コロナ・健康に関しての挨拶文も! 12月上旬・中旬・下旬の時候の挨拶と結び文
時候の挨拶とは「拝啓」などに続く書き出しの言葉で、季節感を表わす
時候の挨拶には、ビジネス文書や学校関係で出す文書・お礼状・目上の方向けの「漢語調」と、プライベートの親しい友人・知人向けのカジュアルな「口語調」があります。いつ使うのかがわかるよう、12月の上旬・中旬・下旬に分け、例文や結びの文、コロナや健康に関する挨拶文、12月に使える季節の話題もご紹介します。
<INDEX>
手紙・書類・メール・お礼状で使う、挨拶文の書き方や構成
ビジネスや学校関係で出す文書・お礼状、プライベートな手紙などを書く場合、【前文】⇒【主文】⇒【末文】⇒【後付】で構成するのが基本です。基本をもとに、必要に応じて細かい要素を変えながら仕上げていきましょう。<構成>
- 【前文】……「拝啓」などの頭語 ⇒ 時候の挨拶 ⇒ 相手の安否や健康を気遣うことば ⇒ 自分の近況やお礼など
- 【主文】……いわゆる本文
- 【末文】……結びの挨拶。相手の健康や繁栄を祈ることば ⇒「敬具」などの結語
- 【後付】……日付 ⇒ 署名 ⇒ 宛名
「漢語調」「口語調」……時候の挨拶文は相手・場面に応じて選びたい
時候の挨拶には、短く簡潔に表した「漢語調」と話し言葉でやわらかな言いまわしの「口語調」がある
漢語調と口語調は、相手や場面に応じて使い分けます。一般的に、ビジネス文書や学校関係の文書などでは、かしこまった漢語調の表現が使われることが多く、文書の格を高めてくれます。一方、パーソナルな文書では、より身近な口語調を使う方が多いです。また、ビジネスであっても、口語調を用いてやわらかにする場合もあります。
いずれにしても、ネガティブではなくポジティブなものがおすすめです。
12月の季節の挨拶/漢語調の時候の挨拶「ビジネス」編
霜が降りるほど寒い時期になったことを表す「霜寒の候」。「○○の候」は「○○の折」「○○のみぎり」に置き換えて使うこともできる
また、「○○の候」は「○○の折」「○○のみぎり」に置き換えて使うこともできます。
■12月全般で使える「師走の候」「寒冷の候」「霜寒の候」
- 師走(しわす)の候=師走となりました。
- 寒冷(かんれい)の候=寒く冷たい時期となりました。
- 霜寒(そうかん)の候=霜が降りるほど寒い時期となりました。
- 霜夜(しもよ)の候=夜中に霜が降りるほど本格的な寒さの頃となりました。
「師走の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」
■11月下旬~12月上旬の「向寒の候」「初冬の候」 「 孟冬の候」
- 向寒(こうかん)の候=日増しに寒くなってまいりました。
- 初冬(しょとう)の候=冬の初めの時期となりました。
※暦の上では、二十四節気の「立冬」(11月7日頃~21日頃)と「小雪」(11月22日頃~12月6日頃)が「初冬」です。 - 孟冬(もうとう)の候=冬の初めの時期となりました。
- 小雪(しょうせつ)の候=小雪の頃となりました。
※「小雪」は二十四節気のひとつで、11月22日頃~12月6日頃。 - 初雪の候=初雪の頃となりました。
「初冬の折、貴社におかれましてはますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。」
■12月上旬~12月中旬の「大雪の候」「短日の候」「寒気の候」
- 大雪(たいせつ)の候=雪が盛んな頃となりました。
※「大寒」は二十四節気のひとつで、12月7日頃~12月21日頃。 - 短日(たんじつ)の候=日暮れが早い季節となりました。
- 寒気(かんき)の候=冬の寒気が身にしみる頃となりました。
「大雪の候、○○様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。」
■12月下旬の「冬至の候」「歳末の候」「年末厳寒の候」
- 冬至(とうじ)の候=冬至の頃となりました。
※「冬至」は二十四節気のひとつで、12月22日頃~1月4日頃。 - 月迫(げっぱく)の候=12月の末に迫ってまいりました 。
- 歳晩(さいばん)の候=年末の頃となりました。
- 歳末(さいまつ)の候=年末の頃となりました。
- 年末厳寒(ねんまつげんかん)の候=年末で寒さも厳しい頃となりました。
- 歳末ご多端(さいまつごたたん)の折=年末で大変忙しい頃となりました。
「年末厳寒のみぎり、貴店ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。」
12月の季節の挨拶/口語調の結びの挨拶「ビジネス」編
結びの挨拶は、相手や趣旨によって変わります。ビジネスなどのフォーマルな文書でよく使われる、今後もよろしくとお願いする結びの挨拶、相手の繁栄や健康を祈る結びの挨拶、12月ならではの結びの挨拶、コロナ関連の結びの挨拶を例文で紹介します。■今後もよろしくとお願いする結びの挨拶
- 「今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。」
- 「引き続きご高配を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。」
- 「今後におきましても相変わらぬご厚誼(こうぎ)を賜りますよう お願い申し上げます。」
- 「これからも変わらぬご支援ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。」
- 「貴社のますますのご発展を心より祈念しております。」
- 「末筆ながら、一層のご隆盛を衷心よりお祈り申し上げます。」
- 「皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。」
- 「皆々様のご多祥を心よりお祈り申し上げます。」
- 「寒気いよいよ厳しき折、ご自愛専一にてお願い申し上げます。」
- 「歳末ご多忙の折、健康には十分にご留意なされ、さらにご活躍されますことを祈念申し上げます。」
- 「年の瀬も迫り何かとご多用のことと存じますが、体調を崩されませんようご留意ください。」
- 「輝かしいご越年を心よりお祈り申し上げます。」
- 「よき年を迎えられますことを心より祈念しております。」
- 「コロナもあり落ち着かない日々が続いております。くれぐれもご自愛のうえ、よい年をお迎えください。」
- 「コロナ禍中、寒さも厳しさを増しておりますので、くれぐれもお体にご留意のうえ、よい年をお迎えください。」
12月の季節の挨拶/口語調の時候の挨拶「プライベート」編
「ポインセチアの花が街を彩る頃となりました」は、話し言葉でやわらかな口語調の時候の挨拶
■上記「ビジネス」編で紹介した漢語調の「○○の候」の意味を表す文は、口語調の時候の挨拶として使えます。
- 「師走を迎え何かと慌ただしい時期となりました。」
- 「霜が降りるほど寒い時期となりました。」
- 「日増しに寒くなってまいりました。」
- 「冬の寒気が身にしみる頃となりました。」
- 「年末で寒さも厳しい頃となりました。」
12月向きの時候の挨拶に、相手の安否や健康を気遣う言葉を加えた例文を幾つか紹介します。
- 「街路樹も葉を落とし、すっかり冬景色に変わりましたが、お元気でお過ごしでしょうか。」
- 「木枯らしの吹きすさぶ日々が続いていますが、風邪などお召しになっておられませんでしょうか。」
- 「朝、布団から出るのがおっくうな今日この頃ですが、お元気でいらっしゃいますか。」
- 「カレンダーもいよいよ最後の一枚を残すのみとなりました。いかがお過ごしでしょうか。」
- 「冬空の下、寒椿が美しい季節となりました。すっかりご無沙汰しておりますが、お元気でご活躍のことと存じます。」
- 「ポインセチアの花が街を彩る頃となりましたが、お元気ですか。」
- 「街はクリスマスの飾りつけ一色となってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。」
- 「年の瀬を迎えましたが、その後お変わりございませんか。」
- 「今年も残りわずかとなりましたが、お変わりありませんか。」
- 「師走も半ばを過ぎ、なにかと気ぜわしくなってまいりましたが、皆様、お健やかにお過ごしでしょうか。」
- 「行く年を惜しみつつ、来る年を指折り数える年の暮れとなりました。ご家族の皆様、お変わりなくお過ごしでしょうか。」
12月の季節の挨拶/口語調の結びの挨拶「プライベート」編
プライベートで用いる結びの挨拶も、カジュアルな表現が好まれます。相手に合わせて挨拶の内容を考えてみると良いでしょう。相手の趣味や嗜好に合わせた結びの挨拶、相手の体調を気遣う結びの挨拶、年末に関する結びの挨拶、コロナ関連の結びの挨拶の例文を紹介します。参考にしてみてください。■相手の趣味・嗜好に合わせたの結びの挨拶
- 「待望のスキーシーズン、存分に満喫なさってください。」
- 「こちらは、雪景色がとても美しいところです。ぜひご家族で遊びにいらしてください。」
- 「冬の星座が美しいこの時季、天体観測にも力が入るかと存じますが、風邪をひかぬよう気をつけてくださいませ。」
- 「時節柄、体調を崩しませんよう御身おいといください。」
- 「寒さ厳しくなります折、くれぐれもお体にはご留意ください。」
- 「寒がりのあなたのこと、どうぞお体には気をつけてください。」
- 「何かと気ぜわしい毎日かと存じますが、おからだを大事になさってください。」
- 「迎春のお支度にお忙しい折から、お風邪など召されませんように。」
- 「年の瀬を迎え気ぜわしい毎日かと存じますが、どうぞお健やかにお過ごしください。」
- 「今年も余日わずかとなりました。どうぞよいお年をお迎えください。」
- 「皆様お揃いでよい年をお迎えくださいますよう、心からお祈り申し上げます。」
- 「毎年のことながら暮れの忙しい時期、お互い頑張って乗り切りましょう。」
- 「時節柄、なかなかお目にかかることができませんが、皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。」
- 「コロナ禍もございますので、くれぐれもお体にご留意のうえ、よい年をお迎えください。」
- 「コロナ禍中、お仕事にも影響があるかと存じます。くれぐれもお体に気をつけてご活躍ください。来る年がよい年でありますよう祈念申し上げます。」
- 「時節柄、なかなか思うように会えませんが、オンラインでのおしゃべりも大歓迎。お互い元気で、よい年を迎えましょう。」
12月に使える季節の話題
蟹、鰤、ふぐ、おでん、鍋……この時期の食べものは取り入れやすい季節の話題です
■花や動植物・食べ物
ポインセチア、シクラメン、南天、千両、万両、鰤、鮭、たら、あんこう、ふぐ、蟹、白菜、春菊、山芋、蜜柑、焼きいも、お事汁、おでん、熱燗、鍋料理、かぼちゃ、かぼちゃと小豆のいとこ煮、クリスマスケーキ、年越し蕎麦、年越し魚
■風物詩や行事・イベント
すす払い、正月事始め、針供養、事の日、お歳暮、羽子板市、冬至、ゆず湯、クリスマス、歳の市、餅つき、大掃除、正月飾り、仕事納め、忘年会、年越しの祓、除夜の鐘
▷ひと味違う~粋なおとなの年末年始
■節気・時期
霜枯れ、冬枯れ、初雪、小雪、大雪、冬将軍、寒波、空っ風、冬至、年の瀬、年末、大晦日、冬眠、湯たんぽ
オリジナルの挨拶を入れることも考えてみましょう
12月、あの人はサンタさんになるのかな……相手の顔を思い浮かべてみると、文章が浮かびます
- 「そちらは蟹の産地、今年も蟹三昧でしょうか。」
- 「鍋を囲んで一杯やりたい季節となりました。」
- 「お得意のスノボのシーズンになりましたね。」
- 「もうじきクリスマス。子ども達の笑顔が楽しみですね。」
>>【時候の挨拶】1月上旬・中旬・下旬の季節の挨拶と結び文、ビジネスやカジュアルに対応
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