トップセールスマンなる方法とは?

「考え方を少し変えるだけで、あなたもトップ営業マンになれる!」

こんなことを言われたら、きっと皆さんは、「考え方だけで、営業成績が伸びるなら苦労しないよ」と、眉に唾を付けたくなると思います。けれども私は、トップ営業マンになれるかどうかの境目は、「考え方の違い」が非常に強いと感じています。

私は、『人は変われる!』(KKベストセラーズ)という本を出版しました。この本は、私がビジネスパーソンとして、そして営業マンとして、「目の前に立ちはだかったいくつもの大きな壁を、どのように乗り越えていったか」「どうやってトップ営業になっていくことができたか」を綴った自分史に近い本です。

この著書を執筆するにあたって、私は自分のビジネス人生を振り返ったわけですが、そこで、「自分が成長できた時というのは、実は考え方を変えられた時だったんだ!!」ということに気づいたんですね。これは私自身にとっても、ちょっとした発見でした。だから本のコンセプトも、「考え方ひとつで、道は切りひらいていける」にしました。

本には、たくさんの「変わるための考え方のポイント」を詰め込んでいます。今回は、その中から特に3つを抽出してみなさんに紹介したいと思います。

トップ営業マンの考え方1:自分の営業に誇りを持とう

みなさんの中には、営業という仕事にこんなイメージを抱いている人もいるのではないでしょうか。「営業はつらい仕事だよな。ノルマはきついし、お客さんの言いなりにならなきゃいけないし、上司や先輩やほかの部署の人に振り回されるし、やってられないよ」と。

こういう考え方では、前向きな気持ちで仕事ができるわけがありませんよね。仕事に前向きになれなければ、当然成長もできません。考え方を変える必要があります。それは、「営業」という仕事の本質を、少し違う観点からとらえてみるのです。

ある若手営業マンのAさんの話です。Aさんも以前は営業職を、「人にペコペコ頭をさげなくてはいけないつらい仕事だ」と思っていました。ところがAさんは、あるとき「営業の仕事はプロデューサーと同じだ」という言葉と出会いました。そのときから、営業職に対するイメージが変わったといいます。

営業とプロデューサーの共通点。それはどちらも黒子ということ。プロデューサーは、映画制作やドラマ制作の現場で、表に出てくることはありません。けれどもたとえば映画プロデューサーは、クランクインから上映までのシナリオとスケジュールを描き、俳優や監督、スタッフ、映画会社の広報など、映画に関わるすべての人たちを動かし、さらには予算の管理まで行う、きわめてダイナミックな仕事です。

Aさんは、「営業の仕事も、契約というゴールに到達するために、シナリオやスケジュールを描き、さまざまな人を動かすということではプロデューサーと同じだ」と思ったのです。それ以来彼は、裏ですべてを動かすプロデューサーのように、自分がプロジェクトを取り仕切っている気持ちで、仕事に取り組むことができるようになりました。

Aさんの中で一番変わったこと。それは、営業の仕事に誇りを持てるようになったことです。「営業=いろいろな人から振り回される仕事」ではなく、「営業=いろいろな人を取り仕切る仕事」と、とらえることができるようになったのです。Aさんは、やっている仕事自体は、これまでと変わらない営業の仕事です。けれども意識が変われば、成果も確実に変わっていきます。

みなさんもAさんのように、営業職という仕事を、自分にとって誇りが持てる仕事として、とらえ直してみてください。変わるための一歩となります。

トップ営業マンの考え方2:別の方法を考えよう

いつも同じ方法ではダメ。視点を変えて、効率的な方法や効果的な方法を考える

いつも同じ方法ではダメ。視点を変えて、効率的な方法や効果的な方法を考える

営業は、毎日お客さんのところにコツコツ足を運んだり、電話をかけたりといった地道な作業の連続。これは間違いありません。けれども地道な努力と共に、「もっと効率的なやり方はないか」「もっと効果のあるやり方はないか」を考えつづけることも、成長のためには重要です。

私は以前、営業マンとして外資系企業に勤めていたことがありました。外資系企業の場合、取引先も外資系が多くなります。そこで私は、地道にテレアポ営業や訪問営業を続ける一方で、「外資系の見込み客を一挙に増やす方法が、何かないだろうか」と、一生懸命考えました。

私が目をつけたのは、在日米国商工会議所が主催する勉強会や交流会。ここに積極的に参加することで、人脈を大きく広げることを狙ったのです。当時の私の英語力は、アメリカ人とビジネスの話題を対等に交わすレベルには達していませんでしたが、そんなことには構っていられませんでした。結果は、大成功。日本人営業マンは、私にほかにはまったく参加しておらず、貴重な人脈を独占することができたのです。

私にかぎらずトップ営業マンは、ほかの人が考えたり行動したりしないような「もっと効率的なやり方」「もっと効果のあるやり方」を常に考えつづけているものです。人脈を広げたいのなら、私のように業界関係者やキーパーソンが多く集まる勉強会や交流会に参加するのもいいでしょうし、自分で勉強会や交流会を主催するという手もあります。

ほかにもやり方は、いくつもあるはずです。頭に汗をかいて、よりよい方法を考えだす。それが自己を成長へと向かわせるのです。

トップ営業マンの考え方3:「私はプロだ」と自分に言い聞かせよう

シドニーオリンピック金メダリストの高橋尚子選手が、「プロの走りができなくなった」と言って、マラソン界からの引退を表明しました。彼女ぐらい強いプロ意識を持っている人はなかなかいません。ケガをして満足のいくレースができなかった時も、有力候補といわれたアテネオリンピックで、代表から落選した時も彼女は決して言い訳をしませんでした。「プロであるかぎりは、結果を残す必要がある。結果が出なかった時に、他人のせいや環境のせいにしてはいけない」という強いプロ意識の表れだと思います。

営業マンも「営業のプロ」ですから、「私はプロである」という自覚を持つことが大事。プロ意識を持てば、甘えや言い訳が許されなくなります。大きな壁にぶつかった時も、「自分はプロなんだから、成果を出すことが前提なんだ。そのためにはこの壁をどうしたら乗り越えられるだろうか」というように、問題回避志向ではなく問題解決志向になります。だからプロ意識を持っている人は、ほかの人と比べて成長スピードも速く、本物のプロへと駆け上がっていくわけです。

以上、トップ営業マンに生まれ変わるための「3つの考え方」を紹介しました。この3つを実践するだけでも、あなたはきっと変わることができます。トップ営業に、一歩も二歩も近づくことができるはずです。


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