マーケティング/マーケティング事例

iPhoneが大ヒットするこれだけの理由(3ページ目)

2008年7月11日、待ちに待ったiPhoneが日本で発売! 海外で大ヒットを飛ばしたiPhoneですが、日本でも爆発的に売れる可能性は高いと言えそうです。そんなiPhoneが売れる理由をマーケティングの観点から分析します!

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

iPhoneの死角とは?

iPhone
iPhoneの死角は高額な月額契約料と長期契約。果たしてユーザーはメリットとデメリットのどちらを重視するのか?
果たして、iPhoneに死角はないのでしょうか?

あるとすれば、それは月々の契約料と言えるでしょう。iPhoneはインターネットに繋がって初めてその最大の機能を発揮することができます。ということで、ソフトバンクはiPhone契約者に対してどこでもインターネットにアクセスできるよう『パケット定額フル』と『S!ベーシックパック(i)』のプランを用意しています。これに月々の基本料金が980円の通話プランである『ホワイトプラン』を組み合わせると最低でも7,280円という契約料になってしまいます。

恐らくこの契約料から一定額がアップルに支払われ、アップルは当初のiPhoneの低価格の穴埋めをしていく戦略でしょうが、iPhoneの月額契約料は携帯料金の低額化が進むトレンドに逆行しており、利用者が躊躇することも予測されます。

また、実質23,040円とはいえ、いったんスーパーボーナスの24回払いで契約すると26カ月という長期にわたって使い続けなくてはならず、途中で解約すると残りの分割支払い金を特別割引なしで支払わなければいけないところもユーザーにとっては購入に対して障害となる可能性もあります。

いずれにしろクールなデザインと豊富な機能、使いやすさ、低価格という大ヒットを予感させる理由もたくさんありますが、高い月々の契約料と長期契約という敬遠されて伸び悩む理由もあり、ユーザーはメリットとデメリットを比べてiPhoneの購入を検討することになります。

イノベーターやオピニオンリーダーなどの新し物好きの消費者層は迷うことなく飛びつくでしょうが、メリットとデメリットの狭間で悩むユーザーがどう動くのかがiPhoneの大ヒットを決定付けると言っても過言ではないでしょう。

ヒットは間違いないにしろ、果たして驚くべき“大ヒット”を記録するのか? 7月11日のiPhone発売後の行方には興味が尽きません。


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