2007年に100周年を迎えた世田谷線は
全線世田谷区内を走る路面電車

下高井戸駅構内の世田谷線
三軒茶屋と下高井戸、いずれも闇市の風情を残す商店街のある街をつないで走る世田谷線。終点の両駅には映画館があることも共通だ
首都圏にお住まいで東急世田谷線の名まえは知っていても、乗ったことはないという方も多いのでは。この路線は1925年1月に三軒茶屋駅~世田谷駅間が玉川電気鉄道(玉電)の支線として開業、その年の5月には世田谷駅~下高井戸駅が開通しています。1969年には本線であった玉川線(渋谷駅~二子玉川駅)が廃止され、残った支線部分が世田谷線と改名されます。このとき、実は世田谷線も廃止という動きもあったそうですが、玉川線本線が道路を走る併用軌道であったのに対し、この路線の大半が専用軌道で一般車道と併用している部分が少なかったこと、並行する道路の整備がうまくいかなかったことなどから廃線を免れたといわれています。

若林駅
無人で改札もない世田谷線の駅は通り抜け可能
2007年で100年を迎えた世田谷線は現在2両編成、全線140円均一(大人)料金で運行されており、三軒茶屋、上町、下高井戸を除いては無人駅が続きます(当然トイレもないので、世田谷線沿線散策の際には注意が必要)。2002年からは独自のICカード「せたまる」が導入され、2007年にはPASMO、Suicaも利用できるようになりましたが、接続する東急田園都市線、小田急線、京王線との間での乗継ぎ割引などはありません。三軒茶屋~下高井戸間の所要時間は17分、三軒茶屋から下高井戸の終電は12時35分、その逆は12時30分。途中の上町に車庫があるため、それ以降の本当の終電はいずれの駅からも上町止まりになります。

上町駅周辺
上町駅周辺、駅前を走る世田谷通り沿いではここ数年でマンション建設が相次いだ
東急田園都市線、小田急線、京王線と接続する駅は別として、その他の駅では都心へ直接アクセスできないため、長らく、家賃、分譲価格などが低く抑えられてきました。しかし、ここのところ、乗り換えが必要だとはいえ、距離的には都心に近く、生活の利便性も高いと徐々に関心が向き始めています。これからに期待がかかる世田谷線の各駅を、特徴ごとにチェックしていきましょう。

今回取り上げるエリアはこちら

世田谷線概念図
世田谷線と周辺の関係概念図。松蔭神社から駒沢大学駅間は上町と桜新町間より距離があるためか、あまり利用されていない

まずは賃料お手頃な西太子堂、若林を見ていきましょう。