近頃は「いい香り」の柔軟剤も増えているけれど……
毎回の洗濯時に柔軟仕上げ剤を使う人が7割も!
かたやスメハラ(スメルハラスメント)や香害といった用語とともに、香りの強い柔軟仕上げ剤に対して、気分が悪くなるといった反応がニュースとして取り上げられるようになりました。
そこで柔軟仕上げ剤の香り事情をアロマセラピストの観点から考察したいと思います。そのうえでアロマテラピーで用いるエッセンシャルオイル(精油/アロマオイル)の活用方法もご提案します。
<目次>
- 最近の柔軟仕上げ剤事情。 みんなどのくらい使っているの?
- 柔軟仕上げ剤の香りに関する表示について
- 人によって「香り」の感じ方は違う! 香りをつけるときのマナー
- 衣類にエッセンシャルオイルの香りをつけて楽しむ方法
- エッセンシャルオイルを使うときに注意したいこと
最近の柔軟仕上げ剤事情。 みんなどのくらい使っているの?
メーカー各社からたくさんの香り柔軟仕上げ剤が販売されて人気ですが中には体調不良を訴える人も
同時に柔軟仕上げ剤のにおいに関する相談は、独立行政法人国民生活センターによると、2014年度以降928件(2014年4月以降受付、2020年1月31日までの登録分)寄せられ、うち、594件(64%)が危害があったという内容です。危害は、咳が出る、息苦しい等の呼吸器障害がもっとも多いようです。
■参照
ところで、私はある種の柔軟剤の強いにおいが苦手で、そのため日々暮らしていても柔軟剤の残り香には敏感です。そんな私がドラッグストアで実際に目にした商品や先ほど掲載した資料で注目したのは、柔軟剤のにおい関連の表示についてです。
柔軟仕上げ剤の香りに関する表示について
柔軟仕上げ剤の表示も変わってきてるようです
人によって「香り」の感じ方は違う! 香りをつけるときのマナー
香りに過敏な人もいることを考えどんな香りであっても周囲への配慮を忘れたくないですね
そもそも香料は大別すると、天然香料と合成香料の2種類に分けられます。アロマテラピーで使うエッセンシャルオイルは天然100%の香りで植物由来。かたや合成香料は人工的な香りです。エッセンシャルオイルの香りは、比較的消えやすいのが特徴的です。なぜなら、そもそも香りを残すのが第一目的ではなく、自然に存在している香りの元を蒸留や圧搾して製造しているから。
ですが柔軟仕上げ剤は香りを持続させることが目的となっているものもあり、なかには合成香料をマイクロカプセル化し香りを長持ちさせる商品もあります。長く香ればその分、香りは強烈になりやすいものです。ただし、天然の香りでも強いタイプは存在するし、天然と合成いずれもアレルギーの原因になりえます。また、人は「くさい」と思うにおいは発さないように注意を払っても、一部の柔軟仕上げ剤のような強い香りを「いい香り」だと思っているとエチケットを守れなくなり、どうしても周囲への配慮を忘れがちです。
さらには嗅覚は慣れが生じやすいため、一度つけた香りも慣れてくると分量が増え、結果的に香りの強度は増してしまいます。一般的に小さな子どもは嗅覚が敏感といわれますし、言葉を話せないペットへの影響も考えるべきなのかもしれません。そんなことも配慮してか、少数派とはいえ、香りのない無香料の柔軟剤も販売されています。
香害というのは「受け手」の反応いかんです。香りの「質」だけが問題ではありません。他者がその「香り」を不快に思えば、場合によっては害となる可能性を秘めています。そのため、柔軟仕上げ剤に限らず、エッセンシャルオイル、香水、整髪料なども同様に香りが強めのものは、周囲へ配慮して使いたいですね。
衣類にエッセンシャルオイルの香りをつけて楽しむ方法
アロマを後付けで香らせてちょうどいい香り方にしましょう
とても手軽ですが、コットンやハンカチに精油を1滴落としたものを持ち歩く(バッグに入れる)方法です。ハンカチに精油を1滴落としたものをポケットに入れておくだけでも思った以上に香りはふわっと広がります。注意点としては、エッセンシャルオイルが付いたハンカチで目を拭いたりしないこと。エッセンシャルオイルは粘膜を刺激します。
そのほか、コットンにエッセンシャルオイルを1滴落としたものを、衣類を収納する引き出しに入れておくのも心地よいものです。ほのかに衣類に香りが付着し、自分だけが楽しめる程度の着香です。香りがついたコットンは定期的に変えてください。エッセンシャルオイルの香りは酸化すると変な香りになるものがあります。また色のついたエッセンシャルオイルがシミとなって衣類を汚さないようにしましょう。
使うエッセンシャルオイルの種類は基本、好きな香りでOK。おすすめは清潔感のあるラベンダー、オイルに色がほぼついてないユーカリやローズマリー、ローズのような香りのゼラニウムなどです。
エッセンシャルオイルを使うときに注意したいこと
ときどき換気をするのをお忘れなく
またエッセンシャルオイルの香りが、食事のシーンなどで妨げになることがあります。香りマナーを意識してアロマテラピーを楽しんでください。
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