「適度な飲酒」は、人によって異なります!
酒は百薬の長、だけど…
お酒を飲む席を、人間関係を深めるためのツールとして利用する人も多いのではないでしょうか。昔から「酒は百薬の長」と言われるように、適量の飲酒であれば、何も恐れるものではありません。
ただ、「適量の飲酒」って、どれくらいなのかと言われたら、難しいですよね。体質や年齢によっても違いますし、その時の体調もかかわってくるので、一概には言えないということを、よく認識する必要があります。
二日酔いになるメカニズム
二日酔いに苦しんだことがある方は、読者の中にもたくさんいらっしゃることでしょう。では、二日酔いは、どのようにして起こるのでしょうか?お酒を飲むと、アルコールの20%は胃で吸収され、残りのほとんどは小腸で吸収されます。「一気飲み」をしている最中は大丈夫でも、しばらくたってから急に気分が悪くなったり体調を崩したりするのは、アルコールが小腸に到達して体に吸収され、血液を通じて全身に回るまでに少しの時間差があるからです。
アルコールは肝臓で代謝され、アルコール脱水素酵素という酵素によって、「アセトアルデヒド」という二日酔いの原因になる物質に変わります。このアセトアルデヒドが、さらに別の酵素によって人体に無害な物質へと変換されて、そこではじめて「アルコールが抜ける」「酔いがさめる」ことになるわけです。
ただし、人によって、アセトアルデヒドの代謝がうまくいかなかったり、許容量を超えたアルコールが肝臓に入ってきてしまった場合には、代謝しきれないくらいのアセトアルデヒドができてしまい、気分が悪くなったり、二日酔いになってしまったりするわけです。
二日酔いを防ぐコツは、食事と水分にあり!
「太りたくないから、飲み会の時はあまり食事を摂らないようにしている」という人がいますが、これは悪酔いしてしまう原因になります。空腹状態でお酒を飲むと、アルコールが一気に小腸に流れ込んで、即吸収されて血液を通じて全身に回ります。短時間のうちに大量のアルコールが肝臓に送られてしまうことになり、肝臓のアルコール代謝能を大幅に上回ってしまいます。
十分な食事を摂りながらお酒を飲んでいる場合は、しっかりと胃で食べ物を消化するために、小腸へとつながる胃の出口がかたく閉じられて、アルコールは比較的ゆっくりと吸収されます。お酒を飲むばかりではなく、料理を楽しむことも、「飲み過ぎた」と後で後悔しないためのコツになります。
ただし、美容と健康のために、飲み会で出てくる食事メニューは、どれを食べるかを選びましょう。脂っこい揚げ物や炭水化物ばかり食べるのはNGです。おすすめは、最初に出てくる枝豆や野菜サラダをしっかりと食べてから、揚げ物よりは油を使う量が少ない焼き物やお刺身を選びながら食べてくださいね。
胃で吸収されるアルコール濃度を抑えるためにも、お酒と一緒に水分摂取を心がけましょう。アルコールには強い利尿作用があるので、同時に水分を摂らないと、飲み過ぎだけではなく、脱水症状で気分が悪くなってしまうことがあります。
脱水になると、血液もドロドロになり、ムクミの原因になります。飲んで、顔がむくんでメイクが崩れてしまうのは、しっかり水分を摂れていないせいかも。水分が不足すると、二日酔いの原因になるアセトアルデヒドの代謝が遅れてしまい、二日酔いが悪化します。アルコールの代謝には、水分がたくさん使われるということを常に頭の隅に止めておき、飲み会中でもこまめに水分を飲むようにしましょう。お茶やコーヒーに含まれるカフェインにも利尿作用があるので、できればけ胃腸にも優しい、常温のミネラルウォーターがベターです。