営業のノウハウ/営業の基礎知識

営業のマナー・身だしなみのポイント……受注を左右する!

営業力に多大な影響を与える第一印象。その重要なキーワードである、「マナー」と「身だしなみ」について、その重要性と外せないポイントを語ります。身だしなみとビジネスマナーの2つのポイントをしっかりと押さえて、第一印象力アップを目指しましょう。

西野 浩輝

執筆者:西野 浩輝

営業ノウハウガイド

<目次>

営業のマナー・身だしなみ……「第一印象」がきわめて大事

営業のマナー・身だしなみ

身だしなみとビジネスマナーがあなたの営業力を助ける

営業マンは、自社の商品・サービスを購入してもらうために、お客さんを説得することを仕事としています。お客さんを買う気にさせるには、まず自分自身に好印象を抱いてもらわなくてはいけません。

お客さんは、「この営業マンだったら、信頼できそうだな」「これからも付き合っていけそうだな」と思える営業マンからでないと、安心して商品購入に踏み切れないからです。

お客さんから好印象を持ってもらううえで特にカギを握るのが、初対面のとき。もし初対面のときに「この営業マンは、なんか冴えないなあ」といった印象を1度お客さんに与えてしまうと、2回目以降にそれをくつがえすのは簡単ではないからです。

ただし初対面の商談では、そんなに深い話ができるわけではありません。
「仕事に対する意欲や商品知識の的確さ、人間としての誠実さをお客さんに理解してもらって、信頼感を得よう」と思ったって、それは無理というもの。

ですから初対面では、「何となくこの営業マンは、信頼できそうな人だな」というイメージだけでも、相手に持ってもらうことがとても大切になります。そこで重要になってくるのが、「第一印象力=初対面で相手に好印象を与える力」を高めることです。

第一印象力を高めるためのポイントは、大きく2つあります。1つは「身だしなみに気をつける」こと。そしてもう1つは、「ビジネスマナーを身につける」ことです。
 

相手に不快感を与えない身だしなみを

身だしなみに気をつけることにより、好感度をあげ、与えたい印象を体現する

身だしなみに気をつけることにより、好感度をあげ、与えたい印象を体現する

相手に不快感を与えない身だしなみを、普段から心がけておくこと。

これは営業マンであれば、絶対にクリアしておかなくてはいけない最低限の関門です。ところが最低限の身だしなみができていない営業マンは、意外に少なくありません。

例を挙げましょう。
  • スーツやシャツはよれよれになっていませんか?
  • 髪型は整っていますか?
  • 靴はちゃんと磨かれていますか?
  • ヒゲ、ツメ、鼻毛等の手入れは行き届いていますか?

こうした最低限の身だしなみをいつもクリアできるようにしておくためには、チェックリスト化しておくとよいでしょう。出勤前や訪問前にチェックリストを読み返すことで、自分の姿を確認するのです。
 

身だしなみを磨く3つのポイント

最低限の身だしなみをクリアできたら、次に目標にするのは、身だしなみに磨きをかけることで、お客さんに対してプラスの意味で強い印象を残すことです。「何だかすごくシャープそうな営業マンだな」とか、「経験豊富で、この業界を知り抜いているっていう雰囲気だな」というように、自分の存在を強く相手に印象づけることを目指すのです。

このときに押さえておきたいのが、Must(しなければいけない)、Want(したい)、Can(できる)の3つのポイントです。Mustというのは、自分が所属している業界や会社の常識には「従わなければいけない」ということです。

例えば銀行マンであれば、ヒゲを蓄えたり、ダブルのスーツを着用するといったことは御法度とされています。いくら「このスタイルが自分らしい」と思ったとしても、お客さんは銀行マンに対して、そんな身だしなみは求めていません。お客さんは銀行に、自分の大切なお金を預けたり借りたりしています。ですからお客さんが銀行マンに求めているのは、堅実さや誠実さであり、それを体現しているような身だしなみです。

お客さんから「何かうさん臭い営業マンだな」と思われてしまったら、その時点でアウトの場合もあります。やはり業界の常識や会社の常識、お客さんが求めているイメージには従う必要があるでしょう。

しかし、だからといって業界の常識やお客さんが求めているイメージに、あまりに型通りに従っていると、強い印象を相手に残すことができません。そこで常識の範囲を逸脱しないレベルでチャレンジしたいのが、Wantです。自分が「どんな印象を相手に与えたいか」を考えて、身だしなみに工夫をするのです。

例えば「シャープで切れ者の営業マン」という印象をお客さんに与えるために、細身のスーツを身につけたり、メタルフレームのメガネを選ぶといったことをしてみるわけです。
 

なりたい自分となれる自分のギャップに注意

ただし、これにも注意が必要。いくら自分が「シャープで切れ者の営業マン」を演出したいと思っていても、「なりたい自分=Want」と「なれる自分=Can」の間に大きなギャップがある場合には、不自然な印象を相手に与えてしまいます。これではせっかく努力しても、効果は期待できません。

自分をコーディネートするときには、「なりたい自分」だけではなくて、「なれる自分」についてもよく考えておくことが大事。MustとWantとCanの3つが揃って、初めてプラスの意味で強い印象をお客さんに残すことができます。

ちなみに身だしなみに磨きをかけたいときには、家族や恋人、友人、同僚など、自分の身近にアドバイスをくれる人を見つけておくといいでしょう。また美容院や洋服売り場の店員は、ある意味「身だしなみのプロ」ですから、自分にはどんな髪型やファッションが似合うか、彼らにアドバイスを求めるのもオススメです。
 

ビジネスマナーを確実に身につけよう

ビジネスマナーは、営業に対して最初に行われる査定項目

ビジネスマナーは、営業に対して最初に行われる査定項目

第一印象力を高めるためのもう1つのポイントが、ビジネスマナーです。ビジネスマナーができていないとお客さんは、「この営業マンは社会人としての基本常識が欠けているみたいだけど、本当に大丈夫なのか」という不信感を抱いてしまいます。

みなさんは、以下に挙げるようなビジネスマナーをきちんと身につけられているでしょうか。
  • あいさつ・おじぎの仕方
  • 尊敬語、謙譲語、丁寧語の使い分け
  • 正しい電話応対の方法
  • 名刺交換の仕方
  • 会議や会食の場での席次
  • 笑顔の出し方、目線の配り方
もし「まだ身につけられていない」というものがあれば、ぜひビジネスマナー本(薄いもので十分です)を読んで、該当項目を勉強することをオススメします。実際にマスターするまでの間は、マナー本をいつも鞄の中に入れておくようにして、必要な場面が来たときにすぐにチェックできるようにしておくとよいでしょう。

わからないことがあるときには、上司や先輩に聞いてもかまいません。ケースによっては、お客さん本人に聞いてもよいでしょう。

「恥ずかしながら、私はこのようなときにどうしたらよいかわかりません。ご存知でしたら教えていただけないでしょうか」と、謙虚にお願いすれば、お客さんはほとんどの場合は、こころよく教えてくれるものです。

「今日はお客様のおかげで1つ賢くなりました。ありがとうございました」とお礼を述べれば、「礼儀正しく、勉強熱心な営業マン」という印象をお客さんに与えることすらできます(ただしこれが通用するのは、若手営業マンの間だけですが……)。
 

マナーを知っていれば、落ち着いて行動できる

ビジネスマナーを正しく知っていることのメリットには、「相手に不快な思いをさせない」「マナーに則ったスマートな行動をすることで、自分の評価を高めることができる」などがあります。

そんな中でも最大のメリットは、「マナーを正しく知っておけば、落ち着いていられる」ということです。ビジネスマナーが苦手な営業マンにありがちなのが、オドオドしてしまってお客さんの前で不自然な態度になってしまうこと。「こんなときはどうすればいいんだろう?」という不安感でいっぱいになり、必要以上にうろたえてしまうのです。

ちなみにこういうときは、うろたえてしまうぐらいだったら、間違っていてもいいから整然とした態度で振る舞うことが大事です。狼狽している様子をお客さんに見せれば見せるほど、お客さんの不信感は高まっていくからです。そうならないためにも、基本的なビジネスマナーは確実に身につけておきたいもの。

身だしなみとビジネスマナーの2つのポイントをしっかりと押さえて、第一印象力アップを目指しましょう。第一印象力を高めることが、営業成績アップにも確実に結びついていきます。

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