営業での会社説明・商品紹介のコツとは

 
「もっと聞きたい!」と思われる説明を

「もっと聞きたい!」と思われる説明を



みなさんも経験があるでしょうが、営業マンにとってこれまで取引実績のないお客さんのところに最初に訪問するときには、かなりの緊張が伴うものです。

テレアポの努力によって、ようやくつかんだ訪問の約束。ムダにはしたくありません。初回訪問を次の訪問へと結びつけ、最終的には受注にまで持っていきたい。営業マンであれば、誰だってそう考えるはずです。

そのためにはお客さんから初回訪問の段階で、「この営業マンは信頼できそうだし、親しみも感じられるな」という好印象を抱いてもらう必要があります。なにしろお客さんも毎日仕事で忙しいわけですから、最初の訪問で好印象を得られないと、次は会ってもらえないと考えた方がいいからです。今回は、初回訪問の臨み方について解説しましょう。  

営業は事前準備が成果を導く

初回訪問は、一般に次のような流れで進みます。
 
  1. お客さんへのあいさつ
  2. 世間話
  3. 訪問の目的を述べる
  4. 自社説明
  5. 自社商品の説明
  6. ヒアリング
  7. より深い自社商品の説明

もちろんこれは「一般的な流れ」に過ぎず、実際にはこの通りに進まないことも。この初回訪問をより内容の充実したものにするためには、訪問前の事前準備が重要となります。お客さんのことをあらかじめ調べて、「きっとこんな課題やニーズを持っているお客さんじゃないか」という仮説を立てるのです。すると自社説明や自社商品の説明をするときでも、よりお客さんの興味関心をくすぐる話し方ができる可能性が高まります。

訪問前の事前準備では、業界紙(誌)まで目を通して情報を仕入れるのは大変だと思いますが、少なくともその会社のホームページぐらいはきちんと確認しておきましょう。またお客さんと同じ業界のほかの会社が、どんな商品を導入しているかを調べておくことも大切。これによって、お客さんの会社がどんな事業をしていて、どのような商品がフィットするかをあらかじめイメージしておくわけです。

「このお客さんは、○○の商品に興味を持ちそうだな」という仮説を立てたら、その説明をするときに必要となる資料を入念に準備しておきます。また思わぬ方向に話が進むこともありますから、そのほかの資料についても漏れがないようにカバンの中に入れておきます。そういう意味でも、初回訪問の際は、「持参物チェックリスト」を作っておいた方がよいでしょう。
 

世間話も準備をするのが営業のコツ

お客さんのところに訪問するときには、相手に不快感を与えない身だしなみとビジネスマナーが不可欠となります(これについては「営業のマナー・身だしなみ」を参照してください)。まずは元気よくハキハキとあいさつをすることで、お客さんに良い第一印象を与えましょう。

あいさつが終わると、通常すぐには本題に移らず、世間話から入ることになります。世間話には、他愛のない話をすることによってお互いの緊張をほぐすという効果があります。しかし緊張していると、その世間話の話題すら出てこないもの。話題はあらかじめ仕込んでおくとよいでしょう。
 

ビジネス関連の話題は相手を事前にリサーチしておくのがポイント

話題の内容は、お互いにビジネスで会っているわけですから、ビジネス関連のものがベター。このときに、お客さんのホームページなどを見てあらかじめ調べておいたことが役立ちます。「この不景気にもかかわらず、御社は前期も増収増益を達成されたそうですね」といった話題を振ると、お客さんは喜んで答えてくれます。そのほか業界の動向や、その会社の社風、ビジネスに影響を与える法改正についての話題なども、世間話のネタとして使えます。

またビジネスとは直接関係のない話題を出すときには、お客さんから「なんかいい話を聞けたな」と思ってもらえるような役立つ情報を仕込んでおくことが大切になります。
 

本題への切り替えは相手のタイプを見極める

お客さんによっては世間話があまり好きではなく、「早く本題に入りたい」というタイプもいます。相手が世間話をあまりしたくなさそうだったら、スパッと話題を切り上げて本題に入りましょう。

逆に世間話好きのお客さんの場合でも、必要以上に世間話を長く引っ張ってはいけません。頃合いを見計らって「さて、今日お伺いしたのは……」と話題を転換し、今日の訪問の目的を述べます。

「今日は、○○の紹介のためにお伺いしました。そのうえで、もしよろしければ御社の状況をお聞きし、より具体的な商品の説明をさせていただきたいと思っています」というように、その日の商談の流れを最初に話しておくと、相手も安心し、お互いの目線合わせになります。
 

営業のコツ:会社説明では、インパクトのあるキーワードを!

 
 
 
差別化を意識した説明で、自社アピール

差別化を意識した説明で、自社アピール



自社の説明を行う際には、会社案内などのパンフレットを使うとスムーズ。ただしパンフレットに書いてある内容を細かくだらだらと話す営業マンがいますが、これはNG。

お客さんが知りたいのは、「要するにほかの会社とどこが違うのか」ということ。いくら丁寧に説明しても、他社との違いをアピールできないと、お客さんの印象には残りません。

そこで必要となるのが、会社説明の中にお客さんにとってインパクトのあるキーワードを盛り込むこと。いくつか例を紹介しましょう。
  • 「すでに流通業界においては、約3割の企業様に当社のシステムを導入いただいております」
    その業界において高い実績を残している企業であることをアピール
  • 「当社では、御社のようなIT系のベンチャー企業様に対して、○○の課題についてのソリューションを提案しております」
    お客さんが抱えている課題を解決する力をもった企業であることをアピール
  • 「○○部門における当社のシェアは○%に達しており、業界トップです」
    データや数字などの客観情報を用いて自社をアピール
  • 「先月、経済誌の○○で当社のことが取り上げられました」
    マスメディアからの取材などを利用した権威付け
会社説明をしたときに、相手が興味関心を示す部分はお客さんによって異なります。だからこそ事前準備を行うことで、「このお客さんだったら、きっとうちの会社の○○の部分に関心を持つはずだ」という仮説を立ててから臨むことが大事。

実際に説明をしながらも、相手の反応を見ながら、「どこがこのお客さんの興味関心のツボか」を探ります。そしてお客さんが興味関心を示すツボが見つかったら、詳しく説明することで、より強い印象を相手に与えるように工夫するのです。
 

営業のコツ:商品説明では、「SBS」の輪を意識する

会社説明が終わったら、次は自社の商品説明に入ります。ひと口に自社商品といっても、扱っている商品は多岐にわたるでしょう。営業マンはその中から商品を絞って、お客さんに説明しなければなりません。

商品説明においても、やはりあらかじめ立てておいた仮説にもとづいて、あるいはその場でのお客さんの反応を見ながら、重点的に説明する商品を決めます。もちろん自社のイチオシの商品があったら、その商品についての説明もしっかりと行います。

商品説明の際に意識して欲しいのが、「SBSの輪」です。SBSとはSpec(スペック)、Benefit(ベネフィット)、Scene(シーン)の3つのキーワードの頭文字をとったものです。

Spec(スペック)……その商品の機能や性能
Benefit(ベネフィット)……その商品を使うことによって得られるメリット
Scene(シーン)……その商品を使う具体的なシーン

スペックばかりを詳しく説明したとしても、その商品を使うことのベネフィットやシーンが見えなければ、お客さんは具体的な利用場面をイメージできません。逆にベネフィットやシーンばかり話して、スペックについての言及がなかったら、お客さんにとって今イチ信憑性に欠ける説明になってしまいます。

ですから、お客さんに対して説得力のある説明をするためには、SBSのバランスを意識することが重要になるのです。
 

相手の役職や立場によって強調ポイントを使い分ける

ちなみにお客さんのタイプによって、スペックに強い関心を示す人もいれば、シーンに関心を持つ人もいます。

一般に現場担当者については、商品知識が高いこともあり、詳細なスペックの説明を求めることが少なくありません。逆に経営者レベルになると、細かいスペックの説明よりも導入シーンについての詳しい説明を求める傾向が強くなります。

ただし、これはあくまでも一般論。ここでもやはり相手の反応を見ながら、話の重点のポイントを変えていくことがカギとなります。

適切かつ効果的な会社説明と商品説明ができれば、お客さんは営業マンに対して「なかなか頼れそうだな」とか「ほかとは違うな」といった印象を抱き、心を開いてくれます。するとこの後に続くお客さんへのヒアリングがぐんと行いやすくなります。

「ここが大切な正念場なんだ」と考えて、ぜひ会社説明と商品説明には心にパワーを入れて臨んでください。 
 

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