迷惑メールが減らない理由:商売になる
迷惑メールで盗まれたバッグや偽ブランドを売る |
出会い系や変なモノやサービスを売り込む迷惑メールが届きますが、普通に売られている商品なら迷惑メールで買いません。問題となるのは普通ではない商品です。
盗まれたバッグや偽ブランド、違法コピーされたソフト、アダルトなどアンダーグラウンドな商品は、まともな店では売っていません。こういった商品を買いたいという人にとってネットはとっても便利なツールになってしまいました。
イギリスにあるセキュリティ企業Marshalが行った調査ではインターネットユーザーの29.1%が迷惑メール経由で商品を購入した経験があると回答しています。なんと3割近くで、思っていた以上に迷惑メールは商売になるようです。
先ほどの約54億通の出会い系サイトの迷惑メールを送って逮捕された日本人は1カ月で約1億2000万円もの収益をあげていました。
迷惑メールが減らない理由:コストが安い
迷惑メールを使った商売を始めようと思えば、インターネット接続できるパソコンが1台あれば始めることができ、参入障壁が実質的にありません。また多量のメール送信をしてもコストがかかりません。メールアドレスを自動収集するプログラムがありますので、メール収集にコストはほぼかかりません。
自動収集させないよう、メールアドレスをテキストではなく画像でサイトに表示したり、「@」を全角文字にして防衛しているサイトがありますが、英字や数字を自動生成して、総当たりで生きているメールアドレスを探すようなことも行われています。
迷惑メール送信の代行業者を使うと、100万通を送るのに1万円ほどですむそうで、1通送るコストは0.01円です。
迷惑メールが減らない理由:匿名性を確保できる
メールとウェブサイトがあれば商売になりますので、匿名性が確保できます。つまり補足されにくくなります。後は振込み用の銀行口座を用意するだけです。マネー・ローンダリング(資金洗浄)に使われないよう銀行で本人確認のチェックを行っていますが、目先の金に困って自分の口座を売ってしまう人がいます。もちろん法律違反で罰金となりますので、あとでひどいめにあうだけなんですが。
ワンクリック詐欺という手法があります。迷惑メールの言葉にひかれてURLをクリックするとウェブサイトが表示されます。次にサイトのサンプル画像などを1回クリックすると契約が成立したかのような画面を表示し、料金を請求してきます。そこから「ワンクリック詐欺」と呼ばれています。
→ 「社内でのネット私的利用を止めさせる えっ、アダルトの請求メールが!」
2006年6月に大阪府警が摘発したワンクリック詐欺事件では大阪市のネットサービス会社の社長と従業員ら計6人が韓国のレンタルサーバーを使い、1億8000万件の迷惑メールを送信していました。約2600人が詐欺にあい、約7500万円が口座に振り込まれていました。
供述によると「迷惑メールを100万通送ると1,000人がサイトを訪れ、10~20人が金を払った」ということですので、1,000人に一人がサイトをクリックし、0.001~0.002%の人が詐欺にあう計算になります。
迷惑メールは見ずに捨てるのが一番です。