営業がうまくいかない原因は?

デキる営業リーダーは、担当者に何を教えているのでしょうか。

これまで様々な企業を見てくるなかで、強い営業チームを率いる「デキるリーダーたち」に共通していたことがあります。それは担当者に「ステップを踏むこと」の重要性を叩き込んでいたこと。逆に、ダメな営業リーダーほど担当者に任せきり、いわゆる放任状態が当たり前になっていたのです。

ステップを教えられることなく自分任せにされた担当者たちはどうなるかというと、パターンは大きく分けて2つ。

ひとつはいきなり売りたいモノのセールスを始める「押し売り営業」で、もうひとつは「御用はありませんか?」が口癖の「御用聞き営業」。これでは担当者たちの実績が上がるはずがありません。


デキるリーダーは5つの営業ステップを重視する

デキる営業リーダーは適切なステップを指示している

デキる営業リーダーは適切なステップを指示している

ではデキる営業リーダーが重視する営業の手順とはどのようなものなのでしょうか。

業種の違いやルートセールスか新規営業かで、ステップに費やす時間などに多少の相違がありますが、成約を最終目標として「営業を成功させる」手順は次の5つのステップを踏むことが基本です。

1. 事前調査
2. カットイン
3. ヒアリング
4. プレゼンテーション
5. クロージング

2のカットインは、やや耳慣れない言葉かもしれませんが、直訳すると「割って入る」という意味。ここでの定義は、「セールスの対象となる交渉相手の警戒感を解き、懐に入り込む」ことです。

事前に相手の情報を収集してから、「カットイン」で相手との懇親をはかり、その上で聞き役に回って「ヒアリング」でニーズを引き出す。ニーズをつかんだらそれに合った提案を「プレゼンテーション」することで、成約に向けた「クロージング」に持ち込む。これが、多くのデキる営業リーダーたちが担当者に指示する営業ステップなのです。

先のダメなパターンでいうと、とりわけ新規営業に多い「押し売り営業」は、前段を飛ばしていきなりプレゼンテーションからスタートしていることが分かりますし、ルート営業に多い「御用聞き営業」はカットイン段階でストップして営業活動を放棄してしまっていると言えるでしょう。


営業で最も重要なステップは「事前調査」

事前調査では新聞などからも業界情報を得る

事前調査では新聞などからも業界情報を得る

では、5つのステップの中で最も重要なものは何でしょうか。

それは、ズバリ、事前調査です。デキる営業リーダーは各担当者の訪問予定先の業務内容、業績、業界内の地位、さらには業界自体の動向など、訪問する前に必ずそれについて調べさせます。場合によってはリーダーがそれらについて、担当に質問するなどの確認も怠りません。

なぜ事前調査が必要になるのかと言えば、これをなくして有効なカットインも有効なヒアリングもできないからです。しかしながら、事前調査をしっかりと指示している営業リーダーは実に少ないのです。例え飛び込み営業でも事前調査は必要です。稼ぐ営業チームを作れない営業リーダーたちが、あまりにこの事前調査を軽視しているということは、私自身が多くの現場で見てきた実感でもあります。


カットイン、ヒアリングで事前調査を活かす

営業ではいかにして好印象を与えるかも大事

営業ではいかにして好印象を与えるかも大事

事前調査以外のステップについても、そのポイントを簡単に記しておきます。

カットインにおけるポイントは、事前調査で仕入れた情報をもとに「御社のことを知っていますよ」「御社に関心がありますよ」という姿勢を伝えることです。「自分に関心がある」ということが伝わることは、相手に好印象を与えるキッカケになるからです。

ヒアリングはカットインで相手の警戒心が解けたところで開始します。これもまた事前調査で調べたことをもとにおこないます。より効果的なヒアリングは、相手の顧客ニーズや相手のライバルとの力関係などに関する事項を聞き出すことです。

これで成約! 一気に「クロージング」へと持ち込む方法

クロージングをスムーズに行うための方法

クロージングをスムーズに行うための方法

プレゼンテーションのポイントは、「タイミング」と「誰に対しておこなうか」に尽きます。

タイミングはヒアリングによって明確なニーズを把握した後。ニーズを把握することなくやたらにプレゼンをしても、「ニーズのないところにビジネスなし」です。

誰に対しておこなうかという観点からは、決裁権者を引っ張り出すということが重要です。何の決済権も持たない人間にプレゼンをしても、それは全く無意味というものなのです。

そしてクロージング。これはプレゼンテーションの一部あるいはその延長として、一気におこなうことが理想です。大切なのは、なんらかの結論をその場で得ること。入口となる小さな成約でもOKです。例を挙げるなら、「お試しということでまず1か月契約」あるいは「実費ベースのテスト運用だけでも本日ご了解を」などの導入クロージングです。そのためにも、「プレゼンテーション」への決裁権者の同席は不可欠だといえます。

プレゼンの締めくくりに、「いつご返答いただけますか」「1週間以内にご返答ください」などと、プレゼンサイドから相手に検討期間を与えるのは成約確率を著しく低くします。なぜなら、一定期間の返答の猶予は、断り文句を考える時間を与えるようなものだからです。

とにかく導入クロージングで構わないので、小さな成約だけでも当日取り付けること、それがクロージングで最終的に大きな成約を得る最大のポイントです。

デキる営業リーダーはしっかりと手本を示す

これら営業の5つのステップはあくまで典型的な営業スタイルの例ではありますが、稼ぐ営業チームを率いるリーダーは多少の差はあれどもそのほとんどが、担当者にステップを踏んで営業することを指示しています。

そしてもう一つ大半のできる営業リーダーに共通することは、口頭で教えるのではなく同行訪問をしながら手本を見せて、いわば「背中で教えている」ということ。「百聞は一見に如かず」は営業教育においてもまた真理だといえるのです。


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