ヒスタミンとは……脳内でも重要なはたらきをする物質

居眠り

自分ではどうにもできない強い眠気。薬の副作用による眠気に悩まされる人も少なくありません

ヒスタミンは1910年に、血圧を下げる働きがある物質として発見されました。その後、血管の壁を通して物質のやり取りを増やしたり、内臓の筋肉である平滑筋を収縮したりする働きもあることがわかりました。また、花粉やイエダニなどのアレルギーのもとになる物質に反応して、生体防御機能としてアレルギー反応を起こします。この反応が過剰に出ると、花粉症や喘息になるわけです。

一方でヒスタミンは、脳の中でも重要な働きをしています。ヒスタミンを使って情報を伝える神経を、「ヒスタミン神経」といいます。この神経は、脳の奥にある「視床」という部分に、多く集まっています。このヒスタミン神経は、目が覚めているときに盛んに活動し、脳全体を叱咤激励して目覚めさせておく役目を担っています。逆に、夜になったり睡眠薬を飲んだりすると、ヒスタミンの作用が弱くなってきます。

「花粉症の薬を飲むと眠くなる」理由

花粉症の薬を飲むと、眠くなる人がいます。それは、薬に含まれているくしゃみや鼻水を抑えるための成分「抗ヒスタミン薬」の副作用です。

ヒスタミンのはたらきについては、上でご説明した通り。花粉症の症状を抑えるために抗ヒスタミン薬を飲むと、脳でもヒスタミンの働きがブロックされてしまうため、起きていられなくなり、だんだん眠くなってくるのです。

第2世代の抗ヒスタミン薬は副作用の眠気が少ないのが特徴

花粉に触れないことも、大切です

花粉に触れないことも、大切です

同じ抗ヒスタミン薬でも、眠気が少ないものもあります。「第2世代」と呼ばれるもので、第1世代の抗ヒスタミン薬に比べて、副作用が少なくなりました。最近では医療機関で処方される抗ヒスタミン薬の多くが第2世代のものになっています。

医師は治療を行う際に、治療ガイドラインを参考にすることがよくあります。厚生科学研究班が公表している鼻アレルギーの治療ガイドラインでは、第2世代抗ヒスタミン薬が勧められているので、その使用が増えているのです。

治療ガイドラインによると、重症度にかかわらず、第2世代抗ヒスタミン薬と鼻噴霧用ステロイド薬が基本的な治療薬です。眼の症状があるときには、点眼用抗ヒスタミン薬も使われます。鼻づまりがひどい場合には「ケミカルメディエーター遊離抑制薬」という、アレルギーに関係するヒスタミン以外の化学物質を抑える薬が追加されます。点眼薬やステロイドの点鼻薬、ケミカルメディエーター遊離抑制薬は、眠気を起こすことがほとんどありません。

薬局や薬店で買える薬は、まだ第1世代の抗ヒスタミン薬が多いですが、第2世代も買うことができます。例えば、エーザイの「ハイガード」やノバルティス・ファーマの「ザジデン」は、第2世代です。漢方薬の「小青竜湯」も眠気が起こらないので、愛用している人も多くいます。

最も効果的な花粉症の治療は、花粉が飛び始める2~3週間前から薬を飲み始めることです。スギ花粉の季節が終わっても、ヒノキやシラカバ、イネ科の花粉が続きます。毎年花粉症に煩わされている方は、早めに薬を飲み始めて、鼻も頭もスッキリ快適にお過ごしください。

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