こちらから与えることでお返ししたい気にさせる
お客さん心理を理解して、営業活動に活かすコツを紹介するこのシリーズ。第2回目は「返報性の法則」です。

「返報性の法則」とは、社会心理学者のロバート・チャルディーニが、営業マンや広告主の心理テクニックを分析した『影響力の武器』という本のなかで、取りあげている法則です。その法則とは、「相手から何かをあたえられると、こちらも何かお返しをしたくなる」というもの。

具体例で解説しましょう。例えばあなたが、テレビの買い換えを考えていたとします。「最近のテレビはどんなものが売れているのか、今日はほんの下見のつもり」という気持ちで電器量販店をたずねました。

すると対応してくれた販売員がとても親切でした。プラズマテレビと液晶テレビの違いをわかりやすく説明してくれたり、こちらの疑問や要望にも丁寧に答えてくれたり……。

きっとあなたは、こんな気持ちになるはずです。

「この販売員の方はわざわざ時間を使って、自分のためにいろんな説明をしてくれた。おかげで今どきのテレビのことがよくわかった。今日は下見のつもりだったけど、何だかこのまま買わずに帰るのは申し訳ないな」

そしてあなたは、今日は買うつもりではなかったテレビを、購入することになる。これが「返報性の法則」です。あなたは販売員から、テレビについての貴重な情報をもらったので、つい恩返しがしたくなって、その販売員からテレビを購入したわけです。

このようにできる販売員や営業マンは、日々の接客場面や商談場面で、「返報性の法則」を上手に活用しているものです。そこで次に、営業マンが「返報性の法則」を効果的に活用するためのコツを、基礎編と応用編に分けて説明することにしましょう。