デキるリーダーだけが知らず知らずに踏襲する法則とは

あらゆる営業に通じる法則がある

あらゆる営業に通じる法則がある

はじめての営業活動に戸惑っている人、あるいはベテランの営業でもスランプに陥って「数字」に悩んでいる人は多くいらっしゃると思います。

営業力を身につけるのに「魔法の薬」はありませんが、こうすれば近道になる、という方法はあります。

それが「営業成果=営業活動量×知識量」という法則です。

これは私自身の経験則から導き出しました。過去の営業指導と、多くの企業の営業チーム支援を手がけてきた中で、編み出したものです。多くの事例を見ていて、着実に成果を上げている現場の「営業リーダー」の指導には共通の法則があった。それが「営業成果=営業活動量×知識量」だったのです。

これは業種や、ルートセールスや新規営業の別も問いません。あらゆる営業活動に共通する法則だと自負しています。

しっかりと営業成果を上げるためにデキるリーダーが指示していることは意外にシンプル。「営業活動量を増やさせること」、そして「営業に関する知識量を積み上げさせること」。なぜそう言えるのか、以下で詳しく見ていきましょう。


「営業活動量」はなぜ多いほうがいいのか

マーケティングやターゲティングといった言葉が、営業現場でもあたり前のように使われる今の時代。営業活動量を増やすなどと言うと、「なんと非効率で古臭い」と思われるかもしれません。しかし、これはふたつの理由から真理だと考えます。

ひとつは「出会い頭」という観点です。

「出会い頭」とは、営業マンが取引先を訪問した際に「ちょうどいいところに来てくれた」と思いがけず成果をあげる、そんなケースを言います。この「出会い頭」というのは、できる営業マンもそうでない営業マンも、基本的に同じ確率で出現します。

例えば「出会い頭率」が0.5%の業種なら、1日平均10件訪問する営業マンは20日に1件「出会い頭」の恩恵があり、1日平均2件訪問の営業マンは100日に1件しか「出会い頭」の恩恵はない計算になります。すなわち、営業活動量を増やせば増やすほど成果が上がる理由のひとつは、ここにあります。

もうひとつの理由は、「熟知性の法則」で説明される効果です。

直接会ったり言葉を交わしたりした相手とは親近感が大幅に増すということがありますよね。これを「熟知性の法則」といいます。営業で言うと、面談回数が増せば増すほど相手の親近感は上がり、逆に訪問回数が減れば減るほど、どうでもいい相手になっていく。ターゲット先への訪問頻度という「営業活動量」の増加は確実に、成果に直結する相手との関係構築につながるのです。


担当者の活動量を増やすためにリーダーがすべきこと

私が見てきた優秀な営業部隊は、BtoBのIT機器営業でもBtoCの自動車販売でも、あるいは医師相手の薬品卸営業でも、チーム全員がリーダーの的確な指示と協力のもと、圧倒的な「営業活動量」を誇っていました。リーダーは常に、担当者一人ひとりが「いかにしたらより多くの顧客と面談できるか」を頭においてチームを動かしていたのです。

例えば薬品営業のチームリーダーは、日々の訪問先選定に関して、まずA先(積極推進先)のアポを入れその後にその周辺のB先、C先のアポを入れるよう徹底させていました。無駄な移動で時間を浪費しない工夫ですね。

また、デスクワークは営業事務職にすべて引き取らせ、提案書作成などの高度な作業はリーダー自らが代行するなどして、極力担当者が社外に出られる体制づくりをする。これは銀行時代の私もやっていたことで、おおいに効果が出ました。担当者の「営業活動量」増加は、ひとえにリーダーの指導や協力にかかっていると言えるのです。


営業に必要な知識の種類

相手をよく知ることも大事

相手をよく知ることも大事

次に「知識量」について。

優秀なリーダーに率いられた営業部隊は、どこも個々人の営業知識レベルが高いという特徴があります。

営業知識とは何かといえば、まずは「自社製品やサービス、技術に関する知識」。主要製品・サービスについては資料を見なくともスラスラとその詳細説明ができるレベルが必須です。次に「他社知識」。競合先の製品・サービス、技術等はひと通りの知識として持ち、自社との比較対象をしてメリット、デメリットをしっかりと把握していなくてはいけません。

さらに「経験的知識」も重要です。これは自己の経験だけでなく、上司、先輩、同僚の体験、特に成功体験を自己の経験と同じレベルで語れることが相手の心をグッと掴むポイントになります。

そしてもうひとつ、「ターゲット先に関する知識」。これは売り込む相手の会社情報、業界情報、影響を与える社会動向等々について、まるで相手先の社内の人かのように会話ができるレベルにあることが理想です。


営業に必要な知識の定義

では、デキるリーダーはこれらの「知識」を、どうやってメンバーに身につけさせ、チームの「知識量」水準を増やしているのでしょうか。

多くのデキるリーダーは、具体的なやり方は違えども、「何を自社営業の知識とするか」の定義をしています。すなわち、自社製品や他社知識に関しては、「何をどのレベルまで学ぶか」を具体的に指示しています。

例えば、「A社の○○、△△という商品を全員把握すること」と言って資料を共有するなど。場合によっては関連の法令を勉強させる、関連資格を取らせるなどもこの範疇に入ってきます。

また「経験的知識」の底上げに関して、優秀な営業部隊では、リーダーは定例チームミーティングを招集し、好事例や失注事例などの情報を極力チーム内で共有させるなどの工夫しています。基本的にチーム・コミュニケーションの中心にリーダーがいて、その円滑化がはかられているということが共通項であると言ってもいいでしょう。

さらに「ターゲット先に関する知識」については、相手先のウェブサイトなどを使った事前調査指導はもとより、日経新聞の購読を義務付け日々クライアント関連のトピックスを朝会で共有するなど、底上げ策が多く見られます。


営業にセンスは不要

いかにして成果を手にするか

いかにして成果を手にするか

「知識量」を増やすことがなぜ「営業成果」につながるのか、理由は簡単です。ターゲット先の担当者から「この会社の営業マンは使える、頼りになる」という信頼感を勝ち得ることに直結するからです。

最も信頼される営業マンは、取引先から真っ先に相談されるはず。すなわち、最も受注に近い存在になれるのです。その意味で、リーダーは、メンバーたちが「常に同業他社の営業マンと比較にされている」という意識を持たなくてはいけません。

営業にセンスは不要。むしろ誰にでもできることの積み重ねで、成約確率は大幅に向上すると私は思っています。「営業成果=営業活動量×知識量」の法則は、デキる営業リーダーたちが知らず知らずのうちに実践している法則です。どうしたら自社の営業チームを強くできるのか、お悩みのリーダーはまずこの法則を念頭に自己のチームマネジメントを見直してみてはいかがでしょうか。


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