【時候の挨拶】12カ月の季節の挨拶と結び文
時候の挨拶とは「拝啓」などに続く書き出しの言葉で、季節感をあらわす
<目次>
手紙や書類、メールやお礼状で使う挨拶文の書き方・構成のポイント
ビジネスや学校関係で出す文書やお礼状、またプライベートな手紙などを書く場合は、【前文】⇒【主文】⇒【末文】⇒【後付】で構成するのが基本です。基本をもとに、必要に応じて細かい要素を変えながら仕上げていきましょう。時候の挨拶には、ビジネス文書や学校関係で出す文書、お礼状・目上の方向けの「漢語調」と、プライベートの親しい友人・知人向けのカジュアルな「口語調」があります。いずれも、時候の挨拶のあとに相手の安否や健康を気遣うことばを続けます。
<構成>
【前文】……「拝啓」などの頭語 ⇒ 時候の挨拶 ⇒ 相手の安否や健康を気遣うことば ⇒ 自分の近況やお礼など
【主文】……いわゆる本文
【末文】……結びの挨拶。相手の健康や繁栄を祈ることば ⇒「敬具」などの結語
【後付】……日付 ⇒ 署名 ⇒ 宛名
【1月の時候の挨拶】1月上旬・中旬・下旬の季節を表わす言葉、挨拶例文
「福寿草の花がひと足早く春の訪れを告げる頃となりました」は、話し言葉でやわらかな口語調の時候の挨拶
お正月、七草粥、寒の入り、寒中、冬将軍、福寿草
■1月の季節の特徴
新しい年を迎え心新たに始動する月ですが、1年で最も寒い「寒中」の時期となります。新年にふさわしい話題や、未来につながる明るい話題、縁起の良い出来事などを盛り込んで、寒さをいたわることばで結ぶとよいでしょう。寒中見舞いを送っても喜ばれます。
■書き出しと結びの例文
- 年が改まったせいか、厳しい寒さの中にも清々しさが感じられますが、お変わりございませんでしょうか。
- 空気が乾燥しております。お風邪など召されませんよう気をつけてお過ごしください。
▷【時候の挨拶】1月上旬・中旬・下旬の季節の挨拶と結び文、ビジネスやカジュアルに対応
▷寒中見舞いの書き方、文例一覧・送る時期・喪中の場合の使い方も
【2月の時候の挨拶】2月上旬・中旬・下旬の季節を表わす言葉、挨拶例文
■2月の季節を表わすキーワード節分、立春、余寒、梅花、春告鳥、春一番
■2月の季節の特徴
立春を迎えると暦の上では春になります。春とは名ばかりの寒さが続きますが、梅の花が咲き、春告鳥(鶯)の声が聞こえ、ふきのとうが顔を出して食卓にも並びます。身の回りで見つけた小さな春にフォーカスすると、心温かな文章になるでしょう。
■書き出しと結びの例文
- 梅の蕾がふくらみ、春の訪れが待ち遠しい今日この頃でございますが、お元気でお過ごしでしょうか。
- 余寒厳しき折、くれぐれもお体にはご留意ください。
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【3月の時候の挨拶】3月上旬・中旬・下旬の季節を表わす言葉、挨拶例文
■3月の季節を表わすキーワード雛祭り、沈丁花、桜前線、お花見、卒業式、春休み
■3月の季節の特徴
雛祭りや桜前線で華やぐ3月は、卒業や異動などで別れの季節でもあります。春めいてくる様子とともに、相手の状況や心情に寄り添うことばを綴るようにしたいですね。
■書き出しと結びの例文
- 日を追うごとに春も深まり、心華やぐ季節となりました。皆様ご健勝のことと存じます。
- 花時は天候不順になりがちです。体調を崩しませんよう御身おいといください。
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【4月の時候の挨拶】4月上旬・中旬・下旬の季節を表わす言葉、挨拶例文
漢語調の「春爛漫の候」を口語調の「春爛漫の時期を迎えましたが」にしてもいい
春爛漫、桜、葉桜、チューリップ、入学祝い、新生活
■4月の季節の特徴
さまざまな花が咲き、山笑う4月。桜前線も北上し、春の陽気につつまれる頃です。新年度となり、入園・入学・入社など新生活が始まる人も多い時期。祝福や応援の気持ちを明るいトーンで綴りましょう。
■書き出しと結びの例文
- 春爛漫の候(春爛漫の時期を迎えましたが)、ご機嫌いかがでしょうか。
- 万物の息吹を感じる季節、ご家族のみなさまのご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
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【5月の時候の挨拶】5月上旬・中旬・下旬の季節を表わす言葉、挨拶例文
■5月の季節を表わすキーワード新緑、初夏、新茶、鯉のぼり、ゴールデンウィーク、母の日
■5月の季節の特徴
立夏を迎えて初夏となり、爽やかで過ごしやすい時期です。新緑が目に鮮やかで、青葉若葉を渡る風を薫風といいます。ゴールデンウィークには、レジャー、八十八夜、端午の節句など話題も多く、竹の子や初鰹、新茶など5月ならではの食べ物や、つつじや藤などの花も見ごろを迎えます。
■書き出しと結びの例文
- 風薫る季節となりましたが、お元気でいらっしゃいますか。
- 過ごしやすい時季とはいえ、ご無理をなさいませんように。
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【6月の時候の挨拶】6月上旬・中旬・下旬の季節を表わす言葉、挨拶例文
■6月の季節を表わすキーワード梅雨、紫陽花、父の日、夏至、蛍、若鮎
■6月の季節の特徴
梅雨入りすると憂鬱になりがちなので、雨に映える紫陽花や瑞々しい草木など美しい情景を綴ってご挨拶するのがおすすめ。夏至、蛍狩り、梅酒の仕込み、若鮎やさくらんぼのおいしさなど、6月ならではの物事に目を向けてみてもいいですね。
■書き出しと結びの例文
- 紫陽花が色鮮やかに咲く季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
- 梅雨のみぎり、健康には十分にご留意ください。
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【7月の時候の挨拶】7月上旬・中旬・下旬の季節を表わす言葉、挨拶例文
夏の盛りを表す「盛夏の候」。「○○の候」は「○○の折」「○○のみぎり」に置き換えて使うこともできる
七夕、梅雨明け、朝顔、向日葵、夏休み、土用の丑の日、夏祭り
■7月の季節の特徴
梅雨が明けると夏本番。青空が広がり、朝顔や向日葵がすくすく育ちます。夏祭りや花火、夏休みの旅行など、楽しげなことを書いてもよし。風鈴や打ち水、夕涼みなど涼し気なことを書いてもよし。暑中見舞いを送っても喜ばれるでしょう。
■書き出しと結びの例文
- 向日葵が日毎に背を伸ばすこの頃、お元気でいらっしゃいますか。
- 夏風邪などお召しになられませんよう、どうかご用心くださいませ。
▷【時候の挨拶】7月上旬・中旬・下旬の季節の挨拶と結び文、ビジネスやカジュアルに対応
▷暑中見舞い文例:ビジネス・友人向けから、コロナの配慮など5パターン解説
【8月の時候の挨拶】8月上旬・中旬・下旬の季節を表わす言葉、挨拶例文
■8月の季節を表わすキーワード蝉しぐれ、入道雲、立秋、残暑、お盆、夏休みの宿題、赤とんぼ
■8月の季節の特徴
立秋を迎えると暦の上では秋ですが、厳しい残暑が続くので、元気が出る話題や体調を気遣うことばを届けましょう。お盆休みで帰省をする人も多く、花火やスイカ割り、虫とりを楽しむことも。入道雲や夕立、幼い頃の思い出をなども共感できる話題です。
■書き出しと結びの例文
- 青空に入道雲の湧きあがる季節となりました。ご機嫌いかがでしょうか。
- 残暑厳しき折柄、体調を崩しませんよう気をつけてくださいませ。
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▷残暑見舞いの書き方マナー・例文、いつまでに送る?時期も解説
【9月の時候の挨拶】9月上旬・中旬・下旬の季節を表わす言葉、挨拶例文
■9月の季節を表わすキーワード十五夜、秋の七草、秋桜、虫の声、秋刀魚、野分(台風)
■9月の季節の特徴
朝晩涼しくなり、秋の訪れを感じるようになります。虫の声や中秋の名月、重陽の節句、秋の七草などさまざまな秋の風情を綴れるのが9月の特徴です。過ぎた季節を引きずるよりも、季節を先取りするほうが粋でしょう。
■書き出しと結びの例文
- 秋風の候(秋風が吹く頃となりましたが)、いかがお過ごしでしょうか。
- お庭も秋めいてくることと存じます。虫の音をききながら、お健やかにお過ごしください。
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【10月の時候の挨拶】10月上旬・中旬・下旬の季節を表わす言葉、挨拶例文
秋の情景は季節の挨拶に取り入れやすい
衣がえ、紅葉狩り、金木犀、銀杏、松茸、稲刈り、〇〇の秋
■10月の季節の特徴
木々の葉が色づき紅葉前線が南下します。空には鱗雲やいわし雲が流れ、秋晴れに。行楽の秋、スポーツの秋、芸術の秋、実りの秋、収穫の秋、食欲の秋、読書の秋なので、相手に合わせた挨拶ができるのが10月の特徴です。
■書き出しと結びの例文
- 秋晴れに鰯雲が流れる頃となりました。皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
- まもなくこちらも紅葉の見頃を迎えます。ご家族でぜひお立ち寄りください。
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【11月の時候の挨拶】11月上旬・中旬・下旬の季節を表わす言葉、挨拶例文
■11月の季節を表わすキーワード立冬、木枯らし、小春日和、七五三、酉の市、山茶花
■11月の季節の特徴
立冬を迎え、日に日に寒さが増してきます。穏やかな小春日和が続いたかと思えば、木枯らしが身に染みる日もあり、舞い散る落ち葉に冬の到来を感じます。季節の変わり目の身近な様子を取り入れると、季節感が表わせます。
■書き出しと結びの例文
- 落ち葉舞い散り冬の到来を身近に感じる頃となりましたが、ご機嫌いかがでしょうか。
- 日一日と寒さが募ってまいります。季節の変わり目、くれぐれもご自愛くださいませ。
▷【時候の挨拶】11月上旬・中旬・下旬の季節の挨拶と結び文、ビジネスやカジュアルに対応
【12月の時候の挨拶】12月上旬・中旬・下旬の季節を表わす言葉、挨拶例文
■12月の季節を表わすキーワードポインセチア、クリスマス、冬至、柚子湯、大掃除、正月準備
■12月の季節の特徴
師走の名の通り、走り回るような忙しい時期となります。クリスマスに彩られた街が、翌日にはお正月向けに様変わり。雪も降り冷え込みも厳しくなる中、多忙な12月は、健康を気遣うことばを。年末の挨拶につなげてもよいでしょう。
■書き出しと結びの例文
- ポインセチアの花が街を彩る頃となりました。すっかりご無沙汰しておりますが、お元気でご活躍のことと存じます。
- 年の瀬を迎え気ぜわしい毎日かと存じますが、どうぞお健やかにお過ごしください。
- 来る年がよい年でありますよう祈念申し上げます。
▷【時候の挨拶】12月上旬・中旬・下旬の季節の挨拶と結び文、ビジネスやカジュアルに対応
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