売上アップに貢献するグッドデザイン賞
権威ある第三者機関の評価があれば製品を差別化して売上アップに繋がる! |
それでは、なぜグッドデザイン賞をアピールすることで売上アップに繋がるのでしょうか?
その疑問に対する答えはマーケティング心理学の観点から説明することができます。
一般的に消費者は購入する製品を決定する際に、事前にできる限り多くの情報を集めて比較検討していきます。この比較検討する段階で圧倒的に製品が差別化されていれば問題はないのですが、現在はどの企業の製品も甲乙つけがたい素晴らしい機能やデザインを兼ね備えていますので、多くの消費者が購入製品の決定の際に悩むことになります。
そこで決め手となるのが権威ある機関から与えられた賞ということになるのです。このような賞はいわば権威ある機関のお墨付きということで消費者は安心してその製品を購入できるようになります。
たとえば、同じような機能、同じようなデザイン、同じような価格の製品の中から購入する製品を決める時に、一方はグッドデザイン賞を獲得していて、一方は何もなければ、どちらの製品を選ぶでしょうか?
恐らく大半の方がグッドデザイン賞を獲得している製品を選ぶはずです。グッドデザイン賞を獲得しているのだからいい製品に違いないというのが購入を決定した理由になります。つまり、受賞の有無はそれ自体が商品の差別化に繋がっていくということになるのです。グッドデザイン賞の公式サイトでも『「同様な商品であれば、Gマークが付いた方を選ぶ」といった調査結果』があることが謳われており、受賞がビジネスに有利に働くことを裏付けています。
グッドデザイン賞はあらゆる製品全般に影響力のある賞ですが、グッドデザイン賞の他にも食品関連では世界的に権威のあるモンドセレクション、レストランなど飲食関連では三ツ星など星で格付けが行われるミシュランガイドブックなども選ばれれば強力な自社製品の差別化が図れます。
このような賞を獲得するマーケティング上のメリットは測り知れません。製品の特性で差別化を図ろうとしても、現代はライバル各社の技術水準が高いレベルで拮抗してなかなか差別化を図ることはできませんが、権威ある機関からのお墨付きは限られた企業の製品やサービスに対してのみに与えられるものであり、いくらライバル企業が真似しようとしたとしても真似できるものではない決定的な差別化に繋がるからです。
消費者というのは企業側から与えられる情報を基に購入の判断を下します。その中でも自社の製品やサービスが第三者機関の提供する賞を獲得したという情報は強力な差別化に繋がっていきますので、売上アップを図りたい企業は第三者機関が実施する様々な賞に挑戦してみてはいかがでしょうか。
【今回のよくわかるマーケティングのポイント】
消費者は企業から与えられる情報を基に購入を判断する。特に第三者機関による受賞履歴等があれば、積極的に告知して自社製品の信頼性を向上させることによって、強力な差別化が推進され業績アップに繋がる。
(追記:本記事に関しまして、自社では何度もグッドデザイン賞を獲得したにも関わらず売上に何ら影響を受けていないという報告をいただいております。
もちろんグッドデザイン賞を取っただけで受賞製品全ての売上が大幅にアップすることはあり得ない話だと思います。グッドデザイン賞を受賞したとしてもそれを最大限に活用したマーケティング“戦略”がなければ売上アップには繋がらないのです。
グッドデザイン賞を受賞するということはマーケティング戦略上、あくまでも一つの有効な“戦術”であり、本記事ではグッドデザイン賞を獲得すれば全ての商品の売上がアップするということをお伝えするものではありません。
ただ、グッドデザイン賞を獲得するということはその商品のコア・コンピンス(最強の武器)にも成り得ますので、STP-4Pのフレームワークに従って効果的なマーケティング“戦略”を組み立ててれば少なからずとも売上アップに繋がっていくのではないでしょうか。
第三者機関から権威ある賞を受賞して、売上アップを見込んでいたのに全く影響が無い場合は、3C分析を行った後に、ターゲット顧客、ポジショニング、製品、価格、流通、プロモーションの整合性がとれているかを確認してみて下さい。)
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