E:『泣き言』を戦略的に活用しよう
Eの基本は『相手の感情に訴える』というもの。日本人が比較的得意な「泣き言」を言って、こちらの厳しい状況をわかってもらい、これ以上無理を言わさせないように持っていくテクニックです。
「これ以上値引きするとウチが赤字になってしまうんですよ~。すいません……」
「当社の規定が××××となってまして、大変申し訳ないのですが、これ以上は値引きさせていただくのが無理なんですよね……」
といったトークがこの「E」に入ります。
ただし、注意点があります。あまりこれを使いすぎないようにすることです。他の「M」や「T」と組み合わせながら、『切り札』的に使用するのが効果的でしょう。
T:『脅し』は上品に使うのがコツ
「営業する側が、お客さんを『脅す』なんて、もっての外だ!」などと怒る人がいるかもしれませんが、そんなことはありません。世の中の様々なところでこのテクニックは使われています。
『期間限定発売(この期間を過ぎればもうこの特典は受けられませんよ、という条件つきの発売)』なんていうのは、オブラートに包んでますが、立派な脅しですね。だから、もちろん営業の場面でも『上品に』行うのがポイントです。
「今週中に決めてもらえないと、このサービス特典がなくなっちゃうんですよね……」などとソフトな言い方で、さりげなく「T」のテクニックを使ってみましょう。
交渉は、ある意味『駆け引き』なのですから、少し「押したり、引いたり」する方が有効です。恋愛と同じように、基本線は『誠意』なのですが、常に真っ向から押してばかりではラチがあかなかったりするものですよね。
安易に妥協せずに頑張ることが一番
交渉ごとは結構しんどいもの。だからと言って安易に相手に合わせて妥協するのは、頑張りが足らないと言わざるを得ません。ちょっと厳しい表現ですが、『逃げている』と言っても過言ではないでしょう。なんと言ってもあなたの営業マンとしての存在意義も薄れてしまいます。
ぜひ上記のMET理論を活用して、頑張って少しでもこちらが有利になる合意点まで持っていけるように工夫してみましょう。そうやると意外と活路が開けていき、いつの間にか交渉上手、交渉好きの営業マンになっているものです。
目指せ、交渉の達人!
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