季節の挨拶に何を書く? 5月上旬・中旬・下旬の時候の挨拶と結び文

時候の挨拶とは「拝啓」などに続く書き出しの言葉で、季節感をあらわす

時候の挨拶とは「拝啓」などに続く書き出しの言葉で、季節感をあらわす

5月の季節の挨拶「時候の挨拶」に何を書けばいいのでしょう? 時候の挨拶とは「拝啓」などの頭語に続く書き出しの言葉で、季節感を表します。

時候の挨拶には、ビジネス文書や学校関係で出す文書、お礼状・目上の方向けの「漢語調」と、プライベートの親しい友人・知人向けのカジュアルな「口語調」があります。いつ使うのかがわかるよう、5月の上旬・中旬・下旬に分け、例文や結びの文、コロナや健康に関する挨拶文、5月に使える季節の話題もご紹介します。
 
<INDEX>  ・5月全般で使える
 ・4月下旬~5月初め
 ・5月上旬~5月中旬
 ・5月下旬  

手紙・書類・メール・お礼状で使う、挨拶文の書き方や構成

ビジネスや学校関係で出す文書・お礼状、プライベートな手紙などを書く場合、【前文】⇒【主文】⇒【末文】⇒【後付】で構成するのが基本です。基本をもとに、必要に応じて細かい要素を変えながら仕上げていきましょう。
 
<構成>
【前文】……「拝啓」などの頭語 ⇒ 時候の挨拶 ⇒ 相手の安否や健康を気遣うことば ⇒ 自分の近況やお礼など
【主文】……いわゆる本文
【末文】……結びの挨拶。相手の健康や繁栄を祈ることば ⇒「敬具」などの結語
【後付】……日付 ⇒ 署名 ⇒ 宛名

 

「漢語調」「口語調」……時候の挨拶文は相手・場面に応じて選びたい

時候の挨拶には、短く簡潔に表した「漢語調」と話し言葉でやわらかな言いまわしの「口語調」がある

時候の挨拶には、短く簡潔に表した「漢語調」と話し言葉でやわらかな言いまわしの「口語調」がある

時候の挨拶は、その時々の季節感を表した言葉。「新緑の候­」のように短く簡潔に表した「漢語調」と、「新緑の季節となりました」のように話し言葉でやわらかな言いまわしの「口語調」があります。
 
漢語調と口語調は、相手や場面に応じて使い分けます。一般的に、ビジネス文書や学校関係の文書などでは、かしこまった漢語調の表現が使われることが多く、文書の格を高めてくれます。一方、パーソナルな文書では、より身近な口語調を使う方が多いです。また、ビジネスであっても、口語調を用いてやわらかにする場合もあります。
 
いずれにしても、ネガティブではなくポジティブなものがおすすめです。 
 

5月の季節の挨拶/漢語調の時候の挨拶「ビジネス」編

新緑の季節を表す「新緑の候」。「○○の候」は「○○の折」「○○のみぎり」に置き換えて使うこともできる

新緑の季節を表す「新緑の候」。「○○の候」は「○○の折」「○○のみぎり」に置き換えて使うこともできる

ビジネスシーンでは、かしこまった漢語調の時候の挨拶を使うのが一般的。目上の方への手紙やメールでも使える漢語調の時候の挨拶について、意味とともに例文を交えてご紹介します。時候の挨拶は季節感が大切なため、目安となる時期ごとに紹介しますが、その年によって多少ずれることがあるため、実際の季節感を優先しながら選んでみてください。
 
また、「○○の候」は「○○の折」「○○のみぎり」に置き換えて使うこともできます。
  
■5月全般で使える「新緑の候」「若葉の候」「青葉の候」「薫風の候」「緑風の候」
  • 新緑(しんりょく)の候=新緑の季節となりましたが
  • 若葉(わかば)の候­=若葉の季節となりましたが
  • 青葉(あおば)の候=青葉の季節となりましたが
  • 薫風(くんぷう)の候=風薫る季節となりましたが
  • 緑風(りょくふう)の候=青葉を吹き渡る快い風が吹く頃となりましたが
<例文>
「新緑のみぎり、貴社におかれましてはますますご繁栄のこととお慶び申しげます。」 
 
■4月下旬~5月初めの「晩春の候」「残春の候」「惜春の候」「葉桜の候」「麗春の候」
四季はそれぞれ「初」「仲」「晩」に分かれています。暦のうえでは立夏の前日(5月4日頃)までが春なので、5月初めは「晩春」(二十四節気の清明と穀雨の期間)にあたり、春の終盤という扱いになります。
  • 晩春(ばんしゅん)の候=春も終わりの時期となりましたが
  • 残春(ざんしゅん)の候=春も残り少なくなりましたが
  • 惜春(せきしゅん)の候=過ぎ行く春が惜しまれる頃となりましたが
  • 葉桜(はざくら)の候=桜の花が散り葉桜の時期となりましたが
  • 麗春(れいしゅん)の候=麗春花(ひなげしの花)が咲く時期となりましたが
<例文>
「惜春の候、ますますご清栄のこととお慶び申しげます。」


■5月上旬~中旬の「立夏の候」「初夏の候」「薄暑の候」「軽暑の候」「新茶の候」
  • 立夏(りっか)の候=暦の上では夏となり、夏の兆しがみえる頃となりましたが
  • 初夏(しょか)の候=初夏の頃となりましたが
    ※「初夏」は二十四節気の立夏と小満の期間をいいます
  • 薄暑(はくしょ)の候=少し暑さを感じる頃となりましたが
  • 軽暑(けいしょ)の候=少し暑さを感じる頃となりましたが
  • 新茶(しんちゃ)の候=新茶の季節となりましたが
<例文>
「立夏の折、○○様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。」

■5月下旬の「小満の候」「向暑の候」
  • 小満(しょうまん)の候=万物が生長し天地に満ち始める頃となりましたが
    ※「小満」は二十四節気のひとつで5月21日頃~6月4日頃
  • 向暑(こうしょ)の候=だんだん暑さが増す頃となりましたが
<例文>
「小満の候、貴店ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。」
 

5月の季節の挨拶/口語調の結びの挨拶「ビジネス」編

結びの挨拶は、相手や趣旨によって変わります。ビジネスなどのフォーマルな文書でよく使われる、今後ともよろしくとお願いする結びの挨拶、相手の繁栄や健康を祈る結びの挨拶、5月ならではの結びの挨拶、コロナ関連の結びの挨拶を例文で紹介します。
             
■今後ともよろしくとお願いする結びの挨拶
  • 「今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。」
  • 「引き続きご高配を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。」
  • 「今後におきましても相変わらぬご厚誼(こうぎ)を賜りますよう お願い申し上げます。」
  • 「これからも変わらぬご支援ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。」

■相手の繁栄や健康を祈る結びの挨拶
  • 「貴社のますますのご発展を心より祈念しております。」
  • 「末筆ながら、一層のご隆盛を衷心よりお祈り申し上げます。」
  • 「皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。」
  • 「皆々様のご多祥を心よりお祈り申し上げます。」

■5月ならではの結びの挨拶  
  • 「季節の変わり目ですので、ご自愛専一にてお願い申し上げます。」
  • 「暖かくなったとはいえ肌寒い日もございますので、健康には十分にご留意なされ、さらにご活躍されますことを祈念申し上げます。」
  • 「五月は万物が生長する時季でございます。貴社ますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。」

■コロナ関連の結びの挨拶
  • 「コロナ禍で落ち着かない日々が続いております。くれぐれもご自愛くださいますようお願い申し上げます。」
  • 「コロナ禍中、季節の変わり目でもございますので、くれぐれもお体にご留意なされ、さらにご活躍されますことを祈念申し上げます。」
 

5月の季節の挨拶/口語調の時候の挨拶「プライベート」編    

「風薫る季節となりましたが」は、話し言葉でやわらかな口語調の時候の挨拶

「風薫る季節となりましたが」は、話し言葉でやわらかな口語調の時候の挨拶

プライベートの場合、書き出しの時候の挨拶は、口語調のカジュアルな表現が好まれます。
 
■上記「ビジネス」編で紹介した漢語調の「○○の候」の意味を表す文は、口語調の時候の挨拶として使えます。 
  • 過ぎ行く春が惜しまれる頃となりましたが
  • 初夏の頃となりましたが
  • 暦の上では夏となり、夏の兆しがみえる頃となりましたが
  • 新緑の季節となりましたが
  • 若葉の季節となりましたが
  • 風薫る季節となりましたが
  • 新茶の季節となりましたが

■その他にも、この時期の情景を綴って挨拶することができます。
5月に出回るカーネーションを取り入れてもいい

5月に出回るカーネーションを取り入れてもいい

5月向きの時候の挨拶に、相手の安否や健康を気遣う言葉を加えた例文を幾つか紹介します。
  • 「八十八夜の別れ霜と申します。これからますます気候もよくなってまいりますね。その後お変わりございませんか。」
  • 「大空を泳ぐ鯉のぼりに、心も晴れ晴れとしてまいります。皆様、お健やかにお過ごしでしょうか。
  • 「端午の節句を迎え、お孫様のお健やかなご成長にお祝い申し上げます。
  • 「昨日は菖蒲湯に入り、ささやかな季節の趣を味わいました。皆さまお健やかにお過ごしでしょうか。」
  • 「風薫るさわやかな季節となりましたが、お元気でいらっしゃいますか。」
  • 「新緑が目に鮮やかな季節となりましたが、ご機嫌いかがでしょうか。」
  • 「すがすがしい若葉の季節となりました。皆さまお障りなくお過ごしのことと存じます。」
  • 「青葉若葉を渡る風に夏の気配を感じる頃となりました。ご壮健にてお過ごしのことと存じます。」
  • 「風清らかな初夏を迎えましたが、お変わりございませんでしょうか。」
  • 「軽暑のひととき、皆さまお健やかにお過ごしのことと存じます。」
  • 「初夏の日差しに青葉輝く季節となりましたが、お元気でいらっしゃいますか。」
  • 「今年も牡丹の花が咲き、麗しい季節を迎えました。皆さまお変わりございませんでしょうか。」
  • 「母の日が近づき、色鮮やかなカーネーションが花屋の店先に並んでおります。皆様、お健やかにお過ごしでしょうか。」
  • 「走り梅雨に濡れ、木々の緑がいっそう色鮮やかになりました。お元気でご活躍のことと存じます。」
  • 「木々の緑が日に日に濃さを増しておりますが、お変わりございませんでしょうか。」
  

5月の季節の挨拶/口語調の結びの挨拶「プライベート」編

新生活には慣れたかな……相手を思い浮かべながらことばを綴りたい

新生活には慣れたかな……相手を思い浮かべながらことばを綴りたい

プライベートで用いる結びの挨拶も、カジュアルな表現が好まれます。相手に合わせて挨拶の内容を考えてみると良いでしょう。相手の趣味や嗜好に合わせた結びの挨拶、相手の体調を気遣う結びの挨拶、コロナ関連の結びの挨拶の例文を紹介します。参考にしてみてください。
 
■相手の趣味・嗜好・状況に合わせたの結びの挨拶     
  • 「新しい環境に慣れた頃かと存じます。お身体に気をつけて、ますますご活躍ください。」
  • 「爽やかな好季節、ますますのご活躍を期待しております。」
  • 「すがすがしい若葉の季節、大いに英気を養いたいものですね。」
 
■相手の体調を気遣う結びの挨拶     
  • 「過ごしやすい時季とはいえ、ご無理をなさいませんように。」
  • 「季節の変わり目、くれぐれもご自愛くださいませ。」
  • 「風薫る五月、お健やかな日々をお過ごしください。」
  • 「梅雨も間近となりましたので、くれぐれもお身体にはご留意ください。」
  • 「時節柄、体調を崩しませんよう御身おいといください。」
 
■コロナ関連の結びの挨拶
  • 「時節柄、思うようにお目にかかることができませんが、皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。」
  • 「コロナ禍中で落ち着かない日々が続いております。くれぐれもご自愛くださいませ。」
  • 「コロナ禍もございますので、くれぐれもお身体にはご留意ください。」
  • 「コロナ禍中、お仕事にも影響があるかと存じます。くれぐれもお身体に気をつけてご活躍ください。」
  • 「時節柄、なかなか思うように会えませんが、オンラインでのおしゃべりも大歓迎です。お互い元気で頑張りましょう。」
  • 「テレワークで運動不足にならないよう、お互いに気をつけましょう。」
  • 「コロナが落ち着きましたら、ぜひ遊びにいらしてください。」
 

5月に使える季節の話題

 5月ならではの季節の話題を紹介します。キーワードとして入れてみると、季節感が出ると思います。
 
■花や動植物・食べ物
菖蒲、花菖蒲、杜若、芍薬、牡丹、皐月、藤、躑躅、カーネーション、スイートピー、バラ、スズラン、マーガレット、ツバメ、新茶、柏餅、ちまき、初鰹、きす、金目鯛、いさき、たけのこ、空豆、グリーンピース、新じゃが、わらび、うど、イチゴ

■風物詩や行事・イベント
ゴールデンウィーク、茶摘み、端午の節句、こどもの日、鯉のぼり、五月人形、菖蒲湯、母の日

■節気・時期
八十八夜、立夏、初夏、小満、走り梅雨
 

 オリジナルの挨拶を入れることも考えてみましょう

そろそろお庭の藤は咲いたかな……相手の顔を思い浮かべてみると文章が浮かびます

そろそろお庭の藤は咲いたかな……相手の顔を思い浮かべてみると文章が浮かびます

相手の顔を思い浮かべながら考えていると、よりパーソナルで身近な文が綴れます。下手でもいいので、素直に、自分の言葉で考えてみると、心に届く手紙になるでしょう。
  • 「お孫さんの初節句はいかがでしたか? 賑やかな様子が目に浮かび、こちらも笑顔になります。」
  • 「ゴールデンウィークが終わりましたが、活動的なあなたのこと、お疲れは出ていませんか?」
  • 「走り梅雨の静かな午後、いかがお過ごしですか。」
  • 「この時期になると、一緒に竹の子掘りをしたことを思い出します。」
  • 「お庭の藤が見事に咲いている頃でしょうか。」
手紙の書き方 ~心に届く時候・時節の挨拶


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