えず」という言葉にあるように、強い眠気を感じる人が多い時期。徐々に暖かになっていく気候だけでなく、花粉症の薬などが原因になっていることもあります。あまりに眠気が強い場合は睡眠障害が伴っていることも……。春の眠気を効果的に解消し、新年度に向けて快適なスタートをきりましょう。

薬による眠気⇒ヒスタミンと花粉症と眠気の三角関係
過眠症⇒眠すぎるのは過眠症かも…眠気チェック!
眠気解消法⇒会議中コッソリ実行!眠気を覚ます技やツボ

4月に多い病気・事故・健康管理のポイント

■麻疹(はしか)の流行
進学、就職などで人の移動が多い時期。大学入学のタイミングでは、大きな講義室でたくさんの人と接触する他、環境も変わりやすいため、高校までに感染していなかった感染症ウイルスに暴露される人も多いようです。特に感染者が増えるのは麻疹。空気感染するので感染予防は困難です。

麻疹の症状⇒麻疹(はしか)の症状・合併症・診断法
麻疹治療の注意点⇒麻疹(はしか)に解熱剤は危険!

■歓迎会での飲酒事故
大学進学と関係づけるのは気が引けますが、新人歓迎会での飲酒による死亡事故が例年報道されます。急性アルコール中毒の危険度と、歓迎会などの飲み会の場で注意すべきポイントを抑えておきましょう。

急性アルコール中毒⇒急性アルコール中毒と依存症
飲み会での注意点⇒新人歓迎会で死人を出さない方法

■視力異常
流行とは関係ありませんが、小学校~高校では視力検査がある時期なので、視力異常に気づく人が多いのもこの時期。遠視、近眼、乱視などが見つかった場合、眼鏡やコンタクトなどでの視力矯正が必要となります。軸性近視は成長に伴い矯正を変える必要があるので、眼鏡は毎年作りかえる必要があります。

視力検査の受け方⇒視力検査で実際より低く診断されないために
視力回復法⇒目のケア・視力回復法

■ヒノキによる花粉症のピーク
スギ花粉の量が減るのに伴い、増加するのがヒノキ花粉。4月以降も花粉症の症状が続く場合は、ヒノキによる花粉症を疑う必要があります。マスクや目薬などで、引き続き対処しましょう。

花粉症の予防法⇒花粉症の予防法・治療法
ヒノキ花粉症⇒花粉が少ない日のクシャミはヒノキのせい?


5月に多い病気・事故・健康管理のポイント

■企業検診で発見される病気
企業検診の実施時期は決まっておらず、年齢などによって検査内容も異なりますが、4月に検診を実施している企業では、結果結果が個人に返却される月です。上記の視力異常と同じく、5月に流行するわけではありませんが、それまで気がつかなかった体の異常に気づく人が多い時期。要再検査や要精密検査になった場合、面倒に思わず検査を受けるようにしましょう。

検診結果の読み方⇒検診結果の読み方・活かし方・再検査
検診の注意点⇒新入社員健診で注意すべきこと

■五月病(機能性胃腸症・過敏性腸症も含めて)
「五月病」は正式な病名ではありません。一時的な気持ちの落ち込みをどこまで五月病として考えるかは別として、多くの人が通勤や通学にストレスを感じ始める時期のようです。ストレスから、通勤時の電車内や大事な会議などの場面で突然トイレに行きたくなってしまう機能性胃腸症や過敏性腸症になる人も増加します。

五月病の症状
五月病の対策・解消法
治らない下痢・便秘…「過敏性腸症候群」

■通年性アレルギー
5月の連休明けにはスギ花粉の飛散も終わります。この時期でも症状が全く改善しない場合は、花粉症よりも通年性のアレルギーの可能性も疑った方がよいかもしれません。

よくあるアレルギーの病気一覧
自分でできる予防法・治療法

■紫外線による肌トラブル
太陽からの地上に届く有害紫外線が増加する季節。5月は「五月晴れ」という言葉もある一方で、雨も多い季節ですが、女性の肌の天敵である紫外線は雲を突き抜けます。曇りの日でも注意が必要。日焼け止めもありますが、日傘兼雨傘などで紫外線の予防対策をしましょう。

紫外線対策! 知っておきたいSPFとPA
ニキビ・肌荒れ・皮膚炎の漢方

■黄砂アレルギー・目のトラブル
地域によりますが、黄砂が飛散する地域では肌や目のトラブルに注意が必要です。特に注意すべきなのが、黄砂による角膜潰瘍。花粉と違って黄砂は固いため、目に入った状態で目を擦ると、角膜を傷つけることがあります。

黄砂対策⇒アレルギーの悪化因子「黄砂」の対策法
黄砂による症状⇒黄砂の影響? 長引く風邪にはご用心!

■キス病(伝染性単核球症)
キスによって感染する伝染性単核球症は、新たな出会いの機会が増えるこの時期に多いとされています。ちなみに新学期が9月の国では秋に多いとされている病気です。

キス病⇒キスで感染する性病
その他キスで感染する病気⇒海外旅行ではキスで感染する髄膜炎に注意!
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