企業のIT活用/セキュリティ/暗号化

社内でのネット私用を止めさせる方法

アダルトサイトから会社宛に請求メールが送られてきました。残業中にアダルトサイトにアクセスしていたようです。社内でのネット私的利用はけっこう多く、これを止めさせるには...

水谷 哲也

執筆者:水谷 哲也

企業のIT活用ガイド

残業中アダルトサイトへアクセス
残業中アダルトサイトへアクセス
顧問先の中小企業に行くと営業社員が待ち構えていたように声をかけてきました。

「すいません。少し相談にのってもらえませんか。」

「どうしたんですか?」

「実はアダルトサイトから請求メールが届いたんです。どう対処したらよいか悩んでいまして。」

残業中にアダルトサイトへ

経緯を聞いてみると...

残業で誰もいない時に、仕事を一段落させ、会社のパソコンでアダルトサイトを見ていました。有料サイトとは思わずクリックすると開いたページのトップに会社のメールアドレス等が表示され「ご入会ありがとうございます」の文字が出ました。あわててブラウザーを閉じましたので何のサービスも使っていません。営業社員が後からよく見ると最初の画面に小さな文字で「クリックすると有料です」と書いてありました。その後、会社のメールに利用料金の請求書が届き、払うべきかどうか悩んでいました。

「それなら、無視しておけばよいですよ。」

「そうなんですか、安心しました。これって、新聞などによく出ている架空請求なんですか?」

「いえ、身に覚えがあるので架空請求ではなく、不当請求ですね。」

▼「防犯」佐伯さんのガイド記事
 「架空請求と不当請求の違いを知る」
架空請求と不当請求の違い、不当請求が届いた時の対処法が掲載されています。

支払督促制度・少額訴訟裁判

「有料サービスを使ったわけでなく、詐欺のようなものですから無視してかまいません。それに金を払って見てみても女の子がニッコリ笑ってる写真が数枚あるだけですよ。」

「えっ、そうなんですか!」

「ただしめったにありませんが、相手側が法律を悪用する場合があります。消費者が訴訟制度のことをあまりよく知らないことを逆手にとったもので、実際に支払督促が送られてきたり少額訴訟裁判が発生しています。その場合はすみやかに国民生活センターや警察署に相談してください。」
簡易裁判所
簡易裁判所(支払督促制度・少額訴訟裁判)

●支払督促制度内容証明郵便を使って支払請求しても応じない場合、裁判所の力を借りて相手に支払請求する方法。相手側が申し立てを簡易裁判所に行うと裁判所は書面審査のみを行い、申立書に問題がなければ支払督促を債務者に送る。届いてから2週間以内に債務者から異議申し立てがなければ、30日以内に仮執行宣言の申し立てをすることができる。

●少額訴訟裁判60万円以下の金銭の支払いを求める訴えについて迅速に行う訴訟制度。簡易裁判所で裁判(口頭弁論)が行われ、原則としてその日のうちに判決が出る。何年もかかる訴訟と違い、少額の案件については少ないコストと時間で訴訟を行う制度。

※相手が支払督促制度、少額訴訟裁判を悪用した場合
不当請求ということで無視し、異議申し立てをしない、裁判所からの呼び出しに欠席すると、相手側に有利な判決が下り、法的拘束力を持つことになります。

架空請求による少額訴訟裁判が実際に発生しています。▼「防犯」佐伯さんのガイド記事「架空・不当請求」裁判のゆくえ「無視出来ない架空請求」を知る

社長からこってりしぼられる
社長からこってりしぼられる
「それから、私もあやまってあげますから、社長に報告することです。」

「えー、社長にですか!」

「あたりまえでしょう。就業時間中に社内で起こした事件ですから、報告が基本です。では今から行きましょう。」

「トホホ...」

もちろん営業社員は社長からこってりしぼられました。

アダルトサイトからの請求事件でしたが、もともとは残業時間中にアダルトサイトを見ていたことが発端です。社長からは再発防止のためにどうしたらよいだろうかと相談がありました。

企業内で私的目的にネットを使っている社員が多いのは周知の事実です。いくつか事例をみてみましょう。
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