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ウイスキー&バー/この店の、この一杯

63回 神楽坂『サンルーカル・バー』新橋清(2ページ目)

銀座の名店『テンダー』上田和男氏の右腕だった新橋清氏が独立して、神楽坂に『サンルーカル・バー』を開業。オープンは6月24日。14時からカクテルを愉しめる、嬉しい店だ。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

ウイスキー&バーガイド

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シェリーの名醸地から命名

ジンリッキー
暑い日にはすっきりとした味わいのジンリッキー
店名はスペインのアンダルシア、シェリーの名酒のひとつマンサニージャを生む地、サンルーカル・デ・パラメダから取った。シェリー酒のファンであるならば、すぐにピンとくるだろう。
だが新橋氏が西地中海の港町サンルーカルの地名を最初に知ったのは、伊達政宗の命で海を渡った支倉常長をはじめとした侍たち、慶長遣欧使節団の歴史書からだった。カクテル技術を磨きながらワインの勉強をし、そしてシェリーについて学びはじめると、再びサンルーカルに出会う。2004年、ベネンシアドール公式称号資格認定試験で最優秀賞を獲得。その副賞でサンルーカルの地を初めて訪ねることになる。
この話の詳細は実際店に行って新橋氏から聞いていただきたい。ちなみにベネンシアドールとは、シェリーの貯蔵、管理をする職人のことで、ベネンシアという長い柄杓で樽からシェリーをサンプリングし、高い位置からグラスに注ぐ姿で知られている。これはただのパフォーマンスではなくそれなりの意味があるのだが、ここでの説明は省く。

飲み手の母港となる店を目指す

自分の店をサンルーカルと名付けたのは、港のような店にしたいとの想いからだ。達成感のある日、挫折を味わった日、どんな時でも寄港すれば安らぎをもたらし、また新たな気持ちで船出できるような、そんな願いがある。
店にはもちろんシェリーもあるが、気を遣って飲む必要はない。新橋氏はよく「ギムレットをつくってなんぼの男ですから」と口にする。とにかくカクテルをつくりたい人なのだ。ギムレットも旨いが、わたしは彼のつくるサイドカーも好きだ。甘くてちょっぴり切ない、遠い日の恋の記憶のような味わい。後口のキレも良い。
先日はジンリッキーではじめた。次は白州10年のソーダ割りではじめようと思う。ウイスキーはスタンダードなものを取り揃えている。
新橋氏は細面のメガネのよく似合う、少年っぽさを残した好男子だ。応対の歯切れの良さも心地いい。男も女も、読者の誰もが新橋氏のカクテルを飲んでほしいと願う。
近々、昼間にまた行くよ、新ちゃん。

店内
 
Sanlucar Bar
東京都新宿区神楽坂6-43 K's Place102
tel.03-6228-1232
14:00~24:00(土日祝~23:00) 月休
チャージ¥900、カクテル¥1,100~(ジンリッキー¥1,300)、ウイスキー¥1,000~(白州10年¥1,000)

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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。
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