賃料は三軒茶屋、下高井戸、山下の順、
多少供給量が多いのは世田谷、上町など

東急世田谷線三軒茶屋駅
実際に住まいを選ぶ時は渋谷勤務なら上町までを、新宿勤務なら宮の坂から下高井戸間をという考え方になるだろう
最後に家賃、住宅価格の相場をざっと見ておきましょう。まず賃料では、三軒茶屋がワンルームマンションで9万円超、ワンルームアパートでも7万円弱といったところ。個性的な物件も多く、全体に高めです。2DKマンションも15万円以上はします。これに対し、小田急線とは隣接しているものの、急行停車駅ではないためか、山下周辺では同じワンルームマンションが6万円~7万円。2DKは12万円~13万円が中心で、幅広い賃料帯の物件があります。さらに下高井戸。ここではワンルームマンションが8万円以上。アパートでも同じくらいからで、広い部屋になると10万円以上も少なくありません。それ以上の間取りは比較的少なく、単身者向きが大半です。

環七と交差する世田谷線
環七を渡る世田谷線。このあたりまでなら三軒茶屋徒歩圏だ
以上整理すると、賃料は三軒茶屋、下高井戸、山下の順となっており、その間は山下よりやや安めが多いものの、物件によって幅があるというというところ。全体としての供給は少なめで、中で多少数が多いのは世田谷、上町あたりです。

新築マンションなら8000万円以上、
世田谷、上町なら古い物件で3500万円前後も

松原の住宅街
赤堤、松原周辺には企業の寮や官舎なども点在している
新築マンションで70m2程度を探すとすると、大半のエリアで予算は8000万円以上から。総戸数100戸以下の低層マンションが多いので、管理費などはやや高めにつく可能性もあります。まとまった土地がないので大規模な物件は期待薄ですが、歩いていると官舎や社宅などが少なくないので、今後そうしたものが建替えられる可能性はあります。地域についてはどことは言い難いところ。長い目で情報を収集する必要があるかもしれません。

世田谷通り沿い
世田谷通り沿いには築年数の経った物件が多いが、ここ数年シングル向きのマンションも増えた
中古では三軒茶屋が豊富ですが、世田谷線沿線の他の駅よりエリアが広いことが大きな要因。広さ、築年数ともに幅広い物件が探せます。50m2台で3500万円以上がひとつの目安でしょう。松蔭神社、世田谷、上町あたりは築年数の古い物件が多く、1980年前後なども目に付きます。

世田谷線沿いの一戸建て
取材時宮の坂周辺で販売されていた一戸建て。土地面積が限られていたため、3階建てだ
一戸建ても同様に三軒茶屋周辺が目につくところ。どの地域にしても予算は最低でも7000万円~。三軒茶屋周辺では土地面積が50m2の小規模な3階建ても多く目につくところ。土地面積が90m2以上になると最低でも1億円近くを見ておくほうがいいでしょう。豪徳寺周辺は比較的区画が広い場所が多いようです。

世田谷線案内図
駅間が短いことに加え、あまり坂のない平坦な場所でもあるので、自転車利用も手
また、どの種別でも探すときには各駅間が短いこと、他線とも近いことを意識しておくといいかもしれません。例えば、前回取り上げた上町は東急田園都市線桜新町も利用できますし、松原であれば京王井の頭線東松原、同明大前が利用可能なエリアもあります。どの駅というより、このエリアというような感覚で考えたほうがいいというわけです。

古い和菓子屋さん
新しい街では洋菓子店やパン屋、古い街では和菓子屋が多いのが通例だが、世田谷線沿線ではどちらも揃う。それだけ歴史も活気もあるといえるわけだ
24時間動いていたい人には三軒茶屋、下高井戸近くを除き、多少不便な部分もありますが、都会に近いけれど、都会のようなせわしさのない、のんびりした雰囲気は独特。平坦なエリアなので、散歩好きなら一度は歩いてみると、下町っぽいような、ちょっと懐かしいような街の様子がお分かりいただけると思います。

【シリーズバックナンバー】
「ハイソで国際的な下町『広尾』」
「中央線文化漂う住宅街『荻窪』」
「粋と新しい便利さの街『神楽坂』」
「元気、でも静かな街『学芸大学』」
「情報感度高い大人の街『表参道』」
「人に自然に優しい街『自由ヶ丘』」
「季節感と情緒、グルメの街『浅草』」
「自然、雑踏と文化の街『吉祥寺』」
「緑溢れる水辺の都会『二子玉川』」
「セレブで庶民派な街『白金』」
「元気な世田谷の下町『三軒茶屋』」
「意外に住める憧れの超都心『銀座』」
「独自性を貫く学園都市『国立』」
「最先端な庶民派国際タウン『恵比寿』」
「整然とした静かな街並みが魅力の『桜新町』」
「演劇、音楽と猥雑な活気の街『下北沢』」
「水辺に開かれるゆとりある新しい街『豊洲』」
「子どもと犬に優しい緑の地『駒沢大学』」
「急激に変化し続ける老舗の街『麻布十番』」
「商店街で有名、品川の下町『武蔵小山』」
「通勤に遊びに便利。勢いのある街『中目黒』」
「昔も今も交通の要所、変化し続ける『品川』」
「都会と郊外、両方の良さを備えた街『三鷹』」
「知る人ぞ知る、緑濃い文化の街『経堂』」
「新宿西口で進行中の再開発をチェック」
「今も憧れ、東京屈指のお屋敷街『成城学園』」
「歴史と活気あふれる東京北東部の中心『北千住』」
「東京の今を代表する24時間都市『六本木』」
「高低差が生んだ、2つの顔を持つ街『渋谷』」
「活気と自然、歴史が融合する街『千歳烏山』」
「小石川、小日向を擁する人気地域『茗荷谷』」
「ターミナルと住宅街が隣り合う街『目黒』」
「文化と雑踏が混在、活気が魅力の街『池袋』」
「再開発で生まれ変わった歴史の街『南千住』」
「変化目前。便利な実質本位の街『蒲田』」
「世田谷らしさ満喫路線世田谷線全ガイド(1)」
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。