表参道、南青山といえば、ファッション、アート、グルメなど、あらゆる面で最先端を行く街。常に新しい情報を発信し続けるこの街に住むとしたら……。さっそくチェックしてみましょう。

【表参道駅周辺の様子は?】

表参道駅周辺地図
表参道駅周辺の交通と位置関係。東京メトロ銀座線、同半蔵門線(重複するので図では省略)、同千代田線の3線が利用できる

歴史が生む落ち着いたたたずまい

表参道駅周辺
表参道駅から原宿方向を見たところ。明治神宮正面に向かう参道から表参道の名が
JR山手線渋谷、原宿から東京メトロ銀座線、半蔵門線、千代田線でそれぞれ一駅、3線利用できる便利な街、表参道にはこの2つの街とは全く異なる表情があります。駅から原宿方向に広がる緑の並木、そして歩く人々の姿、年齢……。明らかに落ち着いた雰囲気、言ってみれば大人の風情の街なのです。

さて、今回取りあげるのは、国道246号の南側に広がる南青山3丁目、4丁目、5丁目、6丁目と、六本木通りを渡った7丁目、北側に広がる北青山3丁目。いずれも港区内です。これらの町名は徳川家康の小姓として使えた青山氏がこの地に知行をもらったことから。大山道(国道246号の旧名)の南側が南青山、北側が北青山とされました。

青山墓地
明治の文豪志賀直哉、尾崎紅葉をはじめ、有名人の墓も多い青山墓地
今も北青山にある善光寺、少し離れますが、外苑前にある梅窓院など、江戸時代のこのあたりは武家屋敷と寺社ばかりの場所だったようです。時代小説がお好きな方なら、剣客商売や鬼平犯科帳などの池波正太郎作品に描写された、野原と武家屋敷ばかりのこの地の様子をご存知かもしれません。

この青山屋敷の跡地が今では桜の名所として有名な青山墓地。明治7年に東京都立の共同墓地となりました。都心にある、約28万平米の土地だけに、一時は公園にという案も出ていましたが、現在は霊園を残しつつ公園としても利用できる場にという方針で整備が進められています。平成16年には久しぶりに墓園の募集も行われました。


数多いブティック、レストラン、骨董店……

青山プラダショップ
国内外のブランドショップが続々進出する青山。写真は建物の奇抜さで有名になったプラダ
さて、その青山が今のようなトレンド発信地になったのは戦後のこと。この地は戦災の被害が大きく、その分、国道246号の拡張など、土地整備が進んだためです。特にファッションの街を位置づけたのは1963年のVANの登場でしょうか。それ以降ずっと、本社の地名に青山を冠することがファッション業界ではステイタスとされてきました。現在も246号、骨董通り沿いはもちろん、1本入った住宅街の中に佇むブティックなどは数え切れません。

表参道ヒルズ

表参道の象徴だった同潤会青山アパートが建替えられ、2006年に表参道ヒルズをして登場。表参道、原宿間の活性に大きく寄与している(クリックで拡大)

その他、この街に多いものは、レストランやカフェ、インテリアショップ、骨董通りの名の由来となった骨董品店、花屋さんなど。歩いているだけで、センスが磨かれるような感覚を与えてくれるようなショップが多く、この街に住んでいる、あるいは住みたいクリエーターが多いのは当然かもしれません。

 

逆に少ないのは、コンビニ、レンタルビデオ店、クリーニング店、米屋さんなど。駅周辺にパチンコ店、消費者金融、安売り酒店など、けばけばしい看板がないのも、この街ならではです。

 

東急プラザ表参道原宿

2012年4月にオープン、新しい名所となった東急プラザ表参道原宿店。屋上に庭園を設けるなど環境に配慮した建物も話題に(クリックで拡大)

さらに、この街は変化を続けています。2006年に表参道ヒルズがオープン、話題になったことや2008年には東京メトロ副都心線が開通、原宿~表参道間の利便性が向上したこと、2012年に東急プラザ表参道原宿店オープンに大勢の人が詰めかけたことなどは、まだ記憶に新しいはず。現在も表参道に面してビルの建替えなどが進んでいます。

 

建て替え計画のある都営住宅、企業の寮などが点在

そして、ここに住みたい人にとって、気になるのは、この地は都営住宅や都市再生機構といった公共住宅、官庁や銀行、歴史ある大手企業の寮や研修所、地方自治体の出張所などが多い場所であるということです。例えば、国道246沿いには昭和38年から42年にかけて建てられた3棟の都市再生機構の住宅があります。

北青山都営住宅
246のすぐ裏手にある都営青山北町アパート。500戸を越す大規模団地だ
また、北青山3丁目には約4haという広大な敷地に3階建て程度の低層な都営住宅が広がります。これだけの場所であれば、もう少し有効活用してもと思う人がいるのは当然でしょう。実際、東京都の 「東京都住宅マスタープラン(2001~2015)」では住宅の重点供給地域のひとつとしてこの場所を挙げています。ただし、事業計画の決定までには至っていないので、まだまだ時間はかかりそう。長い目でチェックしておきたいものです。その他、企業の寮、研修所なども、建て替えられる可能性がありますから、将来的な期待度は高い地域といえるでしょう。


基本的にはマンション中心エリア

南青山第一マンションズ
表参道駅上という好立地の南青山第一マンションズ。故向田邦子さんなど著名人も数多い
戦争で破壊、再生されてきた街でもあり、駅から徒歩10分圏では古くからの一戸建てはあまり残っておらず、住宅といえば、大半はマンション。表参道駅の上にある南青山第一マンションズのような高額物件が目につきます。また、国道246号や骨董通り沿いの建物は昭和40年代など古い築年数の建物が中心。人気が高い地域なので、建物が古くなっても入居希望者がいるため、建て替える必要がないのでしょう。オフィスとして使われている部屋もありますが、古くからの居住者も意外にいらっしゃるようです。


では、この地域の住宅事情を次ページで詳細に見ていきましょう。