アロマテラピー/アロマテラピー活用術・楽しみ方

マスクスプレーの作り方!アロマの香りで抗菌効果・リフレッシュも

マスクスプレーの作り方を解説します。マスクをたくさん使うときには、手作りマスクスプレーが大活躍! マスクスプレーをマスクにひと吹きすると、アロマのさわやかな香りや抗菌効果が期待できます。不快感をマスクスプレーでリフレッシュ!

橋本 裕子

執筆者:橋本 裕子

アロマテラピーガイド

マスク使用が増える季節に活躍するアロママスクスプレー

病気予防や花粉症対策の為、マスクをする機会が多い

マスクを長時間つけるのが苦手なガイド。例えば移動の電車の中は閉め切った空間にたくさんの乗客がいるので、マスクでの予防がとても大切ですが、あの閉め切った空気では息苦しくなるため、せっかくのマスクも不快に感じてマスクを外してしまいます。

成人女性でメイクをして出かける方は、マスクでメイクが崩れることも気になりますよね。マスクが大切だとはわかっていてもどこか抵抗がある……、そんな方に是非お勧めなのが「アロマ=精油」の香りでマスクを快適にする方法です。

使い方はとても簡単! 精油をマスクに垂らして使うだけでOKです。ただし、マスクに精油を直接垂らすとマスクにシミが出来て見た目に気になる方も多いので、今回はマスクにシュッとできる「アロマスプレー」の作り方を紹介します。

また、「ギフトに嬉しい! オリジナル練り香の作り方」の記事で紹介した「練り香」を、花粉症や抗菌、抗ウィルス目的の精油レシピでアレンジすることでマスクを快適にしてくれるアロマアイテムに変身! 精油レシピや活用方法を併せて紹介します。

アロマスプレーを活用すれば、マスクもシミになりにくく、持ち運びにも便利! 1日1枚のマスクを着けたり外したりする際の除菌にも役立ちますし、香りの効果で気分もさわやかになります。精油の成分を吸入することが同時にできるので、精油の薬理効果を取り入れて予防をすることにもつながります。是非活用してみてください! では早速作り方の説明です。
   

アロママスクスプレーの作り方

アロマスプレーでマスクにシュッとアロマをひと吹き!

アロマスプレーでマスクにシュッとアロマをひと吹き!

では最初にアロマスプレーの作り方を紹介します! アロマスプレーは液垂れしないように60%濃度のアルコール水で作成するのがガイド流です。こちらは通常のアロマスプレーとして、香りを楽しんだり抗菌、抗ウィルス目的で空気中に噴霧して使うこともできますよ。

■ 材料と道具
(材料) アロマスプレー 50ml分
・無水エタノール 30ml
・精製水      20ml
・好きな精油   30滴(3%濃度)
※4種類くらいがブレンドしやすいです 
(道具)                            
・ スプレー容器 50ml 
※持ち運びにはペットボトル素材のものが便利
・ ラベルシール(精油のレシピ、作成日を記載しておく方がベター)
・ ビーカー 1個(50ml以上のサイズの方が便利)
・ ガラス棒

■作り方
先ずは! 無水エタノールに精油を滴数垂らして精油を希釈するのがアロマスプレーをきれいに作るガイド流のコツです

先ずは! 無水エタノールに精油を滴数垂らして精油を希釈するのがアロマスプレーをきれいに作るガイド流のコツです

(1)無水エタノール30mlをビーカーに入れて、目的の精油を30滴入れ、ガラス棒で優しくかき混ぜる。





(2)そこに精製水を20ml加えて、もう一度ガラス棒で優しくかき混ぜればOK!

 
中味が混ざるように優しくスプレー瓶を揺らして出来上がり!

中味が混ざるように優しくスプレー瓶を揺らして出来上がり!

(3)スプレー容器に移し替えれば出来上がり!

 
■作り方のコツ
スプレーを作成するときに注意したいのは、無水エタノールに精油を希釈してから精製水を加えるということです。精油は無水エタノールには完全に希釈されますので、先ずは精油を希釈してから精製水を加えるというポイントをおさえてくださいね。

小さいビーカーしか手元に無い場合は、無水エタノール30mlに精油をブレンドして、それをスプレー容器に移してから精製水20mlを後から加えて優しく混ぜれば同様に作ることができます。

■使い方
マスクにお好みでシュッとひと吹きするだけです。30センチくらい離れたところからマスク全体にまんべんなくスプレーが吹きかかるようにひと吹きしましょう。近くで吹き付けると1点に集中してマスクがしみになります。吹き付けたら、ガイドは優しくマスクを揉みこんで繊維に精油が行きわたるようにします。

マスクの外側に吹き付ければ空気と接する面に精油が付着するので、マスクの外側で吸い込む空気をクリーンにする効果が期待できます。香りも感じることができて気分も明るくなります。内側にシュッとひと吹きするのに抵抗がある方は、先ずは外側にシュッとひと吹きして使い心地を試してください。

もちろん内側にシュッとひと吹きしてもOK! ただし、アルコール成分がツンと刺激になることがありますので、気になる方には少し時間を置いてアルコールが飛んでからマスクを装着することをおすすめします。

マスクは毎日取り換えますが、朝つけたマスクは外出先でもそのままで1日過ごす方がほとんどですよね。例えば、朝出勤時に装着したマスクを屋内で取り外し、また帰宅時に装着する場合、朝のマスクをアロマスプレーでシュッとひと吹きしてきれいにしてから再度装着して使用するとより清潔に使用することができます。

抗菌、抗ウィルス効果のある精油は、鼻づまりに役立つ成分を含んだものが多いので、マスクを通じて香りを嗅いで精油を吸い込むことで予防にもなり、鼻づまりを良くする効果も期待できるので一石二鳥のサポートが期待できます。
 

マスクを快適にする! 練り香のアレンジ方法と使い方

みつろうと植物油を溶かして固めるバーム状のクリームがベースの練り香

みつろうと植物油を溶かして固めるバーム状のクリームがベースの練り香

では次に、「ギフトに嬉しい! オリジナル練り香の作り方」の記事で紹介した「練り香」をアレンジしたマスクをアロマで快適にする方法をお伝えします。

練り香のベースは、みつろうで作るバーム状のクリームです。このバーム状のクリームは、精油を直接塗布するよりもゆっくりと肌に浸透する特徴があるので肌を保護する働きもあることから、精油のレシピを変えることで様々な目的に使用できる優れものアイテムです。

例えば、ネイル用の精油レシピで作ればネイルクリームになり指先の保護に役立ちます。冬のあかぎれや手荒れ用に精油のレシピをアレンジすれば、ちょっとした手荒れクリームの部分ケアとしても重宝し、鼻づまりや咳に役立つ精油レシピでアレンジすれば、胸に擦りこむ塗り薬のようなクリームとしても使用できます。

これらと同様に精油のレシピをマスク用にアレンジすることで、マスクの不快感を解決するサポートとなるでしょう。

使い方は、鼻の周りに塗るだけです。特に花粉症の季節は鼻をかみ過ぎて赤くなったり擦り切れたりした肌を保護するサポートにもなります。また、ゆっくりと肌に浸透する特徴から香りを長く楽しめます。鼻の周りで精油が存在してくれる点からも、精油の予防効果の影響も長く受けることができます。

ガイドとしてはこれを塗布してマスクをすると、肌の乾燥を防ぐことが出来てしっとりするので、美肌効果に一役買っているのでは? と思っています。
 

インフルエンザ抗菌や花粉症の不快感にも役立つ精油のレシピ

では、これらを活用するのに欠かせない精油のレシピを紹介します。今回は「アロマスプレーの活用について」と「練り香をアレンジしたアロマバームの活用について」の2通りで説明をしています。2通りとも持ち運びに便利な抗菌アロマジェルの作り方の精油レシピを基本にしてアレンジ方法を紹介していますので参照ください。

■アロマスプレーの活用について
容量が同じなので、抗菌アロマジェルの精油レシピと同様の滴数で同じ濃度として代用できます。

ただし、マスクでの使用において「柑橘系の精油」はおすすめできません。柑橘系の精油は色があり、マスクをまだらにシミにします。また顔に精油が触れた場合、日焼けにおけるシミの原因にもなりかねないので注意が必要です。

そこでガイドは抗菌アロマジェルの精油レシピにおいて紹介した「レモン」を「ユーカリ」に変更してアレンジする方法をおすすめします。

持ち運びに便利な抗菌アロマジェルの作り方よりレシピ抜粋
<レシピ例 1> 3%濃度 全30滴(2%濃度 全20滴、1%濃度 全10滴)
・ラベンダー    10滴
・ティートリー    10滴
・ペパーミント   10滴
※大量の使用については注意する必要がある精油なので、3%濃度の場合、10滴以上の配合は注意しましょう

<レシピ例 2> 3%濃度 全30滴(2%濃度 全20滴、1%濃度 全10滴)
・ローズウッド   10滴
・ラヴィンサラ   10滴
・※マスクではレモン→ユーカリに変更する  10滴 

練り香をアレンジしたアロマバームの活用について
練り香は「香り目的」なので5%濃度の精油の滴数で紹介しています。マスクを快適にする上で適しているのは1%~3%濃度の範囲だと考えます。鼻の周りに塗布するので、肌がデリケートな方は1%濃度くらいで試してください。

【練り香をアレンジした精油の濃度】
・3%濃度 → 精油6滴の場合
<レシピ例1>
ラベンダー、ティートリー、ペパーミント 各2滴ずつ

<レシピ例2>
ローズウッド、ラヴィンサラ、ユーカリ 各2滴ずつ

・2%濃度 → 精油4滴
<レシピ例1>
ラベンダー、ティートリー、ペパーミント 各1滴ずつ=合計3滴
これらに追加して、
・インフルエンザ予防を意識した場合 + ティートリー 1滴=合計4滴
・鼻づまりや花粉症を意識した場合  + ペパーミント 1滴=合計4滴

<レシピ例2>
ローズウッド、ラヴィンサラ、ユーカリ 各1滴ずつ=合計3滴
これらに追加して、
・インフルエンザ予防を意識した場合 + ラヴィンサラ 1滴=合計4滴
・鼻づまりや花粉症を意識した場合  + ユーカリ    1滴=合計4滴

・1%濃度 → 精油2滴
<レシピ例1><レシピ例2>中から、目的に応じた精油を2滴

それぞれの精油の効果効能については、「感染症予防に役立つ精油の効果効能について」の記事を参照ください。ユーカリ以外の5本の精油の効果効能をまとめて列記しています。

つらい花粉症などの鼻づまりに特に役立つのはペパーミントとユーカリです。抗菌アロマジェルは手に塗るものなので抗菌アロマジェルの記事ではユーカリをレシピに加えていませんでしたが、鼻づまりがつらい方はユーカリを代用すると役立つレシピになるでしょう。

これからの長いマスク活用の季節。 精油を上手に活用し、マスクも快適でインフルエンザの予防も花粉症も快適に過ごしましょう!
 

マスクスプレーにブレンドしたい、抗菌作用が強いユーカリの効果

実はユーカリには様々な種類が存在します。ここではマスクに役立つ、花粉症の鼻づまりや、感染症予防に役立つ中で効果が1番強いと言われているユーカリグロブルスについて説明します。
 
ツンとしたさわやかな香りが特徴な精油で、花粉症のつらい鼻づまりを助けてくれます

ツンとしたさわやかな香りが特徴な精油で、花粉症のつらい鼻づまりを助けてくれます

■ユーカリ
学名 Eucalyptus globulus
科名 フトモモ科
精油を抽出する部分 葉
精油の抽出方法 水蒸気蒸留法
原産国 主にオーストラリア
禁忌事項:効果が強い精油なので容量を注意して使用すること。香りを嗅いだ時に刺激を感じる方や、幼児、老人などの体調がまだ安定しない方、癲癇や高血圧の方は使用を控える方がベター。ホメオパシーの薬剤を解毒するとも言われている。

ユーカリの中でもとても効果が強力な精油です。成分の約80%が1.8シネオールと呼ばれる「呼吸器の洗浄剤」とも言われる成分を含んでいることが特徴です。この成分が、ツンとした刺激の強い香りであり、これを吸入することで呼吸器にトラブルを起こす病原菌に対して有効に働いてくれる効果があります。

よって、咳を引き起こすような風邪などの予防や咳のトラブルに役立つと言われる理由はこの成分が特徴です。また、この成分は鼻づまりや痰などの粘液を溶解する働きも持っているので、つらい花粉症の鼻づまりにも役立ちます。

刺激が強い精油で注意も多く使いづらいのでは? と思われる方もいるかもしれませんが、刺激が気になる方はラベンダーやローズウッドとブレンドして使ってみてください。精油はブレンドすることで相乗効果や相殺効果を引き起こします。ユーカリの刺激は、これらのブレンドでその刺激を和らげる効果が期待できます。

独特なツンとした香りは、頭脳を明晰にする効果も期待できることから、ラヴィンサラ、ローズマリーやペパーミントと同様、花粉症や鼻づまりで頭がぼーっとした場合にも効果が期待できるでしょう。

【参考文献】
『増改補訂 アロマテラピー事典』 著:パトリシア・デーヴィス 訳:高林林太郎 フレグランスジャーナル社刊 2004年、『アロマテラピーのための84の精油』 著:ワンダーセラー 訳:高林林太郎 フレグランスジャーナル社刊 2004年、『スピリットとアロマテラピー』 著:ガブリエル・モージェイ 訳:前田久仁子 フレグランスジャーナル社刊 2000年第1版第1刷発行、2008年第9刷発行
 

手作りアロマクラフトの注意点

手作りアロマクラフトは、料理と同じく自己責任で楽しむものです。安全にアロマクラフト作りを楽しんでいただくために、「アロマコスメの作り方・注意事項」の記事を最初に読んでいただくことをおすすめします。

また抗菌アロマジェルはメディカルな目的で使うものなので、より安全にアロマケアを取り入れて頂くために「精油のローテーションについて」の記事も併せて参照してください。今回のアロマスプレーと練り香のアレンジレシピも、ローテーションできるように2通りのパターンで紹介しました。

手作りアロマクラフトの材料はナチュラルな素材であり、基本的に肌に優しいクラフトに仕上がりますが、全ての方の肌に合うとは限りません。アレルギーのある方、敏感肌の方、トラブルが心配な方は、必ずパッチテストをしてから使用していただくことをお願いします。

精油の効果効能に関しては、アロマテラピーを学ぶ上で必要な、学術上の知識を参考に、抗菌アロマジェルに適していると思われる点を踏まえ紹介しています。それぞれの効果効能は治療を目的としたものではありません。精油の知識に関してご不明な点は、必ず身近で確認できるアロマセラピストや、ショップの店員、専門家に確認し安全にアロマクラフト作りを楽しんでください。

※パッチテストとは、腕の内側などにテストしたい材料を少し塗布して、赤くかぶれるなどの反応が出るかを確かめるテストです。精油1滴を、ティースプーン1杯くらいのお水で薄めて皮膚に塗布します。他の材料は、そのまま直接塗布してください。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して肌荒れや不調を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮し、正しい方法で行ってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。

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