新しい家を建てる、と決めた時から、
こだわっていたのが浴室。
「妻はキッチンに、夫は浴室にこだわる」とよく聞くが、
ウチの場合も例外ではなかったな。
ろくな料理もしないワタシのキッチンへのこだわりなど、
たいしたことはなかったが、オットの浴室への希望は明確だった。
・足が伸ばせる浴槽にしたいこと
(身長180センチのオットは、長い間、マンションの小さな浴槽で我慢していた)
・開放的で外の眺めを楽しめること
(そのために、眺めのいい土地を頑張って探したようなものだった)
・光あふれる明るい空間にしたいこと
(朝風呂、ときどき昼風呂派なので、太陽光は大事)
建築家のKさんが提案してくれたのは、
大きめの浴槽から、空を眺めることができる明るい浴室。
天井までの掃き出し窓から直接デッキに出ることができる、
アウトドアを取りこんだ開放的な空間だった。
掃き出し窓のメリット
浴室とウッドデッキは直接出入りができる。隣接する洗面室も同じ掃き出し窓にしてデッキに繋げた。浴室出入口も引き戸なので、3枚の建具を開け放すと開放的な空間に
実際に掃き出し窓を取り入れてみて、よかったな、と思うのは、なんといっても開放的なことだ。夏場は窓を開け放って外の風を取りこむことで、露天風呂感覚を楽しめるし、小さいながらウッドデッキを繋げたので、湯あがりにくつろぐことも。もちろん、換気がしやすいのも魅力。入浴後は、窓を全開しておけば、浴室内の渇きも早いし、浴室掃除をする時も窓を開けながらのお手入れは、気持ちのいいものだ。庭仕事で手や足が汚れても、デッキから浴室に直行し、シャワーですぐに洗うこともできる。
泥だらけで帰ってくる元気印の子供がいれば、きっと使い勝手もいいんじゃないかな。犬を飼っているのであれば、散歩帰りの足を洗うにも便利に違いないと思うのだ。
窓のプランは、周辺環境や防犯性に配慮して
個人的には、開放的な窓のある浴室プランはおすすめしたいところだが、周辺環境や間取りによっては、掃き出し窓や大きめの窓を取ることが難しいケースもあるだろう。いくら開放的なプランにしても、プライバシーの確保がなされなければ、ゆったりとくつろぐことはできない。また、住まいの裏手側に設けられることが多い浴室は、防犯への配慮も欠かせないところでもある。浴室に限ったことではないが、窓のプランは周辺環境を配慮し、適した設備や建材を用いることが大切だ。わが家の場合、ウッドデッキに目隠しの板塀を設けることで、プライバシーを確保。デッキ上には人感センサー付きの照明を設け、掃き出し窓には防犯ガラスを選んだ。もちろん、換気のため窓を開ける際など、日々の暮らしの中でも、それなりの注意をはらっている。
窓が大きいと、寒いかも
ワタシたちの暮らしには、掃き出し窓のある浴室は大正解なのだが、少しシンドイのが冬場の寒さ。もちろん複層ガラスだけれど、やっぱり冬は冷えるのだ。予想はしていたが、開放感を優先させたのだから、しかたがない。浴室用のブラインドなど設置すれば、少しは違うかなぁ~など、考えないこともないけれど、外の眺めを楽しみながら入浴するのが目的だったし……。もう少し歳をとったら、開放感よりも寒さ対策に重きをおくようになるかもしれないけれど、その頃は何かしらのリフォームが必要になる時期だろうから、一緒に考えればいいか、ということで今日も大きな窓は全開で。ゆったりのんびり、ビールも美味い!
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