お客さんから言葉を引き出すは営業マンのトーク技術

営業マンのトーク

お客さんが話しやすいよう、営業マンが働きかける

 
営業マンの方に「苦手なお客さんはどんな人ですか?」と聞くと、いろいろな答えが返ってきます。「つっけんどんな客」「無理ばかり言う客」「一方的に喋りまくる客」などなど。 その中でも、営業マンから一番よく聞くのは、「自分の話をなかなかしてくれないお客さんが苦手」という返答です。

確かに商談は、相手から言葉を引き出さないと一歩も前に進みません。話してくれないお客さんってホントに困りものです。しかし私に言わせると、お客さんが話してくれないのは、ほとんどの場合、営業マンの努力不足に帰因しています。原因は「お客さん」ではなく「営業マン」にあるのです。

お客さんはこちらが待っていれば、勝手に話し始めてくれるわけではありません。話してもらうように、こちらから上手に働きかけていく必要があります。優秀な営業マンは、どんなお客さんからでも言葉を引き出す力をもっています。

私も営業同行指導のときに、営業マンと一緒にお得意先を回ることがあります。そのたびに「お客さんから話を引き出すのがうまい営業マンと、うまくない営業マンとの差って、ホントに激しいなあ」と痛感します。
 

優秀な営業マンやビジネス・コーチはリピートを多用する

話を引き出すのがうまい営業マンは、自分のことばかり話していない

話を引き出すのがうまい営業マンは、自分のことばかり話していない

話を引き出すのがうまい営業マンは、特別なワザを使っているわけではありません。彼らのトークに注意深く耳をかたむけていると、相手の言葉へのリピートが多いことに気づきます。

例えば、お客さんが「うちみたいな業界はこれだけ原油高が進むと、コストが上がってつらいんだよね」と話したとします。すると、営業マンも「ホント原油高だとつらいですよね」というようにリピートします。これをより効果的に用いているのが、ビジネス・コーチングのコーチです。

私の会社のスタッフの1人が、定期的に電話によるコーチングを受けています。彼女によると、コーチと話した後はいつも頭がクリアになるとのこと。あるとき、彼女は通話を録音して内容を聞き直しました。するとコーチの発言は、自分の発言をリピートばかりだったのです。

リピートされると、話し手の側は「自分の話をちゃんと聞いてくれているんだな」と安心感を覚えます。また「この話に興味をもってくれているみたいだな」と感じます。そこでもっと話したくなって、つい話してしまう。話しているうちに、自分がどんなビジネス上の悩みを抱えているかが明らかになり、解決法も見えてくる。これがビジネス・コーチングのメカニズムのようです。

このようにリピートは、効果があるわけです。これを商談の場面で使わない手はありません。
 

「2つのリピート」を組み合わせて使おう

リピートをするときには、2つの方法があります。1つは、「相手の語尾の言葉をリピート」する。2つめは、「相手のキーワードとなる言葉をリピート」する。

では、事例で示しましょう。

■相手の語尾の言葉をリピート
お客さん「ビジネスマンはロジカルシンキングが大切だから、僕も日ごろからロジカルに物事を考えるように心がけているんだよね」

営業マン「なるほど、日ごろから心がけていらっしゃるんですか」

■相手のキーワードとなる言葉をリピート
お客さん「ビジネスマンはロジカルシンキングが大切だから、僕も日ごろからロジカルに物事を考えるように心がけているんだよね」

営業マン「なるほど、やっぱりロジカルシンキングは大切ですよね」

前者の場合、お客さんは「いかに日ごろから、ロジカルに物事を考えるように心がけているか」について話し始めるはずです。後者の場合は、「いかにロジカルシンキングが大切か」について話し始めることでしょう。この「2つのリピート」をうまく組み合わせると単調になりません。リピートの後に簡単な感想や言い換えをつけ加えるとさらによいでしょう。

「そうですよね、やっぱり大切ですよね。実は僕もロジカルな思考が苦手だなっていつも感じているんですよ」「やっぱり大切ですよね。日本人の最大の弱点といってもいいでからね」といように。

ただし、リピートなしでいきなり「日本人の最大の弱点といってもいいですからね」と言ってしまうと、ちょっと偉そうな態度に見えかねません。必ず「リピート+感想or言い換え」を心がけてください。

リピートは、今からでもすぐできる効果抜群の簡単なワザです。お客さんが話してくれなくて行き詰まったときには、ぜひリピートでお客さんの関心やニーズを引き出してください。

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