巧妙なアップルのイメージ戦略

iPhone
iPodで既に日本市場で成功を収めているアップル。iPhoneの成功確率は高い!?
アップルのコアコンピタンス(マーケティングにおける最強の武器)はそのデザイン力にあります。iPhoneはこれまでiPodで培った洗練されたデザインを踏襲し、持っているだけで“かっこよく”、ユーザーをワクワクさせてくれます。

デザインに加えて、これまでの携帯では類をみないタッチパネルによる操作は思った以上に快適で、iTunesからの音楽のダウンロードやyoutubeの動画鑑賞などを簡単な操作で行えるなど利便性も高くなっています。これだけを取ってもこれまでの携帯端末と一線を画す差別化を実現しています。

失敗確率の低いブランドエクステンション

今回、アップルは日本の携帯市場に初参入ということになりますが、携帯音楽プレーヤーであるiPodが日本市場で既に浸透しており、既存のブランドを活用したブランドエクステンションになります。製品市場戦略で言えば、iPodを利用している既存顧客にiPhoneという新製品を販売する新製品開発戦略ということもできます。

アップルはすでにiPodで多くのユーザーを抱えているのですから、既存ユーザーが携帯電話とiPodを持ち歩く不便さを解消するためにiPhoneに乗り換えることも期待できます。

加えてiPhoneはすでに世界で600万台を超える販売実績もあり、世界での実績を引っ提げて日本市場に参入する新市場戦略と捉えることも可能です。

いずれにしろ、アップルにとって日本市場にiPhoneを投入する戦略は比較的リスクが小さく、ヒットする可能性の高いものと結論づけることができます。
iPhoneは製品市場戦略上、リスクの少ない“新製品開発戦略”と“新市場開拓戦略”を兼ね備える。

ブランドイメージに反した低価格戦略

今回のiPhone発売に際して、最もサプライズだったのがその価格と言えます。当初は高額な価格設定も予測されていましたが、蓋を開けてみると8GBモデルはスーパーボーナスの24回払いを選択すると端末に対する実質負担額が月々960円×24回=23,040円という衝撃の価格設定となりました。同じような機能を備えたiPod Touchが3万円以上する中で月々たったの960円の24回払いで手にすることができる安さは将に大ヒットを狙った戦略的な価格設定と言えます。

この価格設定は既存のiPod Touchに比べても安くなっていますが、他の携帯端末に比べても驚くほどの価格競争力を備えていますから、多くのユーザーが購入を検討するのも無理のない話だと思います。

それではiPhoneに死角はないのか?最後ページではiPhoneの弱点について分析していきます。次ページへお進み下さい!