山手線のターミナル駅の中でも、ここ数年の変貌がもっとも劇的なのが、この街、品川でしょう。足まわりの便利さだけではない、この街の魅力を探っていきましょう。

江戸時代は東海道最初の宿場町、
今は関西、横浜、羽田にも直通のターミナル



品川駅西口
第一京浜に面した品川駅。東口の変化に合わせ、店舗リニューアルなどが相次いだ
江戸時代、日本の大動脈だった東海道の第一の宿場町がここ、品川。往時の交通の要所は現在も同様。足回りの利便性は他の山手線ターミナル駅でもずば抜けています。都心へのアクセスは言わずもがな、新幹線利用で関西、九州へ。京浜東北線、横須賀線利用で横浜、湘南方面へ。そして、京浜急行空港線利用で羽田、JR特急成田エクスプレス利用で成田とそれぞれ直通ですから、どこに行くにも便利という言葉は品川のためにあるようなものです。また、京浜急行線を利用すれば、三浦半島でのレジャーも身近です。


3つの違う表情を持つ街、品川
歴史があるのは駅西側エリア



品川駅西口
ここ10年以上、再開発が続けられてきたため、そのイメージが大きい
東口再開発、新幹線の品川駅開業などのニュースの印象が強いためか、品川と聞くと、東口のビル群や駅ビルなどを想像する人も少なくないようですが、実際の品川は多面的な表情のある街です。それを分かりやすく表したのが下の地図。大きく分けると、駅の西側の高台、古くからのお屋敷街、東側の再開発エリア、そして、北品川方面の宿場町の3エリアとなります。それぞれの地域は独自の雰囲気があり、住宅の種類や供給、価格なども大きく異なります。ここでは以下、各エリアを順番に見ていくことにしましょう。

品川周辺の3エリアとは?

品川周辺のエリア解説
品川周辺は上記のように3つのエリアで考えると分かりやすい



御殿山に代表される西側の高台は
高額物件も多い、由緒正しきお屋敷街



品川のホテル群
西側エリア、駅前のホテル群。宿泊施設だけではなく、映画館や水族館、テニスコートなど遊びも場も多い
駅の西側には高層のホテルが並びますが、このホテル群の裏手、御殿山ガーデンとの間を中心にしたエリアはかつて、大名屋敷や寺院があった、由緒正しきお屋敷街です。この地域を歩いてみると分かりますが、駅からはいずれも坂道を登ることになります。江戸時代、位の高い人たちは高い場所に住むのがお約束ですから、この地が高級住宅街であることは地形からも明白なわけです。


ホテルの間の坂
駅前からホテルの間を高輪台へ向かうバス通りは長い上り坂
江戸時代、現在の品川から五反田にかけての高台は城南五山と呼ばれ、御殿山、八つ山、島津山、池田山、花房山と5つの高台がありました。そのうち、品川徒歩圏エリアにあったのは、御殿山(北品川3丁目、4丁目、5丁目あたり)、八つ山(北品川4丁目、港区高輪4丁目あたり)。御殿山が徳川将軍鷹狩りの際の休憩所だった御殿にちなむと聞けば、その歴史は自明です。


原美術館
昭和13年(1938)竣工した原美術館の建物は上野の東京国立博物館本館や銀座の和光本館(旧服部時計店)の設計で知られる渡辺仁
明治以降もこの地には皇族や旧財閥の邸宅が多く建てられ、今も一部が残されています。非公開なものでは三菱財閥2代目のお屋敷だった三菱関東閣、東芝高輪クラブなど。公開されているものとしては高輪プリンスホテル貴賓館が旧竹田宮邸でしたし、現代アート専門の原美術館は東京ガス会長、日本航空会長、帝都高速度交通営団(営団地下鉄)総裁などを歴任した実業家原邦造の邸宅です。そのほか、大使館などが多いのも、広い敷地があったためです。


現在では御殿山、八つ山の地名は小学校や交番、交差点に残るだけですが、その名を冠した物件は賃貸、分譲ともに多く、土地柄を反映して、高額物件が中心。中古でも分譲時には1億円以上だったという物件も少なくありません。たとえば、地域のシンボルともなっている御殿山ガーデン内には御殿山トラストコートという賃貸マンションがありますが、こちらは65m2の1LDKが35万円から。その南側にある御殿山ハウスも41m2のワンルームが19万円~となっています。もちろん、もっと手ごろな物件もありますが、それでも1Kで9万円前後からです。

地域が限定されていること、古くから開発されていて土地がないことなどから、今後、規模の大きな新築物件が建つことはあまり考えられず、この地で購入を考えるなら、中古を狙うのが手。かつての億ションで半額前後~が目安です。

では、気になる再開発エリアを次ページで見ていきましょう。