防虫・消臭にもアロマは大活躍!香り付け以外のアロマのメリット
春に向かう時期になると、暖かい日が続いたかと思えば寒さが急に戻る日々の繰り返しdこんな季節は毎日着る服に戸惑ってしまいます。
春は色々な意味で変化の季節。衣類も春仕様に衣替えする季節です。新生活がスタートし、慣れたころにはもう6月1日の夏の衣替え。4月、5月は衣服の入れ替えが欠かせない季節です。
そんな衣替えに実はアロマオイル(=精油)がとても役立つことはあまり知られていません。衣類に香りをつけて楽しむだけでなく、アロマオイルには防虫・消臭効果が期待できるものがあります。
今回は、その中でも生活に取り入れやすいアロマオイルを使い、衣替えが楽しくなるアロマの活用法をお伝えします。
<目次>
アロマオイル(=精油)には防虫効果がある
虫除けスプレーにアロマオイルが大活躍するのはとてもよく知られています。アロマオイルは植物が生み出すエッセンス。動くことが出来ない植物は、自分の生命活動を健やかに営むために「香り」を持つエッセンスを分泌細胞で作りだしたものを抽出したものがアロマオイル(=精油)です。植物は自分で動くことが出来ない代わりに、アロマオイルの素となる香りのエッセンスを放ち、助けてくれる虫を寄せ付けます。虫に花粉を運んでもらい、種を絶やさない手助けをしてもらったり、害虫を駆除してもらいます。
植物が放つその香りは、天敵が嫌い、味方が好む「植物の生命を守る香り」と言っても過言ではないでしょう。
そんな天然由来のエッセンスを様々な方法で抽出したものがアロマオイルなので、アロマオイルとは全てにおいて何かしら「虫除け効果」があるものであると認識していただいて良いとガイドは考えています。
そんな植物の力を利用して、昔から虫よけ効果のある木材から家具が作られたり、防虫効果のある葉っぱと一緒に布地を運搬していた記録があります。
アロマオイルには消臭効果(=デオドラント効果)もある
では次にアロマオイルに消臭効果(=デオドラント効果)がある理由についてお伝えします。消臭効果については、様々な消臭グッズがたくさん販売されており、CMでもなじみがあるので「悪臭の元を絶つ!」という言葉も耳にしたことが皆さんあると思います。
「悪臭の元を絶つ!」という言葉は、単にアロマの香りで悪臭を押さえるという意味ではありません。
アロマオイルには「悪臭の元となる芳香分子」を包み込んで抑えてしまう消臭効果がある芳香分子を持つものがあります。そのことを「消臭効果(=デオドラント効果)」と表現しています。
よって、これらの効果があるアロマオイルは、その香を強く放つことで悪臭を消すのではなく、悪臭の元となる分子を包み抑えることで根本を絶ってくれる効果が期待できるということです。
これらの効果を持つアロマオイルは、あらゆる場面で活躍します。ディフューザーで香りを楽しむときも消臭効果のあるアロマオイルを何かしらブレンドすると、香らせたい好きな香りも引き立ちます。
よって悪臭が染みつきやすい繊維質の衣類ケアには、消臭効果のあるアロマオイルの活用が役立つというわけです。
防虫・消臭に役立つ重曹アロマサシェの作り方
ではそんな植物の効果を利用して、今回はアロマオイルを使った衣類ケアの活用法を2つお伝えします。最初に、重曹を使った防虫・消臭効果が期待できるアロマサシェの作り方をお伝えします。
重曹は湿気を吸い取る働きもしてくれるので、防虫・消臭だけでなく吸湿剤としても活躍してくれますよ。
<たんすやクローゼットに役立つ防虫・消臭重曹サシェの作り方>
■材料
・重曹 60g
・好みのアロマオイル(=精油) 10滴~30滴の範囲(お好みで)
・好みの布&リボン(ティーパックなどでもよい)
・ビニール袋
■作り方 (1)ビニール袋に重曹を入れてアロマオイルを垂らし、アロマオイルと重曹をなじませます。空気を入れてビニール袋を膨らませてシャカシャカと振ると、まんべんなくアロマオイルと重曹になじみます。
(2)市販のだしパックやティーパックにあらかじめ重曹を詰めてから、好みの布で包むと簡単!
■注意点・コツ
自分で使う、たんすやクローゼットに応じて形や布をアレンジして楽しんでください。
アロマオイルの滴数も、衣類の数やタンスやクローゼットの大きさで調整されることをおすすめします。
ガイドは、このサイズのサシェを複数作って、たんすやクローゼットのあちこちに置いて楽しむ方法で活用しています。
クローゼットの場合は、ハンガーと一緒に吊るすと使いやすいので、布を結ぶリボンを長くしたり、ハンガーにリボンを直接結んでアレンジすれば吊るすサシェとして活用できます。
防虫・消臭に役立つ重曹サシェのアロマレシピについて
アロマレシピについては、上記レシピの重曹量に対して総滴数10滴で表記しています。実際にはお好みで30滴くらいまでアロマオイルの滴数をアレンジしても大丈夫なので、目的に応じてアレンジを楽しんでください。これらのレシピにおいて、特に防虫に役立つアロマオイルがレモングラスとパチュリ、サンダルウッドです。サンダルウッドは森林伐採の関係で、手に入りづらくなっているので、今回レシピからは省略しましたが、レモングラスとパチュリを好みでサンダルウッドにアレンジすればOKです。
こちらでは「防虫・消臭」をテーマにしていますのでこれらの効果が特に期待できるアロマオイルを軸としてレシピを紹介しています。ですが、衣類には好きな香りで楽しみたい方は多いので、これらのレシピにローズやネロリ、ゼラニウムなどのフローラル系のアロマオイルを加えて4種類でブレンドしてもOKなレシピで考えてみました。その場合は、総滴数も1種類分(5滴程度)増やして楽しんでくださいね。
<レシピ1>
・ラベンダー 3滴
・レモングラス 5滴
・ラヴィンサラ 2滴
(ローズマリー、ユーカリ、ティートリーで代用してもOK)
<レシピ2>
・ローズウッド 5滴
・パチュリ 3滴
・ラヴィンサラ 2滴
(ローズマリー、ユーカリ、ティートリーで代用してもOK)
■パチュリ
学名 Pogostemon patchouli
科名 シソ科
精油を抽出する部分 葉
精油の抽出方法 水蒸気蒸留法
原産国 主にインド、マレーシア
禁忌事項:少量では鎮静効果があり、多量使用すると刺激に変化する効果があり、香りが長続きすることからこれをしつこく感じてしまう人がいることを認識して使用する必要があります。
土のような落ち着いた香りは気持ちを落ち着かせる効果が期待できます。昔からパチュリはインド産のカシミアの防虫剤として乾燥させた葉っぱが用いられていました。香りも好まれ長続きすることから、パチュリのサシェは昔から衣類の香りづけ、防虫剤として愛用されています。また、昔から虫刺されや蛇に咬まれた時の解毒剤としても使われており、利尿効果が高いと言われています。
■サンダルウッド
学名 Santalum alubum
科名 ビャクダン科
精油を抽出する部分 木部
精油の抽出方法 水蒸気蒸留法
原産国 インド(マイソール)
禁忌事項:香りが続き、抑うつ効果が高いことから、気分がめいった状態で使用するとより気持ちがダウンしてしまうことがあるので気をつけましょう。
インドの古い寺院では、サンダルウッド材で仏像や家具を作っていました。防虫に効果があったことから使われていたそうです。古代エジプトでは、遺体の防腐剤としても使われていた記録があり、香りも好まれていたことから薫香としてもとても重宝されました。非常にリラックス効果が高く、気分を落ち着かせてくれる効果が期待できます。
【参考文献】
『増改補訂 アロマテラピー事典』 著:パトリシア・デーヴィス 訳:高林林太郎 フレグランスジャーナル社刊 2004年、『アロマテラピーのための84の精油』 著:ワンダーセラー 訳:高林林太郎 フレグランスジャーナル社刊 2004年、『スピリットとアロマテラピー』 著:ガブリエル・モージェイ 訳:前田久仁子 フレグランスジャーナル社刊 2000年第1版第1刷発行、2008年第9刷発行
防虫&消臭対策には手作りアロマ柔軟剤を
次は、ガイドが衣替えの時に活用している手作りアロマ柔軟剤について紹介します。作り方などは「柔軟剤を手作り!アロマの香りでスメハラ対策にも効果的」に詳細記載していますので参照ください。衣類に防虫・消臭効果がある香りを活用する場合、アロマスプレーでシュッとひと吹きすることも考えましたが、「無水エタノール」そのものが衣類にシミを作ってしまう場合があります。
距離をとってまんべんなく噴霧すれば大丈夫ですが、気軽にシュッとひと吹きするには使いづらいと思った時に「手作りアロマ柔軟剤は、お洗濯の段階で防虫・消臭効果を活用できて一石二鳥かも! 」という発想となりました。
洗濯物を干す段階で、アロマオイルが揮発することは否めませんが、お洗濯で柔軟剤として使用すると直接精油が繊維に沁み込む効果を感じています。ガイドは重曹のサシェと併せてダブル活用することで、より衣類のアロマケアの効果を楽しんでいます。
手作りアロマ柔軟剤の記事に「衣類の手洗い」についてもお伝えしています。衣替えの時期は手洗いの衣類のケアも大切。ウール物などの手洗い洗濯についてもこちらを参照ください。手作りの柔軟剤なので、大切な衣類に使用するかどうかは自己判断で楽しんで頂くことをおすすめします。
手作りアロマ柔軟剤レシピ!防虫消臭対策しながら好みの香りに配合
手作りアロマ柔軟剤の記事で紹介しているアロマオイル(=精油)を参考にしてください。柔軟剤にアロマオイルを使用する場合、特に消臭や防虫に役立つアロマオイルは、ラベンダー、ローズウッド、ペパーミントです。衣類にシミを付けないためにも「無色のアロマオイルのみ」でブレンドすることが好ましいです。よって、アロマ重曹サシェと併用すると楽しく香りをアレンジできるのでおすすめです。「色」がある、柑橘系、樹脂系、フローラル系のアロマオイルの洗濯での使用は避けたほうが良いでしょう。
手作りアロマ柔軟剤の記事で紹介しているアロマオイルは下記です。
ラベンダー
ローズウッド
ペパーミント
ローズマリー
ユーカリグロブルス
(ラヴィンサラもOK)
手作りアロマ柔軟剤で紹介している精油のレシピでは、1回の洗濯で精油を5滴使うことをおすすめしています。洗濯で使う場合は、都度アロマオイルをブレンドした方が香りがフレッシュです。参考までにレシピを列記します。お好みでアレンジしてくださいね。防虫・消臭に役立つラベンダー、ローズウッド、ペパーミントを基準にアレンジしています。
<レシピ1>
・ラベンダー 3滴
・ローズマリー 2滴
<レシピ2>
・ローズウッド 3滴
・ユーカリ 2滴
<レシピ3>
・ペパーミント 3滴
・ラヴィンサラ 2滴
アロマを使う時の注意点
手作りアロマクラフトは、料理と同じく自己責任で楽しむものです。安全にアロマクラフト作りを楽しんでいただくために、「アロマコスメの作り方・注意事項」の記事を最初に読んでいただくことをおすすめします。手作りアロマクラフトの材料はナチュラルな素材であり、基本的に肌に優しいクラフトに仕上がりますが、全ての方の肌に合うとは限りません。アレルギーのある方、敏感肌の方、トラブルが心配な方は、必ずパッチテストをしてから使用していただくことをお願いします。
精油の効果効能に関しては、アロマテラピーを学ぶ上で必要な学術上の知識を参考に紹介しています。それぞれの効果効能は治療を目的としたものではありません。精油の知識に関してご不明な点は、必ず身近で確認できるアロマセラピストや、ショップの店員、専門家に確認し安全にアロマクラフト作りを楽しんでください。
※パッチテストとは、腕の内側などにテストしたい材料を少し塗布して、赤くかぶれるなどの反応が出るかを確かめるテストです。精油1滴を、ティースプーン1杯くらいのお水で薄めて皮膚に塗布します。他の材料は、そのまま直接塗布してください。
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