わが家は2階リビング。
勾配天井を利用してロフトを設けている。
小さなロフトスペースには、観葉植物のパキラが2鉢。
リビングから見上げると、ぐんぐん伸びる緑の葉は清々しく、
夜の灯りで生まれる葉影もいい雰囲気だ。
空間のアクセントとしてパキラは、
「いい仕事」をしてくれているけれど、
もうひとつ、大きなメリットがある。
収納スペース確保のためにロフトを
リビングと一体化したロフトなので、ソファに座りながらパキラを見上げることも
けれど、ロフトや小屋裏を収納とする場合は、床面積や天井高などに決まりがある。広々として居心地のいい場所にしてはいけないのだ。収納スペースなのだからしかたがないが、狭くて居心地が悪いところに、はしごなどを使って頻繁の上り下りする気にはなれないものだ。ロフトや小屋裏収納についての失敗談として、「しまったら、しまいっぱなし」という声をよく聞くのも頷ける。
とりあえず、しまったら、しまいっぱなし
ロフトや小屋裏収納には、めったに使わない季節のモノ、アルバムや子供の幼い頃の洋服などの思い出モノ、が置かれることが多いので、基本的に「しまいっぱなし」でもいいのかもしれないが、ちょっと邪魔なモノを、とりあえず収納してしまうと、そのままの状態になりがちだ。「あとで整理しよう」と思っても、なかなか出来ないことも多く、収納したことすら忘却の彼方、という場合も。出入りする機会が少なければ、見直す機会も少なくなり、「しまいっぱなし」の加速度は増していく。わが家の場合も同様だ。ロフトに上がるためには、脇に掛けてある専用のはしごをセットする。最初のうちは、面白がって登っていたけれど、慣れてくると本当に用事があるときしか上らないものだ。2年前の引っ越しの時に、とりあえず、しまったものは、そのまま、「しまいっぱなし」なっている。
パキラのおかげで、はしごを上る
収納が一番の目的だったけれど、建築家のKさんが設計してくれたわが家ロフトは、リビングと一体化した開放的なデザイン。「せっかくの空間なのに、もっと活用しなきゃ」と反省していた昨冬、室内で冬越しをさせなければならない観葉植物の置き場に困り、パキラの鉢をふたつ、ロフトに置くことを思いついた。それをきっかけに、水をあげるため、ロフトに上るのが日々の習慣になった。少なくとも数日に一度はロフトに上る。上ったついでに、掃除をすることも、たまには、ある。正直、ちょっと面倒だけど、パキラに背中を押されて、ロフトも少し、きれいになってきた、はず。
とはいえ、「置いたら、置きっぱなし」のクセは治らず、冬だけではなく、この夏の間もパキラはロフトで元気に成長中。残暑厳しいロフトに誰が上るのか、オットとの攻防戦が静かに繰り広げられるわが家である。
【関連記事】
建築家に依頼して建てた 小さな家での暮らしのエッセイ
<空間づくり〉
・2階リビングの住み心地 ・高けりゃいいってもんじゃない ・引き戸がいっぱい! ・浴室に掃き出し窓 ・どこに置く?自転車 ・トイレはふたつ必要か? ・されど階段 ・眺めはいい方が、やっぱりイイ! ・少し年上の建築家に
<使い勝手〉
・「ちょい掛け」できる? ・玄関の内側にポストを設けてみたら ・階段下に屋外収納 ・玄関脇のウォークインクロゼット ・玄関に160センチの木製バー ・「見える」収納 ・自然の素材は覚悟がいる
<海辺の土地で〉
・海が見える暮らしと塩害と ・一戸建ての醍醐味というけれど…… ・四季を過ごしてわかったこと ・周辺環境を、買う ・周辺環境の変化の予測は難しい
<日々の暮らし〉
・一戸建ては忙しい、かも ・一生モノの家具 ・玄関灯と節電と ・模様替えができない ・額に入れれば立派な家宝 ・家づくりと夫婦歴