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手紙の書き方 ~心に届く時候・時節の挨拶

手紙といえば文例集に頼りっぱなし…「拝啓」のあとの「時候の挨拶」で筆が止まってしまうあなたに、苦手意識をなくす季節の挨拶をご紹介します。

三浦 康子

執筆者:三浦 康子

暮らしの歳時記ガイド

読むのはスキ、書くのはイヤ

ペンを握って数十分…あなたも経験ありませんか?
手紙は好きですか?
……いただくのは好きだけれど、書くのは苦手。

多くの方がそんなふうに答えます。確かに、電話やメールで用が足りてしまいますから無理もありません。でも、手紙には電話やメールにはないぬくもりがありますし、手紙でしか伝えられないものがあります。


苦手な理由は?
……どう書いていいかわからなくて面倒。「拝啓」のあとの「時候の挨拶」で筆が止まってしまう。

カジュアルな手紙なら気を遣うこともありませんが、大人の社会ではそうもいかず、面倒なことも多いでしょう。そこで今回は多くの方に共通する苦手ポイント、時候の挨拶(季節の挨拶)をとりあげます。


時候の挨拶は省略してもいい?

裏面に色がついた心憎いデザイン…
便箋や封筒にはその人のセンスが表れます。(協力:オリジナル文具の裏具
改まった手紙には形式があります。

前文【頭語(拝啓など)→時候の挨拶→相手の安否を気遣う→自分の安否を伝える】

主文【本文】

末文【相手の健康・繁栄を祈る】

後付【結語(敬具など)→日付→署名→宛名】

基本的には、用件を述べる前に前文で挨拶し、主文に入ります。「前略」を使えばこの前文を省略できるので時候の挨拶もいりませんが、手紙は心も一緒に運ぶもの。できるだけ前文を省略せず、季節も一緒に届けたいですね。


時節の挨拶は、文例集から選べばいい?

時候の挨拶にはよく使われるものがあり、文例が紹介されています。例えば、6月の文例として「入梅」「若葉青葉の候」「うっとうしい梅雨の季節」などが紹介されています。これをこのまま使えば簡単カンタン。

でも、本当にそうでしょうか?
次にあげる時候の挨拶を比較してみてください。 >>>
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