営業のノウハウ/営業の基礎知識

営業マンのキャリアパスとは?昇進・企業から独立など

「営業を経験しないと社長にはなれない」なんて言葉もありますが、一体、営業職はどのようなキャリアパスを設計すればよいのでしょうか?自分がどのように働き続けたいかを考えれば、日々の仕事への取り組み方も必然的に変わってきます。この記事では4つのモデルコースを紹介します。

西野 浩輝

執筆者:西野 浩輝

営業ノウハウガイド

営業マンのキャリアパスとは

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営業マンのキャリアパスとは?

今、みなさんは営業マンとして、担当業務に全力で取り組まれていることだろうと思います。そうした中で、日々の仕事に追われながらも、ふと「10年後や20年後の自分はどうなっているのだろうか。このまま営業マンとして働き続けているのだろうか」と、自分の将来について考えることはないでしょうか。

営業マンのキャリア形成には、いくつかのコースがあります。今回は代表的な4つのコースを紹介します。みなさんが自分のキャリアを考えるときの参考にしてください。
 
<目次>
 

コース1:管理職コースへの道

「管理職コース」とは、営業マンから営業課長、営業部長、役員へというように、組織内の営業畑で昇進を果たしていくというコースです。同じ会社の中で昇進していくケースもあれば、転職をしながら役職を上げていくというケースもあります。営業マンが自分の将来を展望するときに、一番思い浮かべやすいのがこのコースでしょう。

ただし実際には、誰もが営業課長や営業部長になれるわけではありません。一般の営業マンより営業管理職の方が、当然用意されているイスは少なくなるからです。

その少ないイスに座るためには、何といっても営業マン時代に実績を残す必要があります。社内でトップレベルの営業成績を残せないと、営業課長や営業部長にはなれないと考えた方がいいでしょう。

しかも営業管理職に求められるのは、「営業マンとしての実績」だけではありません。部署の営業戦略を立て、その戦略を遂行していく能力が必要とされます。また部下の心をつかみ、若い部下を育てながらチーム力を高めていく能力も不可欠となります。

つまり戦略構築力や進捗管理能力、組織統率力などを持っていることが、より重要になってくるわけです。また営業戦略を立てるためにはマーケティングの知識も欠かせません。

やや極端な言い方をすれば、営業マン時代には自分の営業成績のことだけを考えていれば組織から評価をされました。しかし管理職になれば、チームとして継続的な実績を残していかないと評価されないのです。責任の重い仕事ですが、その分やり遂げたときの喜びも大きなものとなるでしょう。
 

コース2:スペシャル営業マンへの道

営業という舞台で、より大きな数字と責任に挑戦する

営業という舞台で、より大きな数字と責任に挑戦する


「生涯一営業マン」というのが、このコースです。リタイアするまで、ずっと営業マンであり続けます。

ただし普通の営業マンではなく、自分が属している会社やお客さんに対して、特別な価値を提供できる力を持っています。だから「スペシャル営業マン」なのです。

スペシャル営業マンは、さらに「スーパー営業マン」と「コンサル営業マン」に分けることができます。

このうちスーパー営業マンは、営業のスタイル自体は、普通の営業マンと変わりありません。しかし営業実績が、ほかの営業マンとは桁違い。有力な顧客と強いパイプを築いており、大きな商談を成約に結び付けることに長けています。また豊富な営業経験から、新規開拓においても優れた手腕を発揮します。

つまり、自分が培ってきたノウハウや信頼関係を武器にして、高い実績を残し続けることができるのが、スーパー営業マンというわけです。

一方コンサル営業マンとは、ヒアリングを通じて、お客さんから問題点や課題を聞き出す能力に長けています。さらにその課題を解決するために、最適な商品やサービスを提案できる力を備えています。だからお客さんからは、「あの営業マンが提案してくれた商品やサービスには外れがない。安心して購入できる」という抜群の信頼感を得ることができるわけです。もちろんどの営業マンも、お客さんから課題を聞き出し最適な提案をすることを心がけてはいるでしょうが、コンサル営業マンは、そのスキルが際だって優れているのです。

コンサル営業マンのところには、課題を抱えているお客さんの方から問い合わせや相談の連絡がやってきます。そのレベルにまで達するためには、業界知識やマーケティング知識、戦略立案能力などを磨く努力を続けることが不可欠となります。
 

コース3:独立への道

営業マンの中には、正社員として会社に所属するのではなく、個人事業主(法人を設立せずに、自分で事業を行っている人のこと)の形で仕事をしている人がいます。こういうタイプの営業マンは、会社と有期での契約を結び、歩合制や年俸制で働くのが基本となります。

当然、仕事は非常にタフになります。成果を挙げないと報酬に響くどころか、契約を打ち切られるリスクがあるからです。

しかし、実績を残せば高い報酬を得ることも可能です。組織に頼らず、自分の力で自分の可能性を切り開いていくという意味では、まさにプロフェッショナル的な働き方といえるでしょう。
 

コース4:企画部門&人材教育部門への道

蓄えた実力とノウハウを営業部や全社に対して活かす

蓄えた実力とノウハウを営業部や全社に対して活かす


営業マンとして培ってきた経験は、ほかの分野で仕事をするときにも役立てることができます。特に営業出身の人間が数多く活躍している分野として挙げられるのが、企画系の部門と人材教育系の部門です。

企画系部門の仕事では、事業計画や経営計画の策定に当たり、さらにはその遂行についての責任を持ちます。また現場で働いている営業マンに対して、さまざまなサポートも行うのも大切な業務の1つです。

具体的な配属部署としては、営業企画部のような部署で営業部門の戦略立案に携わることもあれば、経営企画部のような部署で会社全体の戦略立案に携わることもあります。いずれにしても会社にとってブレーン的存在になるわけで、非常に重要な職務だといえます。

企画系部門に配属になると、内勤が中心となり、頭脳労働が多くなります。営業マン時代の経験を生かせる仕事ですが、働き方は営業マンだったころとは大きく異なってきます。

一方、人材教育部門の仕事では、営業マン育成のための教育に携わります。人材教育のためさまざまなプランを作成し、その運営を担当します。研修の場面では、時には自らが講師となってアドバイスや指導に当たることもあります。社員の成長をダイレクトに感じ取ることができる仕事なので、教育に関心がある人にとっては非常にやりがいがある仕事です。

 

まずは今の仕事に全力で取り組もう

以上、4つの代表的な「営業マンのキャリアコース」を紹介しました。みなさんもこれらの中から、いずれは何か1つを目指してほしいと思います。

ただし現段階で、将来の道を狭く絞り込む必要はありません。むしろ若手や中堅の間は、今与えられている仕事に一生懸命取り組むことの方が大切です。なぜなら営業マンとして実績を挙げないことには、どのコースにも進むことはできないからです。まずはトップ営業マンになることを目指す方が先決です。

日々の仕事を通じて、自分を磨き、スキルを磨き続けているうちに、少しずつ自分が進むべき道が見えてくるようになるはずです。また会社や上司から適性を見極められて、抜擢されることもあるでしょう。ベストを尽くせば、自ずと道は開けてくるものです。

営業はタフな職種ですが、そのぶん実力もつきます。努力は嘘をつきません。どうか毎日を精一杯生きてください。

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