リフォームのきっかけで多いのが、水まわり機器の老朽化や不具合
間口はそのままで使いやすいレイアウトを選ぶことが可能。置き換えや対面プランへのレイアウト変更。 [リフォムス] パナソニック エコソリューションズ
リフォームのきっかけとして多く聞かれるのが、キッチンやバスルーム、トイレや洗面といった水まわり設備の老朽化や使い勝手の悪さ。もちろん、機器の故障なども要因のひとつとなるでしょう。
水まわりは、キッチン設備や給湯器、便器や配管など、日々酷使する機器類も多く、設置して十数年経てば、いずれかの機器に不具合が出てくるケースも。補修や交換も含め、リフォームの内容はさまざまですが、住まいの中でも、使用年数などに合わせて、何かしら手を加えていく部位であるということを認識しておきたいものです。
各メーカーからは、これらの水まわりリフォームの際に取り入れやすい商品を豊富にラインアップされています。条件や予算に合わせてプランニングすることが可能でしょう。
リフォーム向け商品の特徴は、既存空間に合わせやすく、短工期
リフォーム向けの商品は、個々の商品ごと細かな特徴は異なりますが、傾向としては、いずれも既存の空間やスペースにプランニングしやすいこと、施工方法やパーツなどの工夫によって短い工期で設置可能こと、が挙げられるでしょう。また、空間だけでなく搬入経路なども含め、制限があるケースも多いマンション向けに対応した商品もみられます。もちろん、リフォーム向けと明記していない商品でも、プランニングに合わせて取り入れることは可能ですが、リフォーム時にネックになりやすい条件等を加味して開発された商品を上手に用いることで、プランも工事も進めやすいケースも多いでしょう。
便器を取り替えるだけでトイレ空間も変わる。給水管や掃除用具なども隠れて、すっきりする。キャビネット付きのトイレ。[リフォレ] LIXIL
キッチン~間口や高さに細かく対応、既存の配管を利用することも
リフォーム向けのシステムキッチン商品の特徴は、間口や高さに合わせて細かく対応できること。マンションなどで梁がある場合でも、専用のキットなどでぴったり納めることができるもの、すき間をなくし無駄なスペースを生まないためのキャビネットなどが用意されたものなどがみられます。既存の給排水位置を利用できる専用のパーツなどが用意されているタイプなども揃い、構造上の制約があるマンションのキッチンリフォームもしやすいでしょう。また、既存のコンロやシンクの位置に合わせることで、水栓や換気扇をそのまま生かすことができるタイプ、古い流し台からシステムキッチンに素早く変更することができる商品などもみられます。
既存の配管を利用することでリフォームの際の設置工事が容易に出来る「マンションリモデルプラン」の仕様も。「水ほうき水栓」「すべり台シンク」を品揃えし、扉カラーはトレンドの木目色も揃う。[ミッテ] TOTO
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バスルーム~既存の空間に合わせて施工可能、より広々と
メーカーから提案されているリフォーム向けのシステムバスには、戸建て向けとマンション向けがありますが、いずれも、既存のスペースに設置でき、広々とした空間を確保する工夫が施されていることが特徴でしょう。■マンションリフォーム向け
厳しい条件の中で、少しでも広い空間を確保するため、たとえば、壁裏にある配管スペースを効率的に使えるように構造に工夫を施したもの、薄型の配管を用いたものなど。既存のバスルームの高さや梁の形状などに合わせ、調整が可能なタイプなどもみられます。
また、コンパクトな浴槽サイズでも洗い場方向に広がりを持たせたもの、左右にアームレストを設けたものなど、形状の工夫でゆったりと入浴できるようなタイプも揃っています。
その他、マンションリフォームでは、エレベーターや階段などで資材を運ぶため、搬入のしやすさを考え、フレームや床などを分割したタイプも。分割することで、取り付け作業のスペースを確保でき、配管の接続や床の設置作業なども容易に。また、床に大きな作業口を設け、限られたスペースでも作業がしやすいタイプなどもみられます。
マンションリフォーム用システムバスルーム。コンパクトサイズの浴室内ながら浴槽内を広く感じられるよう、浴槽の底面長さを従来品よりも足が伸ばせるサイズに。またエプロンをラウンド形状にすることで、広い洗い場スペースを確保。[リノビオFit] LIXIL
■戸建てリフォーム向け
戸建ての場合、在来工法のからシステムバスへの工事も多く、既存の浴室を解体するまで床下や天井裏、配水管の状況などがわからないケースも。そのため、現場での対応力を高めた工夫がなされている商品がみられるのが特徴です。
配管接続を容易にするパーツや床の高さを調整できるボルトを用意したもの、柱の位置などに合わせドアを移動することが可能なものなど。既存の窓を生かして設置することができる商品も提案されています。マンション同様、フレームや床などを分割し、運び込みやすい商品であれば、玄関や廊下が狭い現場でも施工しやすいでしょう。
洗面化粧台~奥行きの薄型タイプやコンパクトな収納ユニット
洗面化粧台は、限られたスペースでも設置できるコンパクトなタイプがリフォームに適しているでしょう。奥行きを抑えたタイプであれば、洗面室内の動きにスムーズに。上部に梁があっても納めやすい上部ユニットや既存の配水管などにも対応できるパーツなどが揃っています。カウンターの幅も細かく対応できるタイプであれば、空間を無駄なく利用することが可能。上部ユニットやミラーキャビネットなど、組み合わせしやすいアイテムも揃っています。また、廊下や玄関などに設けるセカンド洗面に取り入れやすい、コンパクトな洗面化粧台も多くみられるようになりました。椅子に座ったり、車椅子でも使用することができるタイプなど、高齢者の方にも使い勝手のいい商品も充実してきています。
その他、お湯を利用することができる小型の電気温水器などもみられます。給湯配管工事が不要なので、リフォームでも取り入れやすいでしょう。
奥行きが450ミリの薄型タイプなので、限られたスペースのリフォームにも取り入れやすい。カウンター幅は、1800ミリまで対応可能。[シーライン スリムD450タイプ] パナソニック エコソリューションズ
トイレ~既存の給排水管を利用、キャビネットと一体化したタイプも
リフォーム向けのトイレ商品の特徴は、限られたスペースでも設置しやすいタイプ、既存の配管に設置可能な商品、短時間の工事で設置できるタイプなどが挙げられます。マンションなどで、低水圧の環境でも設置可能なタイプもあります。また、トイレ(便器)単体だけでなく、配水管や掃除用具などをしまうことができ、空間がすっきりとするキャビネット付きのトイレなども。あらかじめ便器や便座、手洗器や収納キャビネット、床や壁材など、トイレ空間のパーツをセットしたシステムトイレもみられます。
その他、高齢の方が使いやすい、立ち座りしやすいように配慮された商品も揃っています。便座が前方に傾斜しながら昇降するタイプであれば、楽に立ち上がることができますし、アームレストがついたタイプも。また、在宅介護などでも取り入れやすい、居室内などに比較的簡単に設置することができる家具のようなトイレもみられます。
独自の給水分岐・排水合流技術を搭載、既存の給排水管をそのまま利用。床や壁を壊さず、大掛かりな給排水管工事なしで、手洗器を設置可能。リフォーム工事がほぼ1日で完成する。[ネオレスト手洗器付(ワンデーリモデル)] TOTO
既存の空間や工事期間など、優先順位に合わせて選択を
水まわりのリフォームを進める中では、通常、依頼する施工会社や設計担当者などから、予算はもちろん、既存の浴室の状態や構造、工事期間の制限、住みながらのリフォームであれば日常生活スペースへの影響などを考慮して、適する商品を提案してもらうことになるでしょう。具体的に選ぶ際には、提案されたそれぞれの商品の特徴はもちろん、選択した理由やメリットなどを確認すること。たとえば、既存のスペースを有効利用できる、搬入や工事スペースの条件に適している、などといった、リフォームならではの理由を理解することで、商品やプラン選びの優先順位も明確にしやすくなり、効率的にプランニングを進めることができるのではないでしょうか。
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ショールームで実物の確認を。リフォームコーナーも利用して
新築でもリフォームでも、設備機器を選ぶ際には、ショールームを利用することはとても重要です。最近では、リフォーム向けの商品やプラン提案などの専用のコーナーを設けたショールームも多くみられます。プランニングの際には、実際の商品を確認して、機能性やデザイン性のチェックを。水栓金具やリモコン、収納など、操作可能なものは動かしてみること。現在使用している機器との違い、メリットなどをしっかりと確認することが大切でしょう。