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自分でできる花粉症対策法…目のかゆみ・鼻水を改善するには

【アレルギー専門医が解説】毎日、容赦なく飛散する花粉に、どんな対策をしているでしょうか? 花粉に立ち向かうには、薬の力を借りるのはもちろん、日常的な身の回りのケアも大切。目の症状ならゴーグルや洗眼、鼻の症状ならマスク、食事ではお茶や乳酸菌を積極的に摂取するなど、今すぐにできる花粉症の予防・治療法をご紹介します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

自分でできる花粉症対策で症状軽減は可能?

スギ

容赦なく飛散する花粉……。写真を見ているだけで鼻がムズムズしてきます

目や喉のかゆみ、鼻水、くしゃみ……。毎日、容赦なく飛散する花粉に悩まされている方も多いのではないでしょうか?

そんなつらい花粉症の症状を少しでも緩和するべく、目や鼻症状へのセルフケア方法、試してみたい食べ物など、日常的にできる簡単な対策法をご紹介します。簡単にできる方法から、花粉症対策を始めてみましょう。
 

花粉症による目のかゆみ…目の症状へのセルフケア方法

まずは、花粉の侵入をブロックすることが重要です。花粉が目の表面につくと、かゆみや涙、充血などの症状が起こります。目のセルフケアのポイントは以下の通りです。

■眼鏡やゴーグルなどで花粉が目に入らないようにする
特にゴーグルタイプは、花粉の侵入が少ないのでお勧めです。最近はゴーグルタイプでもおしゃれなデザインがあります。通常のメガネでも眼に入る花粉量はおよそ40%減少し、防御カバーのついた花粉症用のメガネではおよそ65%も減少することができると報告されています。

■コンタクトレンズはできれば避ける
コンタクトレンズは、結膜炎を悪化させたり、花粉が付着します。どうしても必要なら、使い捨てソフトコンタクトレンズの方がいいでしょう。詳しくは眼科で相談してください。

■花粉を洗い流すために顔を洗う
目の対策としては目の周りをしっかりと洗いましょう。

■花粉を洗い流すために目を洗う
人工涙液を使って洗うのが効果的です。ただ、防腐剤入りの人工涙液は、安全性から頻回に使うのは避けたほうがいいでしょう。水道水でもいいのですが、安全性から頻回に使うのは避けたほうがいいでしょう。カップ式の洗浄液は、顔を洗ってから使ったほうがいいでしょう。というのも、皮膚についた花粉を目に入れることになるからです。詳しくは「医療機関で行う花粉症の治療(目の症状)」をご覧下さい。
 

花粉症の鼻水・鼻づまり…鼻の症状へのセルフケア

マスク

マスクをして、鼻に入る花粉をブロック!

鼻に入る花粉をブロックすることが重要です。オーソドックスな方法ですが、まずはマスクを使うことが有効です。

■マスクをする
できれば使い捨てがオススメです。マスクにも花粉が付いているので、使い捨てだとそのまま花粉ごと捨てることができます。スクを装用すると、吸い込む花粉をおよそ3分の1から6分の1に減ると報告されています。

■花粉を洗い流すために顔を洗う
鼻の対策としては鼻の周り、特に鼻の下をしっかりと洗いましょう。

■鼻を洗う
市販の鼻洗浄液で洗いましょう。しかし、鼻の粘膜は敏感ですから、洗うのは少し辛いかもしれません。水道水は避け、できれば、生理食塩水(塩分0.9%)で洗浄すると痛みが少ないです。
 

食事で花粉症対策は可能? 手軽に試しやすい3つのお茶

茶

植物の葉や実を乾燥させたものを湯で煎じて飲む飲料が「茶」です。個人差はありますが、茶で症状が軽減される人がいます

様々な食材が花粉症にいい効果をもつと言われています。

まずはお茶。茶葉には、いろいろな成分が含まれています。
  • タンニン(カテキン類)
  • ビタミンC
  • テアニン(アミノ酸)
  • カフェイン
  • ポリフェノール
    など
特に共通して含まれているのがカテキンとビタミンです。特に、カテキンは、アレルギーを抑える作用があると言われています。アレルギーに効くお茶を3つご紹介します。

■甜茶(テンチャ)
中国南部を原産地として、バラ科キイチゴ属の植物です。甜とは、「甘い」という意味です。効果ですが、甜茶の成分、肥満細胞からのGODポリフェノールがヒスタミンの分泌を抑える作用があるといわれています。ヒスタミンは、花粉症の鼻水、くしゃみ、アトピーでの痒みの原因物質の1つです。

■グァバ茶(シジュウム)
熱帯アメリカを原産とし、日本では、温かい沖縄や九州南部で栽培されています。グァバは日本ではバンザクロやバンジロウと言ったり、中国では蕃石榴と呼ばれたり、また南米ではシジュウムと呼ばれます。葉にはビタミンB群や多量のタンニンなどが、果実にはビタミンC、カルシウム、カリウム、鉄分が豊富に含まれています。花粉症予防や治療として効果があるといわれています。

■べにふうき緑茶
日本で、アッサム雑種の紅茶「べにほまれ」とダージリン系「枕Cd86」によって作られました。カテキン含量が多く、メチル化カテキンを多く含んでいます。メチル化カテキンは、茶の主要カテキンで、エピガロカテキンガレートがメチルエーテル化された物質です。肥満細胞のIgEに結合する部分を抑えること、ヒスタミンの放出の抑制によってアレルギーを抑えると報告されています。通年性アレルギー性鼻炎の患者にべにふうき緑茶を6ヶ月以上投与して、症状に改善が見られ、血液中のIgEと好酸球が減少したと報告されています。スギ花粉症でも、べにふうき緑茶を飲んでいる人と飲んでいない人を比較すると、スギに対するIgEと血液中の好酸球数は、スギの時期に、飲んでいない人では増加しましたが、飲んでいる人は変化しませんでした。

もちろん、「茶」の効果は個人差も大きいため、必ずしも効果が出るわけではありません。詳しくは「毎日のお茶はアレルギー対策に有効?」を併せてご参照下さい。
 

食事で花粉症対策は可能? 注目されている乳酸菌

ヨーグルト

ヨーグルトの乳酸菌によって症状が軽減されることがあります

お茶と同様、花粉症対策として注目されているのが、乳酸菌です。少し専門的な話になりますが、乳酸菌にはIgE生産を抑制する「Th1」の働きを強め、反対にアレルギーを引き起こす「Th2」の働きを弱める作用があることが報告されています。

端的に言うと、乳酸菌にはアレルギーを抑える仕組みがあり、様々な乳酸菌が花粉症に効果があると言われているのです。乳酸菌にも差があるようですし、個人差もあります。

(木村五郎 他:アレルギー61:628―641, 2012)
(Tamura M 他:International Archives of Allergy and Immunology32:563-570, 2002)
(Xiao JZ 他:J Investig AllergolClin Immunol 16: 86 -98, 2006)
(Xiao JZ 他:Clin Exp Allergy 36: 1425 -1435, 2006)
(Odamaki T 他:J Invest Allergol ClinImmunol 17: 92-100, 2007)など

乳酸菌について詳しく知りたい方は、「乳酸菌がアレルギーを抑える!?」を、アレルギーについて学んでみたいという方は「アレルギーのメカニズム」を併せてご覧下さい。

これらは、厚生労働省の民間医療についてで記載されています。

また、食物繊維を含むバランスのよい食事が腸内環境を整えてくれます。規則正しい生活することで、普段から体調には気を付けておきたいものです。身近な食材が治療のひとつになりうる、医食同源から試してみてもいいかもしれません。

体調がよくないと、花粉症の症状は悪化しますし、花粉症の症状が悪化すれば、体調を崩すことにもなります。セルフケアでも症状が治まらない場合は、病院での花粉症治療として、「医療機関で行う花粉症の治療(目の症状)」「医療機関で行う花粉症の治療(鼻の症状)」を参照して下さい。

食材については個人差がありますので、効果については人様々ですので、自分に合った対応しましょう。。

花粉症は早期に治療をすることで、つらい花粉症の症状を軽減することができます。自分にあう方法を見つけて、つらいシーズンを少しでも楽に乗り切れるよう工夫してみてください。
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