まずカクテルブックから探ってみる

ウイスキーの香味を愉しむなら1対2
ウイスキーの香味を愉しむなら1対2
ここ2~3年、角ハイボールに代表されるウイスキー&ソーダが人気を呼んでいる。とくに2009年、今年は大ブームとなった。
そのせいもあってか最近、よく質問されるのが「ウイスキーとソーダのベスト比率はあるのか。あったら教えて欲しい」というものだ。「ハイボールってなんだ」「ウイスキー・ソーダとハイボールの違い」といった記事をこれまで書いているが、そのなかで度々わたしが好む比率、旨いと思う比率を述べてきた。
そこで再度、ハイボールとはいったいどんな飲み物なのか、そしてウイスキーとソーダの比率について述べてみたい。

まずハイボールはカクテルである、ということ。ではカクテルとは何か。
酒に何かを加えたものがカクテル。だから炭酸で割るハイボールだけではなく、ウイスキーの水割りもカクテルということになる。
当然カクテルブックに載っている。日本バーテンダー協会(NBA)編集の『新版NBAオフィシャル・カクテルブック』のハイボールの項には、アメール・ピコン・ハイボール、カンパリ・ソーダ、キューバ・リバー、クロンダイク・ハイボールにつづき、ウイスキー・ハイボールのレシピが掲載されている。
そこにはウイスキー45ml、ソーダ水適量とある。これでは比率はわからない。レシピは目安であり、あとは技術を持った人のさじ加減ということになる。では実際バーではどういう比率でつくっているか。

多くのバーが1対2

バーでよく使われているグラスは10オンス・タンブラーだ。1オンスを30mlと換算して、300mlグラスということになる。
このタンブラーを使った場合、大きめの氷を2~3個入れ、ウイスキー45mlに倍の90mlのソーダで満たすとほどよい量に落ち着く。タンブラー上部にわずかな香り溜まりができ、また口にするときに鼻に炭酸がプチプチと当たるような感覚を覚える空きがある。
ウイスキーとソーダの比率は1対2ということになる。
また12オンスという少し大きめのタンブラーを使用するバーがあるが、そこでは大きめの氷(関西では氷柱が多い)にウイスキー40ml、ソーダを80~90ml注ぐ。タンブラーに7分目の量となる。上部に香り溜まりをきっちりとつくっている。これも約1対2だ。

おそらくバーテンダーの多くは1対2でつくっている。ソーダの量が多めとしても1対2.3から2.5位までのはずだ。
そしてレモンといった副材料は客から言われない限りは使わない、というバーが多い。これはカクテルであっても、バーテンダーならではのウイスキー本来の香味を損なわないレシピであり、ハイボールというよりウイスキー&ソーダと呼んだほうがしっくりくるだろう。
ウイスキー入門者には強さを感じられるかもしれない。でもこの1対2が旨い。とはいっても、わたしはバーテンダーに比率をいろいろ変えてもらって愉しんでいる。それでも1対2.5か1対3という違いでしかない。

次頁では比率とともに、副材料についても述べる。
次頁へつづく)