喧噪の商店街から非日常へのワープ
田中健一氏
商店街を歩いていると、周囲とはちょっと異質な扉がある。ヨーロッパの伝統的な装飾、アイアンワーク(何故だか日本では一般に練鉄をさす英語、ロートアイアンと呼ばれている)が施されたその扉を開けると階段があり、昇るとまた扉があり、それを開けて店内となる。この扉と階段が日常から非日常へとワープさせる。
カウンター席
商店街の喧噪からワープしてきて、見た目、ドラマの設定でありそうな小難しい顔つきのバーテンダーがいたら身構えてしまうところだが、田中氏の容姿は実にいい。柔らかい。ほっとする。
聞くところによると、わたしと同様の思いの客は多いようだ。それと天神橋筋商店街にもこういうバーがあるんだ、と知って、食事帰りに立ち寄る女性客もいるらしい。人は対極を求めるんだな。でも、わたしは田中氏の醸す空気もあると思う。
ミントとレモンの香り
店内にもアイアンワーク
この味わいも非日常っていえば非日常だと、わたしはやけに納得した。
次に大好きなミントジュレップを頼んでみた。何でつくるのだろうと見つめていると、赤い封蝋を纏ったボトル、そう、メーカーズマークを手に取った。
いいぞ、いいぞ、である。いまわたしはミントジュレップのバーボン・ベースをジムビーム ブラックかメーカーズマークで飲んでいる。それ以外はごくたまにオールドグランダッドで飲むこともある。
ラフロイグ&ソーダ
レモンか、と少し懐疑的な気持ちで口をストローに近づけていくと、悪くはないのだ。ミントの香にすっきりとしたレモンの香がシンクロして、この爽快感もありだな、と気づいた。時にこの香に浸るのもいい気分転換になる。
メーカーズマーク・ミントジュレップ
天満のほうへお出かけの際は、是非どうぞ。
BAR ALBA
大阪市北区天神橋4-10-22 千寿ビル2階
Tel.06-6881-5123
17:00~1:00 火休
ウイスキー¥850~、カクテル¥950~、ラフロイグ&ソーダ¥950、メーカーズマーク・ミントジュレップ¥1,200、チャージ¥500
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