地球温暖化・大気汚染といった大規模な問題だけでなく、個人単位でも呼吸器疾患を中心に黄砂、PM2.5によって影響が現れることがあります。春先に風邪をひいて、それから咳が続いているという方がいらっしゃいませんか? もしかしたら黄砂、PM2.5が影響しているのかもしれません。


黄砂、PM2.5の影響? 喘息発作とは?

黄砂で咳が止まらない?
黄砂やPM2.5、大気汚染は呼吸器にも影響を及ぼします
呼吸器疾患の中でも気管支喘息・COPD(慢性閉塞性肺疾患)といった気道の慢性炎症が原因となる病気で受診される患者さんが毎年増加しています。そのうち気管支喘息はアレルギー性疾患のため花粉症とも関連があり、季節の変わり目や梅雨場に悪化しやすい傾向があるのですが、今年はなぜか3月第3週に喘息発作が出現したという方が多く受診されました。

地域差や個人差もありますが、スギ花粉がひと段落しつつあったこの時期に喘息発作が生じたのはもしかしたら黄砂、PM2.5の影響があったのかもしれません。この時期に風邪をひいて、今でも咳が続いているという方は、黄砂、PM2.5の影響が少なくなる時期まで、もうしばらく咳が続く可能性がありますからご注意ください。


長引く咳の原因は風邪ではなく、咳喘息かも?

風邪をひいた後、咳だけが続いたという経験がありませんか? 呼吸器科を受診される患者さんの中でも、「咳が続くために受診しました」という方は非常に多いです。こうした症状のうち、大半は「感冒後咳嗽(がいそう)ないし感染後咳嗽」と呼ばれる風邪・上気道炎に伴った咳嗽であることが多く、自然軽快を待つのが一番なのですが、同じような症状を出現する病気として咳喘息と呼ばれる病気があります。

咳喘息を簡単に表現すると、3ヶ月以上続く咳で肺炎やCOPDなど他の呼吸器疾患でないこと、といったものです。実際には3ヶ月も咳が続くと日常生活にとってはかなり大変なことですので、2~3週間以上続く場合にはこの病気を疑って治療を行うことがあります。

咳喘息は自然軽快することも多いのですが、時には気管支喘息に移行してしまうこともあります。類似した病気のためか、治療としては気管支喘息と同じように気管支拡張剤、吸入ステロイド剤、抗アレルギー剤の一種である抗ロイコトリエン剤が有効なこともありますが、簡単には確定診断が得られないのがこの病気の一番難しいところです。


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